百二十四話 再びの謁見2
初めての投稿です。
誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします!
朝食を食べた後、前回謁見の前にいた部屋に移動した。今回はレギオス陛下、クライス宰相、ローレン公爵の3人が揃っている。
「改めて王都を救ってくれた事、感謝する。ありがとう、アルトリオン男爵」
レギオス陛下が頭を下げながらお礼を言った。
「あ、頭を上げて下さい!当たり前の事をしただけです!」
「いやいや、本当に助かったんだよ。魔物の大群はギリギリ何とかなったかもしれないけど、SSランクで属性竜種の長の一体、“大海竜メイルシュトロム”の相手は厳しいからね」
「そうだな。魔物の大群は時間を掛ければ倒せるが、王都の被害は洒落にならないし何より国力が低下するのは間違いないからな」
「そうなんですか?」
「ああ。国軍と冒険者ギルドが手を合わせれば魔物の大群はどうにかな。自慢じゃないが、近衛騎士団序列10位以上の者達は冒険者ランクで言えばSランク冒険者に匹敵する強者揃いだからな。特に序列3位からはSSランクに匹敵するとも言われている」
序列3位以上ってステラさんもか。やっぱり強いんだな。
「それならメイルシュトロムも倒せたんじゃないですか?」
「いや、無理だろう。竜種は魔物のカテゴリーだが他の魔物とは一線を画す程の強さだ。確かにランクで言えばSSランクだが、竜種の場合のランクはそのランクの者が複数で戦う、くらいがちょうどいいのだ。だから“大海竜メイルシュトロム”はSSランクレベルの者が複数で相手してやっと勝てるかどうかだからな」
「そうなんですね。知りませんでした」
「その竜種を一人で退けたセイヤ殿まさに別格ですな」
「そこまでではありませんよ。仲間もいましたし、」
「ま、そう言う事にしておこう。ちなみにだがダンディスもかなり強いぞ」
「やっぱりそうですか。立ち振る舞いは執事の物でしたが、オーラが滲み出ていますからね」
「やはり、分かる者には分かるのだな。ダンディスは元Sランク冒険者にして元王国近衛騎士団第1部隊隊長、そして序列1位だったからな」
マジかよ。流石にそこまでとは思ってなかった。と言う事はダンディスさんはこの国でも最強クラスなのか。
『ダンディスのレベルは345です』
高いな。でもそこまでのレベルじゃないとそこまで強くはなれないんだな。
「ダンディスはな、儂がSランク冒険者に任命した初めての奴だったんだ。そしてそれから何回か護衛なんかの仕事をしてもらって儂から王国近衛騎士団にスカウトしたんだ。それをダンディスが受けてくれた時は嬉しかったな。そして歳を理由に近衛騎士団を辞めた後は、儂の願いで執事として働いて貰っている」
そっか。ダンディスさんと陛下は同い年だもんな。何かと馬が合った事もあるんだろうなぁ。
「ダンディスは近衛騎士団を引退はしたがまだまだ強いぞ。少なくとも序列の上位には食い込めるな」
「もったいなきお言葉ありがとうございます」
ダンディスさんは今でも陛下の一番近くで守ってるんだろうな。今度冒険者ギルドでダンディスさんの事聞いてみよう。
「おっと、話がずれたな。それで今回の褒賞だがクライス、何がいいと思う?」
「そうですね、。前回と同じで良いと思います」
「と言うと?」
「まずは子爵への陞爵、そしてSSランクへのランクアップ、後は領地の拡大あたりでしょうか?」
え!?いきなり陞爵されるの!?まだ男爵になったばかりなのに。
「ふむ。確かに今回の功績を考えると妥当か。よし!そうしよう。今回のアルトリオン男爵への褒賞は、子爵への陞爵、SSランクへのランクアップ、そして領地の拡大だ」
「地図です」
「流石クライス、気がきくな。確か今のアルトリオン男爵の領地はセイヤのダンジョンを中心に半径10キロだったな。ならば今回はそれを拡大して、半径20キロにしよう」
「わかりました」
「え?それだとサンの森も入りますよ?」
「サンの森は第一級危険地帯に指定されているが、誰の土地か?と言われれば王族となるのだ。なので問題はない」
「そうなんですか。なら問題は無いのですね」
「ああ。なんならサンの森を開拓して人が通れるようにしてもいいぞ」
そうか!領地になるんだから開拓しても良いのか。どうするかな。
「それは考えて起きますね」
となると、地図で表すとこんな感じか。
結構広いな〜。領主、頑張ろ。
「さて、そろそろ謁見の準備が終わるころだな」
「そうですね。そろそろ移動しましょう」
「セイヤ君、また後で会おう」
「はい」
レギオス陛下、クライス宰相、ローレン公爵の3人が部屋から出て行く。
「それでは私達も向かいましょう」
「はい」
ダンディスさんについて歩いて行く。この前と同じ場所だな。到着してすぐに名前が呼ばれ、中に入った。この前と同じく膝をついて頭を下げる。
「面をあげよ」
「はっ!」
顔を上げるとクライス宰相が話し出した。
「この度、王都を魔物の大群が襲った!冒険者が撃退に向かったが、返り討ちに遭ってしまった!そこにセイヤ・フォン・アルトリオン・スライミル男爵が到着し、仲間と共に魔物の大群を撃退した!この功績を讃え褒賞を与える!陛下、お願いします」
「うむ。セイヤ・フォン・アルトリオン・スライミル男爵よ。此度の働き誠に大義であった!アルトリオン男爵は、子爵に陞爵とし、冒険者ランクをSSランクへのランクアップ、そして領地の拡大の褒美を与える!」
また、周りの貴族がザワザワしているが無視する。二度目だからな、こうなる事は予想していた。
「ありがとうございます!謹んで受け取らせていただきます!」
「うむ!これからも其方の働きに期待する!」
「これにて謁見を終了する!」
貴族の人達が謁見の間から退出した後に陛下達と少し話をする。
「そういえば領地の開墾は順調か?」
「はい。今はまず街の建築と、作物をどうやって育てるか、後は周辺の魔物を討伐ですね」
「セイヤ殿、作物の方はどうだ?」
「今は育たない原因を探っている所です。原因が分かれば対処法も考えて行けるので」
「そうか。頑張ってくれ」
「ああ、それと今回の事件での働きを考慮してセイヤの仲間達も冒険者ランクをAに上げるように冒険者ギルドに言っておくからな」
「良いんですか?」
「実力を考えれば妥当だな」
「でも戦いに参加してない人達はどうなるんですか?避難誘導とかさせてたんですけど」
「そいつらも纏めてAランクだ。さっきも言った通り実力は十分過ぎるほどあるからな」
「ありがとうございます。では、そろそろ失礼しますね」
「ああ。また何かあったら会おう」
「陛下達に会う事なんてそうそう起きないと思いますが、」
「だが、2日連続で謁見を開くなんて中々無い事だぞ」
「確かにそうですね」
そう思うと可笑しいな。陛下達もそう思ったみたいで笑っている。ひとしきり笑った後に退出して、自分の屋敷へ帰る。
「これで皆Aランク冒険者か。今度ギルドに行く時は皆で行こう。でもな〜、補助グループは戦闘メインじゃ無いからな〜。どうするか」
『冒険者ギルドでも良いと思いますが、どうしてもと言うなら他の五大ギルドに所属してはどうでしょうか?』
他の五大ギルドってなんだ?
『はい。まず、五大ギルドですがこれは冒険者ギルド、商業ギルド、薬師ギルド、職人ギルド、料理ギルドの五つの事です。冒険者ギルドと商業ギルドは省きますが、薬師ギルドは〈回復薬〉の開発や〈回復魔法〉の研究など医学方面に特化したギルドです。
職人ギルドは鍛治士や細工師等の物を作る職人達が集まったギルドです。
料理ギルドは美味しい料理を研究したりしています。後は店を出すときには商業ギルドに登録が必要ですが、同時に料理ギルドにも登録すると店員を貸してくれたり、遠方の食材を他より安く仕入れたりする事が出来ます』
なるほど。それも良いかもな。
『ですが、薬師ギルド、職人ギルド、料理ギルドはあまり良い環境とは言えないのが事実です。全てのギルドがと言うわけではありませんが、多くのギルドが権力社会や頭の凝り固まった老人達の巣窟と化している場合があります』
そうなのか。どうするかは皆と相談して決めよう。
気に入っていただけたなら評価の方をお願いします。




