第二十八話 横暴だ!
一章よりも凄い長くなるような気がしてきた今日この頃。
「で、さっきのは何だ?」
「「こっちが聞きたい!」」
今は、街に入って、またマスターの家の地下の部屋に来ている。
今度はマスターも一緒に。
「私は、書類仕事も終わったし、地下を見てみようと思っただけだ。
そしたら、そこの馬鹿息子が家をぶっ壊すような魔法を撃とうとしてる」
「え? ちょっと待ってくださいよマスター。
俺は別に家を壊すほどなど……」
「いやいや、あの時のアイ兄の魔力からしたら、家+αが吹っ飛んでたと思うよ私は」
それを聞いて呆れるマスター。
「まったく。魔力量操作は基礎中の基礎として教えたはずだが?
何をやってるんだ」
「いや、それは、新しいオリジナル魔法を考えて……」
「!? お前がオリジナルか……。もうそこまで。
まあ、今回は私が居たからいいが、今度からは気をつけろ!」
「はい!」
「あの、アイ兄も思ってると思うんだけど、転移魔法って何?」
そうだ。
転移魔法なんて教えてもらわなかった。
この世界は、魔法はあるが、転移・転送系は無いのだ。
従って、俺と妹と自分を同時に転移できるはずがない。
「ああ。それはこの部屋の元々の持ち主の仕様だよ」
「「元々の持ち主?」」
「そうだ。
私の先祖が作ったのがこの部屋で、
家は改修を続けているが、部屋だけは残っている。
そしてこの部屋を作った先祖が、ここに変なトラップを仕掛けたんだよ。
どうやるか原理を知らないが、街の外に転移できるトラップをな。
今はそれを緊急離脱用として使っているのに過ぎない」
「そうだったんですか……。
あ、そういえば俺の刀!」
思い出して自分の刀を見る。
…………良かった。どうやら土属性付与魔法は完成らしい。
「それでさ、兄。今めっちゃ暇なんだけどさ、
何か模擬戦以外にやること無いのか?」
確かに。模擬戦でもやったらまた飛ばされる可能性大だし。
やはり、訓練にもなる暇つぶしが良い。
そして、『遺跡』が見つかったら行く、という形が望ましい。
「ああ。それならほら、これ持っとけ」
「「?」」
俺と妹に投げ渡される一枚のカード。
カードには、Bと刻まれている。
「こ、これって!」
妹が随分驚いてる。
「これなんだ?」
「それはギルドカードだよ。
アイはもうEランクのカードを持ってると思うが、
これからはBランクだ。おめでとう」
「はぁ!? え、そんないきなり!?
何でBランクなんですか?」
「そうだよ養父さん! 何でアイ兄がBで私がEなんだ!?」
あ、やっぱり妹はEからなんだ。
「ああ、それについてなんだが。
アリア。聞いて驚くな。アイはあのフェンリルを倒したんだ」
「はぁああ!? な、何だよそれ! 反則だろ!」
「だから女の子が大きい声を「そんなのどうでも良い!」……」
「さっさと説明しろぉっ!」
「ハァ……(横暴だ)分かったよ……」
妹は横暴でした(今更)
どうか感想を……求ム