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Life Design Teacher!   作者: 松本隼龍


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3/3

1時間目 そもそも学校とは② 基本の前の現状把握

こちらの方の続きを読みたいとの要望が割と多かったのでフラッシュバックに耐えながら書きました。これからも少しずつでも上げられたらと思います。よろしくお願いします。

「この基本的な能力の『基本』 これは何が基準の基本なのか?さっきの図を見てみよう。」


先程の図、家庭、学校、地域の順に其々の円が広がる様に取り囲む図を先生は差す。


「この図から学校は次のコミュニティである『地域』で何をする為の練習をする場か、分かるかな?」


先生は奏を差して問う。

「えっと‥。仕事?」

「正解!『地域で仕事をする為の基本的な能力を身に付ける』のが学校なんだ。だけど普段の授業で仕事の事を学んでいる様に感じるかい?」

一同は黙ったり首を振ったりしている。

「ナイスざわざわ。 この次のコミュニティを見据えた授業を受けている筈なのに疑問が湧く状態。良いか悪いかといえば明確に悪い。でも何故かその状態に倣ってしまっている。何故ならその方が『国の都合が良いから』。」


国の都合? 


「正確には『国内の企業』だけどね。どういう能力を伸ばしているか分からずに過ごせばどうなるか。『これだけやっとけばいいか』『こんなもん』『知らない事はやらない』と思う人間が多くなる。ノルマだけこなしておけば良いと考えて挑戦心がなく、仕事を意識した教育を為されていない人間は企業からしたら『都合良く低賃金で雇える人間』に他ならない。その枠の中で年功序列で上になっただけの奴が部下に向かって大体こう言う。『お前の代わりは幾らでもいるんだぞ』ってね。」


なんかそういうのよく聞く気がする。そういう所から来てる台詞なんだ。


「お前もなーって感じ。」

軽く教室に笑いが起きる。でも他人事じゃないよねこれ。


「そんな個人の尊重という日本人の美德の一つの基本理念すら蔑ろにするやつが出てくるわけだ。で、それを食らった側はこれだけやっておけばいいかが増長して『そういう人もいる』って自分の心を納得させに行く人が出てくる。だけどその行為はただの言い訳。実際には問題の放置に走ってる『諦め無責任人間』の出来上がりに他ならない。大抵の人間がこれじゃあ社会が良くなる訳がないんだよね。」


お父さんが読んでた漫画の台詞であった『諦めたらそこで試合終了だよ』ってこの事なのかと妙に納得した。


「で、これだけやって置けば良い状態じゃない状況になって、無理に頑張って栄養ドリンク。栄養ドリンク作ってるのは?」

男子の近藤が差され、問われる。

「えっ?製薬会社?」

「そうだね。今後の健康の授業でまた話すけど栄養ドリンクは砂糖の塊って覚えて置いてね。砂糖は身体にどの様な作用があるでしょう?」

今度は女子の田中さんが差される。

「えー?気分良くなる?w」

「あ〜ん食べてる時は全てを忘れちゃ〜うwって感じで、まあ脳内麻薬のエンドルフィン出てほわわーんとなるから間違いじゃないかw」

クラス中が笑いに包まれる。時折入るこの緊張を解すトークがこの先生の持ち味かも。


「ここで言いたいのは砂糖は『体温を下げる』という事。体温が下がるとどうなるか‥それは‥。」


先生は黒板に二つの言葉を書いた。その二つの言葉は‥



『病気』と『(ガン)


「これになり易くなります。で、いざ病気になりました。どうしますか?ハイ。」

今度は女子の山本さんが差された。

「病院に行く。」

「そうだね?で、診て貰った後は?」

「薬を貰う?」

「その薬を作っているのは?」

「製薬会社‥!!」

「そういう事です。」


クラスの皆んなが一斉にアハ体験?(っていうんだっけ?)の状態になり、騒ぎ始める。

えっ?つまりは医療や製薬会社や企業側が儲かる様に、働かせて身体壊されても仕方ないって思わせるような人間が溢れるような事を『教育の段階から国ぐるみ』でやってるって事?!


「これが日本が国民の為の国ではなく、『企業の為の国』と呼ばれる由縁の一つ。今後の仕事と消費税とかの税の使われ方の話でまた言うけど企業の中でも『大企業』ね。そしてその状況を誰かがやるだろとかそれは政治家がやる事とか言って放置して少なくとも40年近くやってきたのが、入学式で私がが言った‥。」

先生は黒板にデカデカとその先生の造語を書く。



『バブル期能天気世代』



「というわけです。」


クラス中が目を見開いて静止した。自分達が社会に出てから喰らわされるものの片鱗を見たからだ。そして同時に先生のこの造語は冗談ではなく現実なのだと理解させられた。


「その人達の放置して来た問題の一つ、『少子化』は国認定で確定して言われたのっていつだと思う?」

今度は私が差された。

「えっ‥2000年ぐらい?」

確か2000年問題ってあったような‥。

「1989年です。」


えーーーーー!!!


クラス中が目を疑って異口同音に叫ぶ。先生すら生まれてないんじゃ!?


「確定して言われたということはその前から傾向はあったという事に他ならない。君達のおじいちゃんおばあちゃん世代以上やそこから教育を受けた人達は何をしていたんだろうね?」


段々とその世代が許せなくなってきた。あの優しいおじいちゃんおばあちゃんの顔が憎くなってくる。


「ここで一つ小5の社会の問題。国を形成する三大要素。分かる人?」

「ハイ!」

手を上げたのは社会の得意な奏。

「領土、主権、国民です!」

「正解。その三大要素の一つ、国民が減ってますよって言うのが少子化だよね?その少子化によって担い手不足で各種問題を引き起こしました。今の国は作物自国生産量では江戸時代の人口しか食べれません。より安い賃金で雇う為外国人労働者を雇い国外に金を一人では少しずつでも塵も積もれば山となるで大量に流出し、これも今後やるけども『地域内乗数効果』を下げて国力の低下を促しました。日本人の収入が薄くなり結婚への意欲も考える余裕を無くしていき、さらに晩婚、低体温産婦人科医不足などで中々子供が出来ないなどの問題も発生して少子高齢化の加速。当然国防を担える若者も減ってジジババばかりになって飯も足りない。攻めるのにこんな楽な国ないわって外国から見たら一目瞭然。元自衛官として直に感じていた『薄氷の平和』に更にハンマーで叩いて割ろうとされてる様な物。その状態なのをどんだけ伝えられても『こんなもん』って勝手に納得してさっきまで言ってた事をこれだけの期間放置してる状態。なのに年金や医療介護保険料の恩恵に与れると厚かましく思ってる人達なんだ。」


皆が先生の言葉に情報量が多く、正直頭が追いつかないけど、数々の問題が放置されて私達に丸投げされる状態だと言う事は十分伝わってきた。先生がそれから逃げずにこういう形でそれらを食い止めようと戦っているんだという事も。


「この世代の人達に話をしてそこから返って来た多数の言い訳の中に『私らも頑張ったんだ。』って言う人がいます。この頑張ったの大半は『自分達が年金貰える年になるまで頑張った』です。我だけ。自分達がそれを貰えれば楽が出来ると思ってそれしか見ないまま、それを支える次の世代の事をやっていなかった。で、いざなってみたら貰える額が少ない。私らからしたらそっちの自業自得だってのにその責任は負わないし術を『知らない事はしない』だからといって『学ばない』で手に負えないってなってる。議会の定例会、一般質問の場で2回、その世代への再教育の必要性を訴えました。二回とも市長、行政からはどんな返答だったと思う?」


想像がつかず皆んな黙ったままだ。


「『その世代の事はもう治らない手遅れだと思ってる。なので貴方達世代の活動を支援する。』でした。さっき言った同級生はこの街に殺されました。それを踏まえて要約すると、『その世代は行政認定のお荷物として認定します。同世代ですがその処置は行いません。蔓延らせておきます。責任も負いません。頑張れ頑張れと応援だけはしますからどうかこれからもそちらの世代は苦しんで死人でも出してて下さい。私らを支える為に。』です。行政のトップがこう返してくるとかあり得んよね。」


色々な事に驚きすぎて言葉も出ない。過呼吸になりそうな子が私も含め何人かいる。

先生は呼吸が落ち着くのを待ち、話を続けた。

「その年では受け止めきれない話して悪いとは思ってる。だが支援の言質を取った以上、もうこっちの世代がやる事には俺が文句を言わせねぇからって話。みんなの世代はよく学びよく楽しんでよく考えて自分らしく生きられる様にこっちで基本から支援するから、自分達が次の世代の面倒見られる様になるまで安心して邁進してくれい。」


先生は笑顔で言う。 ここまでの事食らって、そんな笑顔出来て、更にどんだけ長いスパンで戦い続ける気なんだ‥メンタル化け物か‥。


「ここまでの話を聞いて、この状況の中、地域社会に出て言い訳せずに戦い挑戦する心とそれを支える身体を保ち続けるのに基本となるものを、学生の内に身に付ける必要があるのは分かってもらえたかな?分かってもらえた人ー?」


みんな気持ちが追いつかないのか手がまばらに上がる。


「全員さっと手を上げんかいw」


また先生は笑う。感情が揺さぶられすぎて最後はみんな笑うしかなくなった。


「必要性を理解してもらえた所で、次回からは基本的な能力の基本を紐解いていく内容に入ります。本日はここまで!」


次への期待が私は高まった。みんなはどうだろう?

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