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きっかけ

武田家臣、木曽義昌きそよしまさ


史実においては、信濃木曽谷を治めていた人物であり、武田家滅亡のきっかけを作った武将である。


しかし、この世界線においては大きく異なったモノである。



◇        ◇



1568年、木曽福島城。現在で言うと、長野県らへん。

木曽家、木曽義康の息子として、木曽義昌は領地をもらう。

その2年後、主君である武田家、武田信玄から、蒲原城の城代に任命される。

現在で言うと、静岡県らへん。


「信玄様のご命令ならば!」


対今川家、北条家の防衛拠点。ここを任されただけに、武田家から義昌への期待と責任は大きいモノであっただろう。

義昌はすぐに蒲原城の領地を整え、城を強固なモノとし、兵を集っては練兵させていた。


名将・猛将・知将。

名門武田家において、3つの将を数多く持ち、義昌はどの将かと家中で問われれば。


『極平凡な将。名将にもあらず、猛将にもあらず、知将にもあらず』


戦で武勇を示すわけでもなく、的確な采配をこなすわけでもなく、敵を欺くことなどない。とても平凡である。領地内政に勤め、富を集め、米を集め、兵を集め、武器を集め……。とにかく、平凡に戦う将というものだった。


「ふ~~~っ」


派手に戦う武将ではない。だが、その必要はない。


「武田家には敵が多い。今川、北条、織田、徳川、上杉……」


現在の武田家は外交的に不利な状況であり、桶狭間の戦い以降の今川家は大きく弱体化するも、大躍進する織田家、かねてから因縁のある上杉家。同盟破棄によって、北条家との関係も悪化。周囲を囲まれていても、戦えているのは武田家に揃う名将達があってこそだが……。


「武田家にいたら危ないものだな」


戦で将が死ぬのは分かっていることだ。

このままでは武田家は危ういと思っていた。

そして、事件は起こった。


「徳川軍、撤退!!徳川軍、撤退!!」


武田家の飯田城に徳川軍、約八千の軍勢が押し寄せ、武田家はこれを見事に撃退。さらに、上杉と北条の小競り合い。織田家は幕府再興へ上洛中。包囲が解かれた、わずかな時であったが、


「今川家を滅ぼす!」


1571年。4月。

武田家、今川家の駿府城に侵攻。この侵攻の成否によって、今川家は滅亡する。武田家は義昌の軍を含めて、1万2千を動員。対する今川家は2千。そして、援軍に来る北条家は1万6千。

数の上では不利ではあるが……


「今川は弱兵!北条の援軍到着前に決してくれよう!」


北条家は上杉と、箕輪城付近で小競り合い中。現在で言うと、群馬県らへん。援軍の要請を受けても、すぐには来れない。義昌の軍3千は、武田家の本軍である、天下の名将、武田信玄が率いる5千の軍を駿府城まで無事に着陣させること。

今川家の足止めを掃う、先鋒として出ていた。


「信玄様達の道を切り開くのだーー!」


義昌の活躍、義昌達の兵達の奮起によって、武田信玄が率いる5千の軍は駿府城に到着。そして、後詰に来る4千の軍は、北条の援軍の足止めを担う。義昌が今川家の足止め部隊を見事に蹴散らした事で、駿府城を手に入れた後、今川家を滅ぼした事を利用すれば、数で上回っても大儀がなくなった北条軍を追い払える。侵攻速度は第一だった。

だが、


「徳川家、再度!飯田城に侵攻!!」


ここで思わぬ誤算が起こる。

誤算その1。

再び、徳川家が武田領内の飯田城に侵攻してきたのだ。

兵を休ませずに行う強硬な侵攻には驚いた。


「徳川家に仕えたくねぇ~……(たぶん、今川家か織田家の依頼なんだろうが)」


徳川家が動けぬと踏んで、今川家へ侵攻した。今川家はこちら武田家にも隣接しているし、徳川家とも隣接している。


「義昌。お前は徳川家を牽制してこい。徳川の兵達は我が軍よりも疲弊しているのは明らかだ」

「承知しました、御屋形様」


木曽義昌の軍は今川家の足止め部隊を蹴散らした後、駿府城を通り過ぎ、徳川領内に入る。飯田城に攻めるならば、徳川領内を荒す。主君である信玄の指示に間違いない。そう。間違いはなかったのだが、……。もう1つの誤算が起こる。



「ごほぉごほぉ……ううっ……」

「お、御屋形様!!しっかりしてください!」

「くっ……駿府城を手に入れ、海を手にしたかったが……」


誤算その2。

1571年。6月。

武田信玄、陣中にて、急死。


「御屋形様が倒れてしまった!!全軍撤退ーーー!!」


武田信玄の本軍は、信玄が逝去したために瓦解。それに応じて、北条軍の足止め役となる後詰も撤退。今川家は九死に一生を得たわけだが


「ちょっ!!俺達まだ、徳川領内にいるんですけど!!?なに帰ってんの!ちょっと、みんなーー!?信玄様、亡くなった!?嘘でしょ!?4日前に的確な指示を出してましたよ!!」


徳川家の牽制のためにいた、木曽義昌の軍は、徳川家と今川家の間に取り残された。そして、北条軍は武田家に戻るべく、今川家の領内を通らなければならない義昌の軍に襲い掛かったのだ。


「蒲原城の城代、木曽義昌を捕らえ!蒲原城を北条家のモノにするぞ!!」



木曽義昌2千 VS 北条軍1万6千


激突!!



「いや、勝てるわけねぇだろ!!しかも、野戦だぞ!!」




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