第二十二話 帰路、妹驚
今、もうディアボロスが居なくなって、
効力が無くなった魔法無効化の呪いが掛かっていた扉を開け、
そして既に神殿?からでている。
今は街に帰る事が優先だ。
「なあ」
「なに兄?」
「情報とかその他諸々、この世界ではどういう所で手に入れるんだ?」
「この世界? そういえば『天使の末裔』は私?だとして、『跳躍者』ってやっぱ兄だよな?
アイツにもそう呼ばれてたし。何かあるの?」
「あー、その、なんだ。まあそれはまた今度……」
違う世界からのトリップなんて言ったら、「いつか帰るのか?」
とか聞かれそうでさ。
とにかく、もう少し段取りをしてからだな…………。
「お兄ちゃん、お願い教えて?」
涙目の上目遣いでこちらを見てくる妹。
やめろ! そういう目で見るな!
その涙嘘だろ! そうなんだろ! そう言ってくれ!
「…………駄目?」
少し悲しそうにしながら言う妹。
もうやめてってばぁ!
「わ、分かッ…………」
分かった、と言いそうになったとき、妹の目が笑うのを見た。
「ってないっ! もうその手には引っかかんねえ!」
「……チッ。まあいーや。でさ、さっきの質問だっけ?」
「あ、ああ。(切り替え早いな…………。つーか今『チッ』て!)」
「情報は、やっぱりフリーの情報屋でしょ。もしくはギルドの高ランク保持者になる。
高ランク保持者のみに許される図書館があるらしーんだよね。
それと、さっき兄がやってた、『遺跡』の調査によるもの。
……とりあえず、一般的な情報は学校の禁書館でいーんじゃないの?」
「………………」
「おーい。聞いてるかー?」
「ああ、お前って結構知識あんのな。すげえな」
「何かバカにしたような褒めた様な発言……。
まあ、これぐらいならこの世界の常識だからな。
少なくともこの国にいれば普通に手に入る程度の情報だよ?」
「あ、そう。まあ、色々結構検討つけといたから、とりあえず今はマスターの所に帰んなきゃな」
「マスターってどんな人なんだ?」
妹が興味津々といった感じで聞いてくる。
「マスターは、まあ話した?と思うけど、ギルドマスターをやってる。
それで、一人だった俺を拾って、養子として置いてくれる事になった。
それは一週間ほど前ぐらいのことかな?
それで、魔力検査して、魔法を教えてもらった。
因みにマスターは、何と内的魔力に光属性があって、外的魔力でなぜか闇属性を使える。
すごいよな」
「外的魔力で闇属性って……。
そういえばさ、兄は内的魔力は伝説の天属性魔属性なんだよな?」
「ああ。それは言ったよな」
「それとさ、外的魔力って何が使えるんだ?」
「…………全属性」
「は?」
「だから、火、水、風、土、光、闇。全部使えるんだよ。外的魔力操作だけで」
「はああああぁぁぁ!?」
「だから、女の子は大きい声出しちゃ駄目だって」
「そ、そそ、そんなこといったら、マスターよりも兄の方が反則じゃないか!」
さすがに正面から言われたら返す言葉が無いな…………。
「…………さ、行こうか妹」
「(この人スルーする気だ。誤魔化すつもりか!)あ! 待てよ!」
そんな感じで歩いていく帰路。
妹驚は造語。