表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/44

第二十話 疑問追求

ディアボロスSIDE



『……もう終わったか。跳躍者よ。その強さ、我が認めよう』


これで一人目。

だが、今はまだ王の尊厳にかけて、天使の末裔には手を出せんが、まあいいだろう。


もう一度魔力反応をこの広大な部屋の隅々まで確認する。

今この部屋内にいるのは、我と天使の末裔のみ。

跳躍者は死んだのだろう。


『世界を纏める四人の末裔。悪魔の王というのも、跳躍者も、難儀な関係だ……』


そしてこの借物・・の闇を霧散させようとしたその時、

背後でパキンと、何かが割れる音がした。


闇をまた収束、取り込み、後ろを振り向く。


そこには、防壁に使われた魔力の残滓と、その光の中で泣く天使の末裔。


「なんでお前は! ディアボロス! また私の家族を!」


『止めておけ。まだ『覚醒』も済ませていない天使の末裔など、王の前では唯の塵程度。

折角、戦友の跳躍者のお陰で助かった命だ。

また我に取られるまで大切にした方がいいぞ?』


「! 殺す! 絶対に殺してやる!」


『……残念だ。跳躍者との盟約だからな。生かしておこうと言うなら良いが、

王に危害を加えると言うならばそれなりにやらなければな』


「ちょっと待ってくれねーかな?

それにアリア! お前だって女なんだからそんな乱暴発言禁止!」


「!?」


『な! この声は! 跳躍者!』


なぜだ!? あいつはもう死んだはずでは…………。


声の主へ視線を向けると、そこには、死んだとばかり思っていた跳躍者がいた。




ディアボロスSIDE END



あ~あ~、こちらミカミ小隊。HQ、聞こえますか~。


……今俺は瓦礫の下敷きになってる。

まあ、右腕を上にして支えてるからいいけど。


瓦礫から這い出ると、すぐ正面で妹が凄い剣幕でディアボロスに殺す!って言ってる。

そしてディアボロスが微妙に殺気を出し始めた。

これはヤバイな。約束も何もない。早く助けるしかない!


「ちょっと待ってくれねーかな?

それにアリア! お前だって女なんだからそんな乱暴発言禁止!」


「!?」


『な! この声は跳躍者!』


「おいディアボロス。俺との約束はどうした?

それとも今は俺が生きてる説明をするのが先か?」


「アイ兄……生きてて良かった…………」


『……なぜあの魔法をくらって生きている?

お前は確かにあの時確かに魔法の着弾地点にいたはず……』


また戦闘態勢になって警戒するディアボロス。


「ああ。俺も考えたよ。

あの魔法は何もかも規格外。詠唱も一瞬で俺には真似できないと分かった。聞いた事もない。

だが、お前は矛盾を残しすぎたんだよ」


『!』


「一つ、お前の体は『闇』そのものを収束させたものに過ぎない。

これに至った原因は、ただの石がお前の体に当たらなかったから。

お前の体に当たらないということは、お前の『闇』は、

闇そのものを物質化したものではなく、収束させたもの。


そしてそれからまた矛盾が生まれる。


二つ目、お前は俺の攻撃を防ぐ。これはなぜか?

闇ならば俺の攻撃を防がず『透過』させ、俺をメッタ刺しにでもすればいい。

だけどお前は受け止めた。


更に、お前は闇で攻撃できる。

普通だったら、透過する体なんて、攻撃できないからな。

だがお前は俺に攻撃を当てる。


それプラス、魔法も当たった。


そして前提条件として、絶対に俺がする事。

それは、『全身強化魔法』。


……いや、語弊があるな。

普通、強化魔法なんて使わないと、魔法戦では一瞬で死ぬ。

だから、お前みたいな奴と戦う場合、絶対に・・・強化をする。

しかも俺ぐらいになると、体に染み込ませ、体の一部として扱う。


これらの前提条件と矛盾から導き出せる答え。

それは単純なものだった。

……本人なら分かるよな?」


『クッ…………』


「どういうこと?」


「……つまり! ディアボロス。お前の体は本物じゃない。

そして、だからこそ、闇だからこそ!


お前、魔力にしか・・・・・攻撃できない・・・・んだろ?」

矛盾してるのはお前の文だ!


と、もうひとりの僕が言います。


という電波がきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ