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百四十四話  アスモデウス戦が終わって3

リアルの方が忙しすぎて中々執筆が進まない状況です。これからは不定期更新になりますが、ご愛読の程よろしくお願いします。



屋敷の地下の吸血鬼ヴァンパイア達とアルク、アトラの2人、そして仲間の皆を乗せた馬車がエルファムさんの商会に向かっている。


「(ライフ、どれくらいで着く?)」


〔(そうですね、。10分程で着くかと。道が混雑しているので少し遅くなりそうです)〕


「(わかった。頼むぞ)」


〔(はい)〕


「さて、目が覚めそうだな」


「〔ああ。すぐ覚めるぞ〕」


「〔どうしますか?〕」


「どうもしないよ。まずは様子見だ。暴れるようなら僕とゲイル、クマラの3人で抑える。その上で話をしよう。暴れないならそのまま話すだけだよ」


〔ご主人様、差し出がましいのは承知してますが、どうか、どうか、穏便にお願いいたしますわ〕


「もちろんだよ、ラスト。手荒な真似はしないよ。ラストの眷属なんだからね」


〔ありがとうございますわ。アルクとアトラの2人は昔からわたくしに付き添ってくれているのですわ。眷属と言う関係ですが、わたくしはそれ以上の家族の様な存在だと思っていますわ〕


「なら、尚更また一緒に居れるようにしないとね」


〔ありがとうございますわ〕


「「う、う〜ん」」


「〔お、覚めたみたいだぞ〕」


「こ、ここは?」


「何があったんだ?」


「おはよう、は違うかな?取り敢えず何処か辛い所は?」


「だ、大丈夫です」


「って!何だ!お前は!」


「え〜っと、アルクとアトラだよね?」


「何故、我等の名を!」


「彼女から聞いた」


〔問題は無いようで安心しましたわ〕


「何だこのスライムは!」


〔なっ!そうでしたわ、今はスライムでしたわ。これでどうですか〕


「そ、その姿は!」


「ア、アスモデウス様に瓜二つだと!」


〔今はラストですわ〕


「何を馬鹿な!」


「アスモデウス様がスライムなんかになる訳がない!」


「だが、この魔力はアスモデウス様の物だ」


「た、確かに」


「取り敢えず落ち着こう。何があったか覚えてる?」


「確か、アスモデウス様が復活して、〈眷属召喚〉で呼び出されて、」


「戦った事は覚えてる。それからどうなったんだ?いや、おそらく負けたのだろう」


「だが、何故僕達はここにいる?負けたなら死んでる筈だ」


「〔そこまでは覚えてるみたいだな〕」


「〔ええ。ですが、その先は覚えてないんですね〕」


「なるほど。わかりました。では、説明しましょう」


「ああ。って!なる訳あるか!」


「そうだ!お前は何者だ!」


「それも説明しますから、落ち着いてください」


〔(ご主人様、もうそろそろ着きます)〕


「まじか。まあ、そんなに遠く無いからな。仕方ない。あまりやりたく無かったけど、タイム、バリア、頼む」


〔は〜い!行っくよ〜!〕


〔任せて〜!〕


〔〈時間操作〉!〈固有時間遅延クロノスディレイ〉!〕


〔〈空間隔離〉!〈空間断絶結界〉!〕


〔〔〈融合〉発動!〕〕


〔〔複合技、〈時間隔離結界〉!〕〕


馬車の中に結界が広がっていく。


「な、何をした」


「結界?何故、今?」


「これは簡単に説明すると外の時間と結界内の時間をズラす物ですね。ちなみに今は外の1分が結界内では1時間になります」


「は?時間の操作だと?」


「しかも、特定の空間だけとは言え、この人数にだと、」


「あ、あり得ない!」


「そんな広範囲に〈時間魔法〉なんて!」


「あ、〈時間魔法〉じゃ無くて、上位の〈時刻魔法〉です」


「サラッととんでもない事をぶち込んでくるな!」


「そうだ!なんだ!〈時間魔法〉の上位魔法って!」


「お二人も上位魔法使えるでしょ?」


「ま、まぁ、使えるが、〈時間魔法〉と〈空間魔法〉は別格だろ!」


「そうだ!アスモデウス様でも使えないのに!スライム如きが!」


「ちょっと!僕の仲間を“如き”とか言うのやめて貰えますか!最高の仲間なんですよ!」


セイヤが凄い剣幕で詰め寄る。


「お、おう。すまん」


「わかって貰えたならいいです。さて、時間も出来たので話しましょう。まずは僕達が話すので聞いてください」


「わかった」


「ああ、頼む」


「では、•••」


それから、戦いがどうなったか、ラストを従魔にした事、2人に呪いがかかっていた事を説明した。説明が終わると2人はとても衝撃を受けたようで、落ち込んでいる。


「ま、まさか、我等が呪いにかかっていたとは、」


「それよりも、アスモデウス様が本当にスライムになってしまったなんて、、。もう、この世の終わりだ、」


「そこまでの事ですか!?」


〔そこまでショックを受けるとは思いませんでしたわ〕


「取り敢えずは理解出来ましたか?」


「ああ、。理解は出来た。認めたくは無いがな」


「そうだな、。それにしても神獣に歯向かうなんて頭おかしいな、僕達」


「だよな、。あの時は本当にどうかしてたんだな」


「とにかく、これからの話をしますが大丈夫ですか?」


「ああ、頼む」


「お願いする」


「では、お二人には3つの選択肢があります。

一つ目はステータスを封じて隷属の首輪をつけて国に引き渡す。

二つ目は今この場で倒される。

三つ目は僕の従魔になってラストの眷属となる。

ですね。どれが良いですか?」


「ちょっと待て!可笑おかしいだろ!」


「そうだ!実質一つしかないじゃ無いか!」


「そうですか?お二人の行動を考えると一つ目と二つ目があっても可笑しく無いと思いますけど?」


「それは、そうだが、」


「どうする、兄者?」


「決まってるだろ!もちろん三つ目だ!」


「それしか無いよなぁ」


〔アトラは嫌ですの?また、わたくしと過ごす事が、〕


「そんな事は有りません!アスモデウス様と過ごせる事がどれほど幸せな事か、」


「〔ならば、良いのでは?〕」


「だが、僕達は罪を犯した。その償いもせずにそんな幸せな思いをして良いものか?」


「ラストにも言ったけど、今まで犯してきた罪はその倍、いや、3倍以上に良い事をして、一生かかっても償って行こう」


「それで良いのか?」


「もちろんだよ。ただし、絶対に手を抜いたり、途中で諦めたりするのは許さないから」


「もちろんだ!名に誓おう!」


「俺もだ!名に誓って必ず守ってみせる!」


〔2人とも、。良かったですわ、。もちろんわたくしも名に誓いますわ!〕


「よし!それなら決まりだね。少し待っててね。〈従魔念話〉」


セイヤが〈念話〉で話す。


「じゃ、呼ぶよ。〈従魔召喚〉!」


ヒュンッ!


「紹介するよ。僕の仲間のラクトだ。契約の専門家?だよ」


〔ラクトだよ!よろしくね〜〕


〔ラクトさんに契約を?〕


「また、スライムだ」


「スライムってこんなに万能だったか?」


「ラクトは新しいスキルを覚えてね、〈誓紋〉ってスキル何だけど、」


〔僕が説明するね!〈誓紋〉ってスキルは簡単に言うと契約書の代わりみたいな物で、紙に残すんじゃ無くて、相手の体に紋を刻むんだよ!その紋は契約を破ったりするとすぐに分かるし、契約の条件通りになるから、大丈夫だからね!〕


〔なるほどですわ〕


「そんな事が出来るのか、」


「名に誓うのにも発動出来るのか?」


〔うん!問題なく出来るよ!〕


「と言う訳で、今からやって貰うけど心の準備は良い?」


〔勿論ですわ!〕


「大丈夫だ!」


「うん!」


「では、ラストから」


〔じゃ、僕の所に来て右手を出してね〕


〔はい。では〕


ラクトがラストの差し出された右手を掴む。


〔いいよ〜〕


〔行きますわ。“我、ラストの名に誓って一生をかけて罪を償い、二度と悪事を働かない事を誓う”〕


パアアアッ!


ラストが宣誓すると光がはっせられ、ラストの右手にどんどん集まっていき、最後は花の刻印がされた。


〔これが誓紋ですの?〕


〔はい!誓いは成されました!今行った誓いを破らないようにね!〕


〔はいですわ!〕


「次はアルクだよ」


「ああ。頼む」


〔じゃあ、同じ様にこっちに来て右手を出してね!〕


「おう」


〔じゃ、誓いを〕


「ああ。“我、アルクの名に誓って一生をかけて罪を償い、二度と悪事を働かない事を誓う”」


パアアアッ!


先程と同じ様に光がアルクの右手に集まりラストと同じ模様が刻印される。


〔これで大丈夫だよ!ちゃんと守ってね!」


「ああ。絶対に守る!」


「最後はアトラだ」


「はい!」


アトラも同じ様にラクトの前に立って右手を出す。


〔いいよ〜〕


「では、“我、アトラの名に誓って一生をかけて罪を償い、二度と悪事を働かない事を誓う”」


パアアアッ!


アトラにも2人と同じ模様が刻印された。


〔これで終わりです!しっかりと守ってね!〕


「はい!必ず!」


「これで大丈夫だね。後は2人はテイムするけど、良いよね?」


「ああ、もちろんだ」


「よろしくお願いします」


「いくよ!〈テイム〉!」


パアッ。


「よし、これで大丈夫だ!2人ともこれからよろしくね!」


「よろしく頼む」


「こちらこそお願いします」


〔アルク、アトラ、頑張りますわよ!〕


「はい!アスモデウス様!」


〔これからはラストとお呼びなさい〕


「わかりました、ラスト様!」


「それにしても、アサガオの刻印とは、偶然かな?」


〔何ですの?〕


「僕の前の世界にはね、お花にそれぞれ言葉があってね、花言葉って言ってその花が表す意味があったんだ」


「そうなのか」


「そのアサガオとやらの花言葉は何ですか?」


「確か、“固い約束”、“はかない恋”、“固い絆”だった筈だよ。もう一つあんまり良い意味では無いけど“あなたに絡みつく”って言うのもあった筈だよ」


〔それは、わたくし達にぴったりの花言葉ですわね〕


「ほんとそうだな。“固い絆”で結ばれてるからな」


「それに僕の初恋はラスト様だったから、」


アトラが僕にしか聞こえない様にコソッと話す。


「そうなのか?」


「もう終わりましたけどね。今は家族です」


「そうだな。それに“あなたに絡みつく”なんて、一生かけて償う俺達にぴったりじゃ無いか」


「少し重い様な気もするけど、そこは仕方ない。今度からはその右手のアサガオの刻印を見るたびに花言葉を思い出して、真面目にやっていってね」


〔はいですわ〕


「おう」


「はい!」


「じゃ、結界を解除して行くか」



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