百二十九話 商業都市ハンゴーに向かおう3
初めての投稿です。
誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします。
更新遅れてすいません。プライベートが忙しく、これからは毎月10日、20日、30日に更新して行きます。
盗賊を倒した後少し長話になってしまったので急いでハンゴーに向かう。先頭をアイファさんの馬車が走り後ろに僕達の馬車がついていっている。正直に言えばかなり遅い。まあ、アイファさん達の馬は速い方なんだろうが、僕達のシロとクロに比べれば話にならないレベルだ。
〔マスター、後どれくらいかかるの〜?〕
「そうだな〜。多分3、40分くらいで着くと思うぞ」
〔そっか〜。この人達中々目を覚まさないね〜〕
馬車の中では100人近い盗賊達を〈虚無魔法〉の〈魔力形成〉で作ったロープで縛っている状態だ。倒してから多少の時間が経ったとは言えそう簡単に目を覚ます事はないだろう。ゲイルとクマラが倒した奴は特に。
「目を覚ましたら覚ましたでうるさそうだから良いんじゃないかな?」
〔そうだね〜〕
従魔達とトランプしながらそんな話をしていたら、ライフから〈念話〉が来た。
〔(ハンゴーが見えて来ました。そろそろ着きます)〕
「(わかった。引き続き頼むぞ)」
〔(お任せ下さい)〕
「皆〜、そろそろ着くみたいだから準備してくれ〜」
〔〔は〜い〕〕
返事と共にスライム達は人の姿からスライムの姿に戻り、ゲイルとクマラは神獣の姿に戻り〈サイズ調整〉で小さくなって貰う。ゲイルは僕の肩に止まって、クマラは僕が乗れるくらいの大きさになって貰った。
「今回、僕は冒険者のテイマーとする事にしたから、皆頼むな」
「〔(任せてくれ、ご主人)〕」
「〔(大丈夫だと思います)〕」
〔〔〔がんばる〜!〕〕〕
来る前にライアさんにハンゴーに着いて聞いたら、商売の事や、珍しい事、商売になりそうな事には凄い敏感らしい。だからあまり目だ立たない様に従魔達は人型にならずにテイムされた魔物として過ごして貰う事にした。だから会話も念話だ。スライム達はそのままスライムとして、ゲイルはフレイムバードと言う魔物のフリを、クマラはシルバーフォックスと言う魔物のフリをして貰う。
フレイムバードはファイアバードと言う魔物が進化したものでその身に炎を纏い突進したりする攻撃を得意とする他、〈火魔法〉と〈風魔法〉も得意な魔物だ。ランクはAだから強い部類に入るが、僕もAランク冒険者として活動するから問題はない。
クマラは〈サイズ調整〉に加えて、神狐九尾だけが使える〈変化術〉でシルバーフォックスに変化して貰っている。〈変化術〉は相手の血を取り込む事でその相手の記憶、容姿、ステータス等そっくりそのまま化ける事ができる魔術だ。ただし制限もあって、変化出来るのは尾の数だけ、もし変化した相手に尾を触られると二度とその相手に変化する事は出来ない、変化中は元の体のスキルや魔法は使えない、等がある。だけどシルバーフォックスはAランクの魔物だし、普通は負ける事は無い。クマラになんでシルバーフォックスをストックしていたのか聞いてみると、
「〔九尾の姿だと人間に見つかると面倒くさい事になるからです〕」
と、言われた。納得だ。そうそう、なんでシルバーフォックスのスキルしか使えないのに〈サイズ調整〉が出来るのか?と言うと、簡単な事だった。シルバーフォックスに変化した後に〈サイズ調整〉を付与したのだ。これは盲点だった。馬車の中で悩んでいるとスライムが、
〔僕達の時みたいに付与しないの〜?〕
って軽く言ったのを聞いて、それもそうか!と思いやってみたら出来た。なのでステータスはシルバーフォックスだが、スキルや魔法は九尾のままと言う事が出来たのだ。これでバレる事は無いだろう。ゲイルは小さくなっただけだが、見た目が奇跡的にフレイムバードに瓜二つだから大丈夫だと思う。ステータスも〈偽造Lv.MAX〉で偽造してるから、バレる事は無いだろう。
〔(マスター、門に着きました)〕
「(そのままアイファさんに着いていってくれ。アイファさんが手配してくれる筈だ)」
〔(わかりました)〕
指示通りにアイファさんに着いて行くと、門から衛兵が出てきた。
「そちらの馬車はヴィール商会の馬車とお見受けするが、後ろの馬車は何ですか?」
やっぱり狼が引いてると警戒されるんだよな。
「こちらは私達の恩人です。屋敷に招きたいのでお通し願えますか?」
「恩人ですか?」
「はい。盗賊に襲われてる所を助けて頂きました」
「盗賊に!大丈夫だったのですか!?」
「はい。護衛の“漆黒の牙”が奮闘してくれましたが、盗賊の数が多く危なかったのですが、あの馬車のセイヤさんが助けてくれたので無事でした」
「そんな事が、。ご無事で何よりです」
「ありがとうございます。それで許可願えますか?」
「わかりました。大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。では、失礼しますね」
“漆黒の牙”のキコさんが来て、
「許可が貰えたっすよ。行くっす」
と、教えてくれた。
〔(マスター、許可が貰えたようなので出発します)〕
「(わかった。もう少し頼むな)」
〔(はい)〕
そうしてハンゴーの街の中を進んで行く。ハンゴーの街は商業都市と呼ばれるだけあってそこら中で商売の声が聞こえて来る。
「凄い活気だな」
「〔そうですね。ここは昔と変わりありませんね〕」
「クマラは来た事があるのか?」
「〔はい。前のご主人様の時に何度か。その時すでにハンゴーは商業都市でした〕」
「そうなのか。その時はアスモデウスについて聞いた覚えはあるか?」
「〔覚えて無いですね、。すいません〕」
「いや、気にする事は無いさ。もう何百年も前の話だからな」
〔マスター、どこに行くの〜?〕
「まずはアイファさんが屋敷でお礼をしたいってさ。それが終わったら商業ギルドで家を買おう。アスモデウス関係の捜索は明日からだな」
〔わかった〜!〕
「〔それにしても何故門で盗賊を引き渡さなかったんだ?〕」
「どうやら盗賊の人数が多すぎるみたいだな。アイファさんのお父さんはこのハンゴーの衛兵隊の隊長、つまり衛兵で一番偉い人みたいだからお父さんに相談するみたいだ」
「〔なるほど。全く、その場に置いてきても、連れてきても迷惑がかかる連中だ〕」
「迷惑じゃ無い盗賊の方が少ないよ」
「〔それもそうだな〕」
ゲイルやクマラと話しながらスライム達とオセロで遊んでいるとライフから念話が入った。
〔(マスター、見えて来ました)〕
「お、そろそろ着くみたいだ。僕はライフの隣に行くよ」
〔僕も行く〜!〕
「よし、一緒に行くか。サンダー」
〔わ〜い!〕
スライム状態のサンダーを抱えてライフの隣に転移する。
「ライフ、お疲れ様。王都からずっと大変だっただでしょ?」
〔そんな事はありません。ご主人様の望みに応えるのが従者の務めですから〕
「ありがとう。もう少ししたら休めるからな。ゆっくりしてくれ」
〔ありがとうございます〕
それにしてもアイファさんの屋敷は大きいな。僕らの屋敷より少し小さいくらいだ。
〔おっきいね〜!〕
「そうだな」
屋敷の近くになって入って行くのかと思ったらどうやら裏に回るようだ。どうしたんだろう?
〔表の屋敷はヴィール商会の本店だそうです。アイファ様が暮らしている屋敷はもう少し小さく、商会の裏にあるそうです〕
「そうなのか」
アイファさん達の馬車についてヴィール商会の裏に回ると、商会よりは少し小さい屋敷があった。その屋敷の前で馬車が止まる。中からアイファさんが降りて来て、
「ここが私の家です」
そう言った。
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