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コノハの短編集

コワレタ心

作者: コノハ

いつからだろうか。

僕も心が、停止したのは。

友達と笑っても、何が可笑しいのかわからない。

――なんで、そんなに、笑えるの?

親が死んでも、涙はおろか、悲しいとも、さびしいとも思わなかった。

親戚の人達は、みんな、泣いていたけど。

――なんで、そんなに、哀しめるの?

不良に絡まれて、暴力をふるわれた時も、怒りも、ついには痛みすら感じなかった。

いつも怒鳴り声あげている彼らが、羨ましい。

――なんで、そんなにも、怒っていられるの?

付き合いでお化け屋敷に行った時、みんなはなぜか悲鳴を上げていた。

――なんで、そんなにも、恐がれるの?

人として生活していけばいくほど、僕から心を構成する大事なピースが、あとからあとからぽろぽろとこぼれおちていく。




いつから?


いつから僕は、こうなったんだ?


こんな、


心が抜け落ちた、



まるで、


人形のような、


壊れた人間に、僕はいつから?



ああ…


日に日に、感覚が抜け落ちていく……


最初に、味覚がなくなった。


何を食べても、何も、感じない。

…あれ?


次に、嗅覚がなくなった。

鼻はただ、空気を運ぶだけの穴になった。

…え?


その次に、聴覚がなくなった。

世界は、静寂のみが支配するようになった。

…ちょっとまってよ。


次に、触覚がなくなった。

歩くことすら、おぼつかなくなった。

…なんだよ、それ。


最後に、視覚がなくなって…

僕は、完全に思考する人形に、なり下がった。













え?なんで?なにも、本当に何も、感じない。

僕は生きているのか?死んでいるのか?

わからない。わからない!

なにがあった?

なんでこんな、ことに?なんで?

なんで?なんで?なんで?なんで?




あれ?














僕って…












本当に…















人間、なの?


















最後に、僕に残った感情。

『疑問』と、『恐怖』。

ただ、それだけ。

それ以外はもう、





なにも、考えられなくなった。



















僕は、一体、なんだったんだ?










人?









それとも…









人形?

…どうでした?

初の短編なんで、ちょっと書き方が分からなくて、こんなふうになりました。

少ない文章ですが、不思議っぽさを味わってもらえたら幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] コワレタ するとどうなるか 考えさせる [一言] 原因不明は少し不燃 書いてあるとおもしろいかも ……もっとコワレテ
[良い点] とても奥の深い小説ですね 短編なのにこんな小説が書けるなんてやっぱりコノハさんはすごいですね 大好きです
[一言] はじめまして、立木と申します。拝読させていただきました。読み終えた感想としましては、怖さや不思議さよりも前に、主人公である「僕」のことが心配になりました。自分も親が死のうが、お化け屋敷に入ろ…
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