第十四話 潜入捜査
今回も特に何もない回です。
「はぁー、ここが『遺跡』かー」
前は怖がってた癖に、『遺跡』の前で感嘆の声を上げている。
「ほら、はやくいくぞ」
「あ、ああ、分かったよ……」
二人で、『遺跡』の土地の中に入っている。
周りは廃墟で、俺の知ってるのと違うのは、
建物が全て石造りの簡単なものの所だ。
本当に、遺跡!っていう雰囲気だ。
歩いていく中で、色々な建物に入って行き、
そこにある石碑やら文書やらを探すが、まったく見つからない。
「なあ、本当にここに兄の捜してるものあるのか?」
「ああ、ここにあるはずなんだが……」
しかし変だ。
建物は、元々崩れているものばかりだが、誰かが通った形跡がいくつかあった。
そして、何処にも見つからない古代品。
更に、極め付けは、
「魔物がいない……」
「そう! 私も思ってたんだけどさー、ここ一応じゃなくても『遺跡』でしょ?
強い中位上位の魔物ぐらい居るはずなんだけど、
さっきから、一匹も居ないよ?」
そう。先ほど遺跡に入ってから、まったく魔物と遭遇していない。
だが、戦闘の後も無ければ、魔物の死体も無い。
これはつまり、魔物が自分から移動?
それか人為的に移動させられたのか?
だとしたらその首謀者は何を企んでいる?
「なあ、魔物を統率できる奴か魔法って無いのか?」
「はぁ? そんなの居るわけないじゃん!
魔物って知恵も何も無いって事は兄だって知ってるでしょ?」
「そうなんだけどなぁ…………」
「あっ! そんな事より、ほら、今までで一番大きい建物があるよ!」
前を見ると、今まで歩いて見てきた遺跡っていう雰囲気の建物が、
まるで掘っ立て小屋に見える程の建物、いや、世界遺産登録済みの中の文化遺産の神殿ですか?
と思いたくなるようなものが立っていた。
いままでのものより数十倍は広い。
「「怪しい…………」」
妹と考えがハモった。
まあそれはいいとして、明らかに、古代品はこちら!
ってバーゲンセールしてる様な感じだ。
「まるで古代品のバーゲンセールだな……」(byベ○ータ)
「……捜してみる?」
「ああ……よし、行くぞ!」
何も罠っぽいのが無いのを確認して、でかい扉をゆっくりと開く。
扉を開けた先は、一本道の通路で、奥まで光が届かず、真っ暗になっている。
「ねえアイ兄…………」
「なんだ?」
「こういう展開って、だいたい最終場面だよな?」
「…………同感……」
果たして、アイ達は大魔王(偽)を倒せるのか!?
ってか?
次回、戦闘あるかもね!?