第十七話 『跳躍者』対『王』
主人公のキャラが違いますが、
これは必死になってるだけなんであしからず。
部屋の扉から抜け出ようとしたその時、
勢い良く外側から扉が閉まり、ガチャリと音を出した。
「! 何だよこれっ! ゲームじゃねーんだぞ!
畜生、こっちは命が掛かってんだぞ!」
「アイ兄…………」
『さあ、我、悪魔の王ディアボロスと殺しあおう!』
ガンッガンッガンッ
「くそっくそっくそっ!」
いくら叩いても、魔法を使おうとしても駄目だ。
『無駄だぞ跳躍者。その扉は魔法無効化の呪いが掛かっていて、私でも開けれん』
「うるせえ! これならどうだ!
能力使用! 対象は扉!
『破壊』!」
使いたくなかったが、超能力を使う。
しかし、扉は砕けない、融けない、開かない。
何かに弾かれた感触がした。
「なっ! 超能力も魔法と断定されんのかよ!?
この扉何でできてんだよ!」
「アイ兄……ごめんね。私のせいでこんなことに「うるせえ!」!?」
「妹……いや、アリアのせいじゃねえ!
これは俺の問題だ! 俺が処置する!
おいディアボロス! お前が本当の王ならその器に免じて一対一の勝負と行こうじゃねえか!
俺の妹……しらないが、お前の言うところの天使の末裔には手を出すな!」
『ハッハッ! この状況で面白い事を言う! さすが跳躍者!
まあ、挑発と分かっていても私は王だからな。
一人を滅せればそれでいい。いいだろう! 私も良識ぐらいは持ち合わせているぞ!』
「はっ! どっかのRPGと違って器が大きいな王!」
俺は妹を扉の傍に座らせる。
そして、魔法をかける。
「光の精霊、我に答えよ。そして頑強なる盾、ここに頸現せん! 『シャイニング・ヘキサゴン』!」
六角形の形をとる六つの光の柱がアリアを中心に立ち、
そしてその柱から光の線が伸びて、複雑な六芒星を形作る。
「え!? アイ兄! 何これ、そっちに行けないよ!?」
「これは光の盾の中級魔法。
だけど外的魔力で俺が操れる最高の量を入れたから、上級魔法にも耐えられるはずだろ。
そしてそれは外と中の接触を遮断する盾。外からは勿論中からも外にでれない。
……待ってろよ。きっと助けてみせる!」
俺は振り返り、ディアボロスと目を合わせる。
何か吸い込まれるような恐怖の感覚が支配する。
「待たせたな、始めようか」
『ククク、それぐらい、待ったとも言わんよ。
それより本当に良いのか?
今なら天使の末裔を差し出せばお前を助けて「黙れ!」……お前には必要の無い問答だったな!
悪魔の王相手に恐怖は無いのか?』
闇が嘲笑しながらこちらを見る。
「怖いよ?
お前の言うところの跳躍者だって、勿論普通の人間だしな。
だから俺は、アリアを死なせない為に、俺が死ぬ!」
『良い根性だな跳躍者! その無駄な足掻きを見せてみろ!
先攻は貴様にくれてやる!』
「言われなくともな!」
体全体に強化魔法として、外的魔力を染み込ませる。
そして更に超能力を使い、背中と足に不可視の風の翼を出し、体全体も風で覆う。
「超能力者兼魔法使いを舐めんなよ!
火の精霊、我に答えよ。そしてその大いなる聖火、仇為す者を焼き払え! 『ボルケーノ・ブレイド』!」
火の剣を出し、右手で持ち、左手は、風の不可視の剣を握る。
「いくぞォ!」
その瞬間、俺は音速に迫る速度で、相手に向かった。
ディアボロス。
普通の敵と違って良識あります。
作者は思った。
RPGとかにでてくる大体の敵って、悪意バリバリじゃね?
俺は敵も、味方と同じぐらいちゃんと書きたいんだ!