百三十四話 アスモデウス戦への準備5
初めての投稿です。
誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします!
教会を大きく改装して、その隣に新しく獣舎を建てた。
「こ、これは、」
「新しい教会です。それと右隣は獣舎と言って獣を飼うところです。左隣は栽培園、薬草などを育てるところです」
「は、はぁ?つまり、どう言う事ですか?」
「つまり、これからは獣舎で動物を飼育して、卵やお肉を取ったり、栽培園で野菜や薬草を育てて収穫し、食べたり、売ったりする事が出来ると言う事です」
「それはありがたいのですが、先程も仰った通り、人手が足りないのです、」
「大丈夫です。二つ目の寄付です」
そう言って30体のゴーレムを出す。
「これは?」
「これはゴーレムと言う物です。人手の補充に重宝しますよ。
まずは5体の料理人ゴーレム、料理を得意とします。
次に5体の指導員ゴーレム、物を教えるのを得意とします。護衛も出来ます。
更に5体の商人ゴーレム、商売を得意とします。
次が2体の守護者ゴーレム、何かを守ることに特化しています。
次が3体の薬師ゴーレム、薬や〈回復薬〉を作る事に特化しています。
次が5体の農家ゴーレム、野菜や畜産に特化しています。
最後が5体の神官ゴーレム、神官としての役目を果たす事の出来るゴーレムです。
これらのゴーレムを寄付しますので人手の問題は解消です」
「はっ、えっ、ど、どう言う事?」
「ゴ、ゴーレムって、」
「もちろん危害を加えることは有りません。ちゃんと指示に従います。ですがゴーレムとは言えこのゴーレム達は特別なので意思も感情も有ります。要するに人手の確保に成功したので今お作りした施設を十分に使える、と言う事です」
「あ、ありがとうございます?」
「気にせずにどうぞ。そしてこちらが最後の寄付になります」
「ま、まだ寄付して下さるのですか!?」
「ええ。こちらをどうぞ」
グリムさんに袋を渡す。
「こ、これは?」
「アイテム袋です。時間停止、容量無限の奴です。中には同じ様なアイテム袋が4つ、お金が多少、魔道具が少し、卵と種が何個かが入っています。詳しい事は中の手紙に書いてあるのでお読みください」
「こ、こんなに宜しいのですか?」
「はい。高ランク冒険者なので。あ、後僕はスライム商会と言う商会をやっています。すぐ近くにあるので困った時などは気軽に来て下さい。僕がいない事も有りますが、困った時は必ず助けになります、遠慮せずにどうぞ。もちろん遊びに来るだけでも構いません。教会で作った〈回復薬〉や食料は余れば買い取りますのでどうぞお越しになって下さい」
「何から何までありがとうございます」
「ありがとうございます」
グリムさんとアイズさんの2人が礼をしてきた。
「気にしないで下さい。それと聞きたい事があるのですが、」
「なんでも聞いて下さい。お答えできる事は全てお答えします」
「ありがとうございます。実は冒険者としての依頼である魔物の調査を行っているのですが、どうやら魔物は“血の神殿”にいる様なのです。何かご存知有りませんか?」
「“血の神殿”ですか。創世教会には、“大いなる悪が封じられている。その封印を解く鍵は大量の血である。決して血をもたらさぬ事だ。もし、封印が解かれてしまったら世界は地獄と化すだろう”と言う言い伝えが残るくらいです」
「なるほど。参考になりました。ありがとうございます」
「お役に立てたなら光栄です」
「それではまだ調査をしなければならないので失礼しますね」
「はい。色々とありがとうございました。あなたの旅路に神の御加護が在らんことを」
「ありがとうございます」
そう言って創世教会を後にする。
「さて、次は冒険者ギルドだな」
冒険者ギルドは創世教会の反対にあるから30分ぐらいかかった。
「ここがハンゴ―の冒険者ギルドか。ゴトクや王都と比べると小さいかな?」
『ハンゴ―は商業都市なので商業ギルドのほうが大きいのでしょう』
「なるほど。まずは入ってみよう」
ドアを開けてギルド内に入っていく。ギルドの構造はゴトクや王都とほとんど変りなかった。
「受付はあそこだな」
三つある受付のうちの右端に歩いていく。
「すいません」
「なんでしょうか?依頼の発注ですか?」
「いえ、冒険者です。ギルドマスターに会いたいのですが、取り次いで貰えますか?」
「ギルドマスターですか?申し訳ありませんが冒険者個人がギルドマスターに会う事は出来ません。何か特別な用がないと、」
「多分大丈夫だと思います。「セイヤが来た」と伝えて貰えれば、」
「は、はぁ、。わかりました。聞いてくるので少々お待ちください」
「お手数おかけします」
それから少しだけ待つと受付のお姉さんが戻ってきた。
「お、お待たせしました。ギルドマスターが会うそうなのでこちらへ」
「わかりました」
受付のお姉さんの案内で二階へ続く階段を登って行く。
「ここがギルドマスターの執務室となっていますので」
「ありがとうございました」
「では、」
受付のお姉さんがそう言って戻って行く。
「ふぅ。行くか」
コンコンコン。
「入れ」
「失礼します」
ノックをして返事が返ってきたので執務室に入って行く。
「来たか。そこに座っててくれ」
「はい」
執務室は結構広く、僕達が入っても広さに問題は無い様だった。ドアの正面にはギルドマスターが座っている机があり、その手前にソファがテーブルを挟んで向き合っていた。片方のソファに腰掛ける。
「よし。待たせたな」
ギルドマスターが机からソファへと移動して来た。
「初めましてだな。俺の名前はエルトだ。よろしく頼む」
「初めまして。僕の名前はセイヤと言います。こっちは従魔のゲイル、クマラ、アース、ウィンド、ダーク、サンダー、タイム、ヒール、バリア、グラビティ、ヒート、ディビィ、グラトニーです。よろしくお願いします」
「ああ。セイヤの事情は聞いている。冒険者活動中は貴族じゃ無くていいんだよな?」
「はい。冒険者活動中はただの冒険者です」
「ただのって訳じゃ無いがな。SSランクだし」
「それもそうですかね?」
「まあ、その話は置いといて。今日の要件はなんだ?」
「はい。エルトさんなら聞いてると思うのですが、僕達がハンゴーに来た目的についてです」
「ああ、エルランドさんから聞いてる。“色欲のアスモデウス”の再封印もしくは討伐だな」
「はい。それについての情報収集を今してるんです」
「そうか。こっちでも今回の件については秘密裏に調べさせていた。が、これと言った情報は無いんだよ」
「そうですか、」
「すまんな。不思議なくらいアスモデウスについての情報が無くてな」
「わかりました。それともう一つ、」
「何だ?」
「これは確証は無いんですが、可能性の高い情報です。最近ハンゴーではミイラ化事件が多く起きてますよね?」
「ああ。衛兵団と協力して何組かの冒険者達にも調べさせている。だが、調べさせている冒険者パーティーのいくつかが行方不明になっている」
「その犯人ですが、おそらく吸血鬼です」
「なに!それは本当か!」
「あくまで、おそらくですが、。僕の仲間が昔にもミイラ化事件に似たような事が起き、その時の犯人は吸血鬼だったそうなので、」
「なるほど。たしかに信憑性は高いな。そうなると、冒険者パーティーも、。それにしても何故このタイミングで吸血鬼が動き出したのか、。ただの偶然か?」
「それも一緒に調べてみますね」
「すまんな。この件は依頼にしておく。今まではあくまでも調査の段階だったが、正式に依頼と言う形にしておくからな。吸血鬼が複数絡んでくるとなるとAランクの依頼になる。受理はこっちでやっておくから、頼んだぞ」
「はい。では、これで失礼します」
「ああ。何かあったらいつでも相談してくれ。何かわかった時もな」
「わかりました」
そう言って執務室を出て行く。
「さて。少し街を見て回るか」
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