百三十話 アスモデウス戦への準備
初めての投稿です。
誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします!
更新遅れてすいません。プライベートが忙しく、これからは毎月10日、20日、30日に更新して行きます。
アイファさん達の馬車についてヴィール商会の裏に回ると、商会よりは少し小さい屋敷があった。その屋敷の前で馬車が止まる。中からアイファさんが降りて来て、
「ここが私の家です」
そう言った。
「ここがアイファさんの屋敷ですか」
「はい!まずは盗賊の件を片付けちゃいましょう」
「そうですね。どうすれば良いですか?」
「今、お父様を呼びにいってますのでもう暫くお待ち下さい」
「わかりました」
5分ほど待っていると、屋敷から大急ぎで出てくる人影が見えて来た。
「来ましたね」
「って事はあれがアイファさんのお父さんですか?」
「はい。ですが、」
「どうかしましたか?」
「あれは、お爺さまもいますね」
「え?」
アイファさんに言われ確認してみると確かに人影は複数あった。人影が近づき、顔が見える距離になると声も聞こえて来た。
「アイファ〜!!」
「アイファ〜!!!」
1人は黒髪をオールバックにしたカッコいい男性、もう1人は白髪をオールバックにしたカッコいい男性、おそらくアイファさんのお父さんとお爺さんだろう。目元なんかがそっくりだ、等と思っているといきなりお爺さんがアイファさんに飛びついた。
「きゃっ!」
「アイファ!怪我はないか!?変なことされなかったか!?」
「ちょっと、お爺さま!危ないです!それに何故ここにいるんですか!」
「お、おお、すまん。アイファが盗賊に襲われたと聞いていても経ってもいられなくてな」
「もう!そんな事で仕事を放り出さないで下さい!」
「そんな事だと!儂の可愛い可愛い大事な孫娘が襲われたと聞いたら何を置いても駆けつけるに決まってるじゃないか!」
「お爺さまは過保護すぎます!」
「そんな事は無い!」
「い〜え!あります!」
「無い!」
「あります!」
2人が口喧嘩をし始めてしまった。どうしようか、とオロオロしていると救いの手が差し伸べられた。
「2人とも、いい加減にしてください。話が進みません!」
黒髪をオールバックにしたカッコいい男性、つまりアイファさんのお父さんが2人を一喝した。
「す、すまん。つい、」
「申し訳ありません、お父様」
「わかったのならよろしい。それで本題に戻りましょう」
「そうですね。盗賊を捕まえたのですが、数が多くて、」
「何人ほどですか?」
「100人程度です」
「100人!そんなにですか!?はっ!この辺りの盗賊で100人近い構成員を持つ盗賊となると、。まさか!“黒影盗賊団”か!?」
「すいません。“黒影盗賊団”って何ですか?」
「あ、ああ。君がアイファを助けてくれた冒険者だね?」
「はい。クラン“家族”のクランリーダーでAランク冒険者のセイヤと言います」
「セイヤ君か。今回は私の娘を助けてくれて本当にありがとう。それで“黒影盗賊団”についてだけど、奴等はこのハンゴー周辺で活動している盗賊団だ。構成員は100名近く。盗賊にしては珍しく魔法使いがいるから中々捕まえる事が出来なかった手練れの盗賊団さ」
「結構有名だったんですね」
「ああ。奴等は〈闇魔法〉を使って来る事が多く、リーダーが〈影魔法〉と言う厄介で強力な魔法を使う事から“黒影盗賊団”と呼ばれている」
「そうなんですか。魔法を使う前に倒しちゃったので、」
「いや、おそらく“黒影盗賊団”で間違い無いと思います」
“漆黒の牙”のリーダー、クロムさんがそう言った。
「俺達はセイヤ君が助けに来る前に奴等と戦った。その時〈闇魔法〉を使って来た。それに正体不明の魔法攻撃をくらったがあれが恐らく〈影魔法〉だったのだろう」
「ならば“黒影盗賊団”に間違いあるまい。セイヤ君!お手柄だよ!」
「そうなんですか?」
「ああ!長い事捕まえることのできなかった盗賊団を捕まえられるなんて、。あ、そうだ!“黒影盗賊団”の幹部何人かと盗賊団自体には賞金がかけられてた筈だから後で持ってくね!」
「賞金ですか。それなら“漆黒の牙”さん達と半々でお願いします」
「セイヤ君!?」
「当然です。“漆黒の牙”さん達は僕が到着する前から黒影盗賊団と戦ってましたし、盗賊だって何人も倒していましたからね」
「セイヤ君、、。わかった、ありがたく頂戴するよ。ただし我々は我々が倒した中にいた幹部の賞金と盗賊団の賞金の半分でいい。それなら公平だからな」
「わかりました。それでお願いします」
「話はついたようだね。では、“漆黒の牙”には君達が倒した盗賊の中にいた賞金首の賞金と盗賊団の賞金の半分を、セイヤ君達には残りの賞金首の賞金と盗賊団の賞金の残り半分だね。後で渡すよ」
「お願いします」
「では、セイヤさんはこのまま屋敷へお越し下さい。構いませんよね、お爺さま?」
「もちろんだ!儂の孫娘を助けてくれた恩人に礼をしなければいかんからな!」
「と言う訳ですので、お越し下さいませ」
「お言葉に甘えさせていただきます」
聞きたいことも色々あるしな。ライフが馬車を厩舎に置きに行き、僕達はアイファさんとアイファさんのお爺さん、エルファム・ヴィールさんの2人について行ってる。お父さんのロイサス・ヴィールさんは“漆黒の牙”の皆さんと“黒影盗賊団”の後処理をしてくれている。
「ここだ」
エルファムさんが部屋の前で止まり、ドアを開けた。
〔(うわぁ!すごい綺麗〜!)〕
〔(ほんとだね〜!)〕
グラトニー達が〈従魔念話〉を通して話している。今は〈従魔念話〉でいつでも仲間内なら話せるようにしてある。
「ここは応接間の中でも特別な人しか入れないところですよ」
アイファさんが教えてくれた。
「そんな凄いところに良いんですか?」
「勿論だ!可愛いアイファの命の恩人なんだからな!」
「それでここに来た理由はなんですか?」
「これからの事を話したいのと、セイヤ君の事を聞きたい。ここなら特別な客用に防音設備も整ってるから誰かに盗み聞きされる心配は無いからな」
「では、まず聞きたい事と言うのは何ですか?多少なら話せますが、込み入った事となると僕と契約を交わしてもらう事になりますが、」
「契約か。勿論させて貰おう。アイファも構わんな?」
「もちろんです」
「では、こちらにサインをお願いします」
エルファムさんとアイファさんの2人が契約書にサインする。
「ロイサスも頼む。そろそろ来るはずだからな」
「わかりました。少し待ちましょうか」
5分ほどして、ロイサスさんも部屋に入って来た。
「お待たせして申し訳ない」
「いえいえ。盗賊の後処理お任せしてすいません」
「それが仕事ですので気にせずに。それで、こちらにサインすれば宜しいのですか?」
ロイサスさんがテーブルの上にある契約書を一目見ただけなのにそう言って来た。流石商人の息子だ。
「お願いします」
3人にサインして貰い、今までの事を話す。ダンジョンマスターの事、スライム達と神獣たちの事、冒険者ランクがSSの事、貴族になった事、などを話すと、、
「いやはや、これは驚いたな」
「僕もです。ここ10年で一番驚きましたよ」
「私もです。生まれて来てから一番驚きました!」
なんか僕の話を聞いた人は皆驚くな。
『当然の反応かと、。マスターの話は前世で小説にして売り出せばミリオンセラーは間違い無いくらいに濃い話ですので、』
そんなにか?
『はい』
そうなのか。さて、そろそろ驚きから戻ってくる頃かな?
「それで話の続きをしたいのですが、」
「そうだったな。それはそうと、子爵様なら言葉遣いを改めます。今まで失礼しました」
エルファムさんがそう言って来た。
「いえいえ。気にしないで下さい。今まで通りでお願いします」
「そうか?ならそうしよう。流石に公の場では畏まるが、」
「ありがとうございます」
「それでこれからの事だが、」
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