カモメ
この眩しさに
透いていく寂しさの青
熱く揺れた言葉は
放つ度に
イカロスの羽根のように
溶けていった
無力さを噛み締め
唇を濡らす日々
白いカモメは
鳴きもせず
空を突き抜けてゆく
風を掴み
そこに行くことに
羽ばたき以外の
なにが必要だと
信じていたのだろう
届けたい言葉も
届かない言葉も
同じように遠く
つかの間の
夢の輝きのように
白く瞬いて消えた
飛んで行けよ
分かり合えないままに
その姿ひとつ
明らかなことは
それだけでいいと
ゆるしあえたなら