第三十七話 なぜ一緒に?
今回は一部のキャラ崩壊が激しいので、ご注意ください。
「……で、何でいきなりこうなる訳?」
今、俺と妹は村から出ている。
因みに、村からは数百人の村民が見送りに来ていた。
「まあまあ、アイ兄。これも……村民の為だって。
……其処にソイツが居なければもっと良いんだけどな……」
妹が俺の横に並びながら、反対側を睨む。殺気が俺に当たるんだけどな妹よ。
俺は視線を反対側に向ける。
そこには、肌も白く髪も白い美少年が歩いていた。
「我こそ早くお主等と戦をしたい!
だが、まあ、今は、ちょっとな……?」
「そうです。私めが居る限り、貴方様に勝手な真似はさせる訳にはいきません。
これは向こう側の沽券に関わりますから。
元々、向こう側とこちら側は相容れない関係。
今から何億年も前にそう人間と契約したじゃありませんか。
それを貴方様はいつもいつも……」
その少年のまた向こう側で歩いている、露出度が高く、
胸元や下のほうが何となく危ない鎧を着ている女性が至極真剣な表情と口調で話す。
さて、なぜこうなったのだろう。
しかも、ちゃっかり普通に話してるし。
それの理由を話そう。
少しばかり時を遡る。
此処は、数多くの村民が監禁を受けている地下。
目の前で、女性に説教を現在進行形で受けている『悪魔の王』。
その姿は、確かに説教には動じていない様子だったが、次第にどんどん折れてきたようだ。
「あ~! 分かった、分かった。
何かと理由をつけて此処にきた我が悪かった。だからもう説教はよせ!」
「まったく。次に何か問題起こしたら承知しませんからね!」
ハァ~ッと大きな溜め息をついたあと、こちらを振り向く『悪魔の王』。
「しょうがないが、今回の戦は見送りだ。
せいぜい首を洗って待ってい「違うでしょうが!」……すまん」
本当にさっきの妹と奴の雰囲気がぶち壊しだ。
恐るべき空気変換(KYチェンジャー)だなあの女。
するとその女が相手の前に出てくる。
そして話し始める。
「すみません。今回の件に関してはこちらから謝罪をさせてもらいます。
今回、王が無断でこちら側に来た本当の理由は、
『跳躍者』様と『天使の末裔』様のお二方が倒した
男爵級の雑魚悪魔の粛清でございます。
なので、決してあなた達人間に危害を加えにきたのではありません」
「ふざけるな!!!」
妹が怒鳴る。
「じゃあアレは何なんだ!
私達と戦う為だけに人の命を一つ奪って!
あの命はどう説明する気だ!」
すると何か思い出したように『悪魔の王』が言う。
「ああ! 確かそれは我の特殊な魔法で、
そこら辺に散らばっている血液や欠片は偽物で、実際の本体は近くに転移される悪戯魔法だったな!」
「「「ゑ………………………………」」」
アイツ、性格崩壊してないか?
つーか悪戯魔法って、まさか俺達を起こらせる為だけにそんなもん作ったのか!?
「おいおい王! まさかお前俺達と戦う為に?」
「あ、ああ。その通りだ。
我が直々に逃亡した雑魚を粛清して、暇つぶししようと思ったらお前ら二人を見つけたのだよ。
何だ? さっきのやり取りか?
王の寛大さと愚民への配慮を見誤るなよ『跳躍者』?
我は一切、『世界を纏めし四人』以外に手を下す気など始めから無い」
「「「……………………(怒)」」」
「まったく。この事件の解決は貴方様に任せますよ?」
「う、わ、分かった。我に任せろ。
……『跳躍者』、『天使の末裔』。
先ほどは、その、すまなかった。(チッ、コイツが居なかったら今頃は戦を!)
ただの暇つぶしでも、人間に危害を加えたのは王として謝罪する。
詫びとして、この村の村民の処遇は私に任せてもらおう」
「な! そんな事任せるわけ「良いよ」なっ! アイ兄!」
「まあ、ソイツに任せるだけだ。でも、絶対最善の方法をしろよ王?」
「無論だ。では始めるぞ……」
と、そんなこんながあった。
で、今は村から帰っている途中というわけである。
キャラ崩壊!
感想待ってます。
誤字は、ありませんよね?