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百二十三話  再びの謁見

初めての投稿です。

誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします!



〔(マスター、お客様です)〕


セバスが〈従魔念話〉で教えてくれた。皆を起こさない様に気をつけてセバスの所へ行く。


「誰が来たんだ?」


〔王宮からの使いの様です〕


「わかった。何処にいる?」


〔応接間にお通ししております〕


「行くか」


〔はい〕


セバスと2人で応接間に向かう。


〔お待たせしました。セイヤ様をお連れしました〕


「こんな遅くに申し訳ない。セイヤ殿」


「マルベールさん。どうしたんですか?何か問題でも?」


「いや、報告だ。今回の王都襲撃事件の事で話があるそうだ。明日の朝王宮に向かって貰えるか?」


「わかりました」


「それともう一つレギオス陛下からの伝言何だが、「普通に扱ってくれ、との事なので普通の貴族として扱う。問題ないな?」出そうだ。私には意味が分からないが、セイヤ殿に伝えれば分かると言っていた」


「わかりました。ちゃんと伝わりましたよ」


おそらく称号:神々の使徒の事だろう。本来王様より偉い立場らしいからな。それを僕が「普通にして下さい」って言った事だろう。だから敬語もないし、呼びつけられたりする訳だ。


「では、用は済んだ。こんな夜遅くに申し訳なかったな。明日の朝来いとの事だったから今日伝えないわけには行かなかったのだ」


「大丈夫ですよ。マルベールさんこそ遅くまでお疲れ様です」


「では、失礼する」


「おやすみなさい」


「ああ、おやすみ」


マルベールさんはセバスが案内して部屋を出て行った。


「さて、明日の朝も早いみたいだから寝るか」


そして僕も部屋に戻って寝たのだった。


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


11月20日。朝。


「じゃ、行ってくる」


セイヤが馬車に乗って王宮に向かう。今回は従魔達はお留守番である。


「はぁ。まさかこんな早くにまた王宮に行くことになるとは」


「仕方ありません。あれだけの事をやったのですから」


今回はマルベールさんと一緒だ。今は王宮がくれた馬車に乗っている。


「別にマルベールさんが迎えに来なくても逃げ出しはしませんよ?」


「アルトリオン男爵が逃げ出すとは思ってませんよ。昨晩は詳しい時間を伝えてませんでしたから、」


「それにしても朝ごはんの前に呼ばれるとは」


「申し訳ありません。レギオス陛下がどうしてもとの事でしたので。まあ、本当は違いますが、」


「そうなんですか?」


「はい。実はアルトリオン男爵との食事を強く希望されたのはマイン殿下でして、」


マインと言うと、第3王子のか。確かに前回食事の時にいっぱいお話ししたらセイヤ兄様と呼ばれるくらいに懐かれたからな。


「なるほど。マイン殿下でしたか。それなら断れませんね」


「マイン殿下は人見知りなのですが、アルトリオン男爵にはとても懐いておられます。陛下はその事をとてもよく思っております。なのでこの様な事までしたのでしょう」


「いち貴族に陛下の申し出は断れませんね。別に嫌じゃ無いので全く問題はありませんが」


「そう言って頂けると此方こちらとしても気楽になれます。そろそろ着きますね」


マルベールさんと色々話していると王宮に着いたようだ。


「私は此処ここまでとなります。後はダンディスさんが案内してくれますので」


「ありがとうございます、マルベールさん。ゆっくり休んで下さい」


「そうさせて貰います」


マルベールさんと別れて今度はダンディスさんと歩く。


「おはようございます、ダンディスさん」


「おはようございます、アルトリオン男爵。朝早くにお疲れ様です」


「ダンディスさんこそお疲れ様です。案内お願いしますね」


「はい」


「場所はこの前の食堂ですか?」


「いえ、今回は食堂より少し小さい場所です。今回は陛下と第二妃のヴェロニカ様、第二王女のキャロライン様、第三王子のマイン様の3人だけとなっております」


「そうなんですか」


「では、ついてきて下さい」


ダンディスさんの後ろを歩いてついていく。


「そういえば今回も大活躍だったそうですね」


「たまたまですよ」


「そうですか?いずれにせよアルトリオン男爵達のおかげで助かったのです。ありがとうございました」


ダンディスさんが頭を下げてお礼を言った。


「頭を上げて下さい。僕は何か想いがあって助けたわけではありません。ただそこに助けを求める何かがあり、その想いに応えれたから出来ただけです」


「ふふ。それが出来る人は少ないですよ」


「そうですか?案外自分のすぐそばに落ちているかもしれませんよ」


「そうなったら私もその想いに応えられるようになりたいものです」


「ダンディスさんなら大丈夫ですよ」


「ありがとうございます。そろそろ着きますね」


「あそこの扉ですか?」


「そうです。ではこれで失礼します」


「案内ありがとうございました」


ダンディスさんと別れて、扉を叩く。


コンコン。


「入っていいぞ」


レギオス陛下の声が聞こえた。


「失礼します」


扉を開けると、レギオス陛下、ヴェロニカ第二王妃、キャロライン第二王女、マイン第三王子が座って待っていた。マインは寝そうだけど。


「朝早くにすまないな。そこに座ってくれ」


レギオス陛下が指したのはマイン殿下の隣だった。向かいにはキャロが、そしてキャロの隣にはヴェロニカ王妃が座っている。


「ほら、マイン。起きなさい。アルトリオン男爵よ」


ヴェロニカ妃がマインに声をかけると、


「はっ!セイヤお兄様!」


マインが飛び起きるように目を覚ました。


「おはようございます、マイン殿下」


「お、おはようございます、セイヤお兄様」


マインが少し照れながらそう言った。


「ゴホン。改めて、今日はマインの我が儘わがままを聞いてくれて感謝する。朝食を食べながらまたマインに話をしてやってくれ。朝食が終われば謁見だ」


「わかりました」


「では、頼む」


レギオス陛下がいつの間にか後ろに控えていたダンディスさんに合図を送ると料理がドンドン運ばれて来た。


「さあ、食べようか。恵みに感謝を」


「「「恵みに感謝を」」」


この「恵みに感謝を」と言うのは僕の使う「いただきます」と同じ様な意味だ。この世界の人はほとんど食前にこの言葉を言う。それが当たり前であり礼儀でもあるからだ。僕は「いただきます」だけど。


「それで今回も大活躍だったんそうだな」


「セイヤお兄様!今回はどんな敵と戦ったんですか!」


マイン殿下が目をキラキラさせながら聞いてくる。


「敵ってわけじゃ無いけれども、今回は六万の魔物の大群に、属性竜種の長の一体“大海竜メイルシュトロム”と剣を交えたよ」


「属性竜種の長ですか!?それって最強の竜の一体ですよね?怪我は無かったんですか?」


最強の竜の一体?竜王種の竜の方が強いよな?


『この世界では竜王種と言う言葉は知られていますが存在してるとは思われておりません。理由としては姿が見れない事が大きいでしょう。それに対して属性竜種の長はごく稀にですが姿を見れる事がありますし、被害があった事も歴史に残っているからです』


なるほど。ならここで一つ驚かせて上げよう。


「怪我は少ししたけどすぐに治したから大丈夫です」


「そうですか。よかったです」


マイン殿下、ええ子やなぁ。


「それと一ついい事を教えて上げましょう」


「何ですか?」


「さっきのマイン殿下の言葉は少し間違っています」


「え?僕、何か間違えましたか?」


「“大海竜メイルシュトロム”は最強の竜の一体と言いましたが、それは間違いです。正確には最強に近い竜の一体が正しいですね。最強は竜王種ですから」


「セイヤお兄様、竜王種は存在しないんですよ?」


「そんな事はありません。現にマイン殿下は竜王種を見てますよ」


「僕が竜王種をですか?僕は竜種自体見た事が殆どありませんよ?見た事がある竜種もワイバーンとかですし、」


「前回王宮に来た時に少し話したの覚えてますか?」


「はい!ご飯を食べた後ですよね?覚えてますよ。従魔の皆さんと触れ合えて楽しかったです!」


そう、実は前回王宮に来て、謁見後ご飯を食べた後に、従魔の何体かを呼び出してマイン殿下と遊んだのだ。


「その時に紹介したジークって竜人族の事を覚えてますか?」


「はい!確か神獣なんですよね?そんな重要な事は忘れませんよ!まさか、」


「はい。そのジークは神獣であると同時に竜王種のトップでも有るんですよ」


「そ、そうなんですか!?」


「そうなのか!?」


何かレギオス陛下も驚いてるけど、


「あれ?言ってませんでしたっけ?」


「聞いとらんわ!」


「そうでしたか。それは失礼しました」


「全く、セイヤと話すと驚いてばかりだ」


「凄いです!竜王種まで、従魔にしているなんて、流石セイヤお兄様です!」


なんて事を話しながら楽しい朝食を食べたのだった。



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