第二十三話 第二回鉄拳制裁タイム
妹も居るので、程々の外的魔力強化をして、四,五日程度で帰った。
100㎞を四,五日なんて滅茶苦茶な早さで帰れたのは、ひとえに妹の強化魔法の熟練度のお陰だった。
俺が本気で、許容量全部を強化魔法に費やしたなら、妹の全力の軽く数倍はいくのだが、
滅多に全力は使わないので、いつも使っている程度で走ると、
なんと妹もそれに軽く追随してくるのだ。
「お前、強化魔法得意なのか?」
「そりゃ、一番得意だ!
内的魔力で一番高い適正の風属性だって、強化魔法の方がやり易いし」
「へぇ、そうなのか…………」
こんな感じである。
一番得意と言うだけあって、凄く速い。
なので、100㎞を四,五日で行けたのだ。
それで街についてみると、
「おおーーー! これが首都かぁ!
凄いでかいな! 人も沢山いるぞ兄!」
こんなんで、凄い、何と言うか、
「和むなぁ…………」
口調はともかく、始めて見る街の賑わいだ。
凄い癒されるな。
……爺臭くなってきたな、俺。(こっちに来てから)
「なあなあ兄! あれ何だ!?
これ買ってくれよ! なあこれって…………」
街の男共の中にニヤニヤした目つきの奴がいる。
まあ、元々が良いアリアだ。
顔も十人中八人が振り返りそうで、(そこ! 中途半端とか言うな!)
プロポーションも同い年と比べたら結構いい方で、
だが、引き締まってる体だ。
まあ、見てるだけならまだ良かったんだが。
「なあなあ、俺達とちょっと来ない?」
「そうそう、可愛い姉ちゃん、ちょっと一緒に遊ぼうぜぇ」
やはりテンプレの如く現れるやられ役。
妹はその気が強い男勝りな性格が災いして、
「あ!? テメエらと遊んでる暇なんて無いんだよ。
とっとと失せろ」
今までで一番ガン垂れていた。
うっうっ、妹が非行に走ってしまった!
お兄ちゃん悲しいよ……。
するとやられ役のテンプレモブA,Bが、顔を真っ赤にして怒鳴る。
つーか例えが多い。
「んだとこの女ぁ! 下手にでてりゃあいい気になりやがって!」
俺は黙って妹と男達の間に出る。
「あ!? てめえそこの女の知り合いかよ?」
「兄妹だ」
「姉妹? はっはっは! 笑わせやがって!
妹も生意気だと思ってたら、姉まで馬鹿だったとは!」
……今こいつなんて言った?
もう一回リプレイしてみよう。
『姉まで』
…………………………間違えたら、男には鉄拳制裁。女には、鉄言制裁。
「お前ら二人」
「あ?」
「何だよ?」
後ろで妹があーあと二人の犠牲に追悼(偽)してる。
「俺は、お・と・こだぁああああああぁぁぁぁぁあああ!」
「はっ!? え? ちょ! わ、悪かっぎゃあああああああ!」
「いやがぎゃああああ!」
ボコッ、ドカッ、ゴスゥ!
僅か二分後。
「俺は男だ。そして姉妹ではなく兄妹だ。
分かってくれたか?」
「は、はぃいい!」
「すっ、すぅみやせんでったー!」
いやいや、二人とも物分りが良くて助かった。
「さて、アリア。マスターの所に行くよ」
「あ、ああ。分かった。(怖いな)」
まったく、この頃男と女の区別がつかない奴が多すぎ!服見ろ服!
この凶悪な服を女が着るわけねーだろーが!
まあ、この世界に来てから二度目の鉄拳制裁だった。
しばらくはシリアスは無い、と思います。
皆さん。
どっかからの引用でもいいので、
アリアの武器・戦闘時服装のアイデアを私に提案を!
どうか感想に書いてください!お願いします!
鉄拳制裁と大覇星祭って、なんか語呂が似てる(笑)