貴方の婚約破棄の先には
貴方の婚約破棄の先には
「第一王子ブラウンの名において宣言する。今日で、公爵令嬢イリーナとは婚約破棄だ」
「王子様また婚約破棄ですか? 今年で100人目ですよ」侍女のファラが呆れた目をしていた。
「俺は新しい恋に目覚めたのだ」
「王子様は何回新しい恋に目覚めているのですか? あっ、言い忘れました国王陛下から100人目になったら、この国で最も高貴女性と強制結婚させるとおっしゃっていましたよ」
「最も高貴な女性だと?」
「儂じゃよ」
「レナおばあちゃん」
そう、レナは現国王の母であり、先代王妃であったので侍女のいうとおり最も高貴な女性であった。
「冗談はやめてくださいよ」
「儂はおまえのおしめまで替えてやったのにつれないやつじゃのう。夫が死んでさみしくなったのじゃ。 なあにかわいい孫との結婚を楽しみにしていたのじゃよ」
レナばあさまは盛大な光源氏計画を練っていたのであった。
「おぬしの婚姻を王の名において宣言する」
現国王にそう言われ
「げっ、本気かよ……」
そして、今まで婚約破棄してきた令嬢たちが王子の元に集まり。
「お幸せに」満面の笑顔で王子を送り出したのであった。
「たすけてくれー」
どこかで王子の断末魔が聞こえたとか……。
めでたしめでたし。
実の祖母というかつてないヒロインを出してみました。