115草
前回のあらすじ「砂浜で一休み」
―「リゾート地ガルシア・高級リゾート地 プライベートビーチ」―
「……ふう~ん」
水鏡に写る胸が一際大きい肥満児……それが自分だと思えず、違うんじゃないかと思って、自分の顔に触れてみる。すると、水鏡に写った肥満児も同じ動作を行い、丸っこくなった頬をプニプニと押していた。
「よいっしょ……と」
俺は重たい体にいつもより力を込めて、ビーチチェアから立ち上がる。すると、先ほどまで太ももに乗っていたお腹の重さが重力によって下へと垂れて、俺の体の自由を拘束する。その場で跳ねると自分の脂肪が上下に揺れる……それだけではなく、余った脂肪の付いた全身が揺れているのが分かる。
「全身が揺れる……」
「えい」
「きゃっ!?」
ガレットが突然、俺の大きくせり出したお腹を後ろから両手で掴み、力強く揉みしだいていく。
「どう? 気持ちいいでしょ?」
「ちょ、ちょっとストップ! きゃっ!?」
ガレットはその抱きついた状態で、俺の贅肉を摘んだり揺らしたりを続ける。
「……私も」
すると、ガレットはビーチチェアの近くにある台の上、俺が肥満化する際に飲んだ肥満薬を手に取り、瓶に入っていた残りを飲み干して同じサイズの肥満体になる……胸は俺の方がデカいが。
「うーん……羨ましい」
「あ、あ……ん!?」
自分の体と俺の体を見比べて胸のサイズに大分違いがあった事に気付いたガレットが、水着の上から俺の胸を鷲掴みして強い力で握る。その刺激に耐えきれず、俺は地べたに座り込んでしまう。しかも、自分のお腹の贅肉のせいで、上半身が後ろへと倒れ、ビーチチェアに預ける形になってしまった。
「どう? 気持ちいいでしょ?」
「そ、そうだ……けど……」
倒れた俺を容赦なく襲うガレット。気持ちは……いい。しかし、俺とガレットでは、その気持ち良さのベクトルが少し違う。あっちは全身の脂肪がぷにゅぷにゅと揉まれ、マッサージ的な気持ち良さに対し、こっちは性的に気持ちいいと思ってしまっている。
「例えば……これとか」
「ひゃん!?」
「後は……えい」
「ううん!!?」
互いの脂肪の詰まった体が擦り合わさる感触、そこに加わる性感帯への的確ないじくり行為……行き過ぎた俺とガレットじゃれ合いは、着ていた水着を着崩す位に強く、激しい物になっている。
「ちょ……ダメ……」
「何か……楽しくなってきた。えい!」
「いやっ!?」
勢いづいたガレットが、さらに大胆になっていく。全身をさらに強く擦り合わせる事で、互いの脂肪が混ざるんじゃないかと思う位に絡み合い……その小さな両手は、俺の大きな胸を強くしごき、我が物にしようという気力を感じる。その生前でも味わったことのない刺激が快感となって、俺に襲い掛かって来る。
「やめっ!?」
俺は思わず手を出してしまう。しかも、その手はガレットの肥満薬で少し大きくなった胸を鷲掴みにしてしまった。
「ご、ごめん……」
「あ……うん……いいよ♪」
ガレットはそう言って、片方の手を胸から下へと移動させ、絡み合う脂肪で見えない位置に持っていく。これ以上は本気のじゃれ合いになってしまう……そうは思っても、この快楽に逆らえずにいる。
「もっと……♪」
「ストップだよ!!」
すると、そこに近くにドルチェが立っており、顔を真っ赤にしてこちらを見ていた。
「2人とも……何でメスの顔をしてくんずほぐれつしてるの!? 何となくガレットが原因っぽいけど……」
「ガレットが太った私に抱き着いてきて……」
「あまりの気持ちよさに、猛獣になった。ウィードをベッドにしたい……」
「ダメだから!? ウィードは寝具じゃないからね!?」
「注意点そこじゃない……あっ」
俺の肥満薬の効果が切れて、元の体型に戻る。水着が引き延ばされてズレていたので、元の位置に戻していく。
「残念……」
肥満体のガレットが自分の膨らんだお腹を撫でながら、俺が元の姿に戻った事に残念がっている。俺が肥満薬を少しだけ飲んだのに対して、残っていた肥満薬を全て飲み干したガレットの体はもうしばらくはそのままだろう。
「どうしてこんな事をしてたの?」
「私って状態異常になるかどうかを切り替え出来るけど、体型や見た目に関わる物はどうなるのかなと思って実験してたの。ドルチェは?」
「喉が渇いたから、飲み物を取りに来たの」
「それなら……はい」
俺はコップを取り出して、台の上に出しっぱなしにしていた飲み物を入れてドルチェに渡す。よっぽど喉が渇いていたようで、それをあっという間に飲み干してしまった。
「ふう……それで何か分かったの?」
ドルチェに訊かれたので、俺はその成果を見せるために、獣化薬を収納から取り出して飲む。
「今、獣化薬を飲んだんだけど……ほら、姿が変わってないでしょ?」
「うんうん」
「でも……」
俺は自分の意思で獣化を有効化する。すると、猫耳と尻尾……少し量が多かったようで、手足も変化して手足もふさふさになり、手のひらに肉球も出来る。再び、水鏡を作り出して自分の姿を見るが……うん。水着で猫のコスプレをした美少女だ。前世で、こんな美少女とお近づきになりたかったな……。
「へえ……好きなタイミングで、獣化出来るって感じなの?」
「うん……ほら」
今度は獣化を無効にする。すると、先ほどまであった猫要素が『ポン!』と音を煙を立てて消える。そして再度、獣化を有効にすると、すぐに猫のコスプレ姿になる。
「変身! ……って感じでなれるから、完全に獣化すれば、人の姿と獣の姿を瞬時に入れ替われるなんて便利な事が出来そう……」
「それは……便利だね」
ドルチェはそう言って、俺の猫耳に優しく触れる。
「感触は当然あるんだよね?」
「もちろん。優しく触っている感触があるよ……ガレットが尻尾を掴んでるのもね」
「バレた?」
「当たり前だよ! ドルチェみたいに、もう少し優し……ひゃっ!?」
俺がガレットに注意していると、先ほどから俺の猫耳を優しく触っていたドルチェが、いきなり耳穴に指を突っ込み、中をこねくり回し始める。
「ドルチェ!? くすぐったい……!」
「あっ!? ごめん……何か気になって……」
「だったら……ねえ? ちょっと!?」
耳穴に指を入れたまま、俺の猫耳を優しく撫でるドルチェ。何か……先ほどのガレットみたいな感じのような……。俺がそう思っていると、ドルチェが今度は俺の右手に触れて、手の肉球をふにふにと押し始める。
「これは……気持ちいいよね?」
「う、うん……ねえ? 本当にどうしたの? 何か怖いんだけど……」
「そう? 気のせいだよ♪」
ドルチェがそう言って、こちらに笑顔を見せる。が……その目は笑っていない。明らかに正常では無いだろう。俺はすぐさま獣化を無効にして、元の姿に戻ろうと……。
「ひゃっ!?」
すると、ドルチェは俺に抱き着き、その大きな胸が顔に当ててくる。さらに、その体勢のまま片手で俺の尻尾の付け根辺りを触りだす。ドルチェが尻尾をくりくりと指先で動かすたびに、くすぐったさとは別の快感が全身を駆け巡る。
「あは! かわいいね……♪」
残った片手で、また俺の猫耳を触るドルチェ。今度は力強く触れているので、痛みと気持ちよさが一気に襲い掛かかり、再び意識がまどろむような感覚に陥いっていく。
「やめ……元にも、戻れないよ……」
猫耳と尻尾から来る痛みと快感が、獣化を無効にしようとする俺の行動を邪魔してくる。何とか止めてもらおうと思い、ドルチェに懇願するのだが……。
「かわいい…かワいイ……カワイイ……」
水着が乱れているのも構わず、一心不乱に俺を愛でようとするドルチェ。これは、明らかにおかしい……。
「カワイイ……」
「ひゃあーー!?」
そして、ついに水着の下に手を突っ込み、胸を直に揉み始めるドルチェ。
「えーと……ぱ、パラライズ・パヒューム!」
俺は慌てて麻痺薬を散布して、ドルチェの動きを封じる。
「う、うう……」
「何で……私まで……?」
「何か呼吸が荒かったから……念のため」
麻痺で動けないガレット。何か『ハアハア……』と言いながら、自分の体をいやらしく撫でまわしていたので念のために動けないようにしておいた。
「どうしたの?」
すると、海にいたココリス達もこっちにやって来る……。
「ストップ! こっちに来ないで! 2人みたいに変になっちゃうかも!」
俺の忠告を聞いて、ココリス達は少し離れた場所で止まる。それから、女性としてあられもない姿だったので、俺は一度着ている水着を整えてから、こうなった原因を調べるのであった。