百二十一話 スタンピードの後始末
初めての投稿です。
誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします!
スタンピードの事をマルベールさん達に説明するために僕の家に向かっている。
「着きました。ここが僕の家です」
「お、大きいですね」
「そうですか?」
「はい。かなり大きいですね。この屋敷は伯爵、いや侯爵クラスくらいになると思います。屋敷が3つあるのは何故なのですか?」
「正面の屋敷は僕達の暮らす屋敷です。向かって右側が研究用の屋敷で、向かって左側がクラン“家族”の拠点とスライム商会の店舗を兼ねています」
「な、なんと!あのスライム商会はアルトリオン男爵が経営しているのですか!」
「一応トップってだけですよ。実際は何もしていません。ほとんど仲間がやってくれていますからね」
「なるほど。はっ!余計な事を聞きました」
「いえいえ。全然構いませんよ。では、行きましょう」
そう言って正面の屋敷に案内する。案内したのは応接間だ。何気に初めて使うな。
「どうぞお掛け下さい」
「失礼します!」
「ライフ、マルベールさん達に飲み物を頼む」
〔かしこまりました〕
ライフが下がって行く。
「あ、お構いなく」
「遠慮せず飲んで行って下さい。美味しいですよ」
「ありがとうございます!」
すぐにライフが戻って来て、マルベールさん達に飲み物を配る。これはアポウのジュースだな。アポウとはりんごの事だ。アポウのジュースに氷を入れて冷やした物と、クッキー等のちょっとした茶請けを出した。
マルベールさん達がアポウのジュースを飲むと、
「う、美味い!」
「何だこれ!初めて飲んだぞ!」
「美味すぎる!」
等の声が聞こえて来た。マルベールさんも叫びはしなかったが気に入った様だ。ゴクゴク飲んでいた。僕も一口飲む。ふぅ、やっぱりジュースは冷やして飲むのが一番だな。ちなみに材料のアポウはプラントが〈果樹栽培〉で育てた物だ。そんじょそこらの物とはレベルが違う。
「さて、一息ついた所で説明を始めても良いですか?」
「はっ!失礼しました。お願いします」
「では、、、、」
マルベールさん達に魔物の大群の討伐、メイルシュトロムの撃退(撃退したと言う事にした)、怪我人の救助、回復、王都の防衛、等を話した。
「こんな感じですね」
「なるほど。ありがとうございます!それにしてもSランク冒険者ともなると凄まじいですね。これだけの事をやってのけるとは、恥ずかしい話ですが、我ら王国近衛騎士団第4部隊でも無理ですね」
「そう言っていただけると嬉しいです。ですが、僕1人では出来なかった事です。全ては仲間が居てくれたから出来た事ですよ」
「そうですね!仲間は大事です。どんな時でも助けてくれる者は生涯の宝物です!」
良いこと言うね〜。
「それと、もうそろそろ着くはずですね」
「どなたかと会う約束でも?」
「いや、僕の仲間です。ちょっと調査をさせていて、」
「調査ですか?」
なんて言っていると、ドアが勢いよく開きタイム、グラビティ、ディビィの3人が人を2人担いで入ってきた。
〔戻ったよ〜!〕
「お疲れ様。どうだった?」
〔犯人を捕まえる事が出来ました〕
「よし。今、この人に今回のスタンピードの事を話しているんだ。タイム達も加わって説明してくれ。あ、この人は王国近衛騎士団第4部隊隊長にして序列4位のマルベールさんだ。ちゃんと挨拶する様に」
〔はじめまして。タイムと言います。マスターの仲間です〕
グラビティとディビィも挨拶をして、話に加わった。
「それで調査はどうなった?」
〔バッチリだよ〜!〕
〔詳しくは省かさせていただきますが、犯人の場所を特定し、そこに乗り込んで、犯人を捕縛しました〕
〔それと犯人が持っていた魔道具も回収した。転移の魔道具みたいだから、これを使って魔物の大群を転移させたんだと思う〕
「犯人は悪魔教団だったか?」
〔うん。そうだった。王都の壊滅、引いては王族の殺害が目的だったみたい〕
「なるほど。ちゃんと証拠取ったか?」
〔もちろんだよ〜!ちゃんと“記録の水晶”で2人の会話を記録してあるからね〜〕
「と、言うわけです」
「悪魔教団か。最近悪魔教団による被害が増えていると聞く。何かよからぬ事を企んでいるのだろうか?」
「そこまではわかりませんね。犯人の身柄と証拠は第4部隊に渡しますので」
「ありがたい、とても助かるよ」
「あと、聞きたい事や話したい事はありますか?」
「そうだな。聞きたい事は特に無いが、おそらく今回の事はレギオス殿下に伝わるだろう。王宮に行く覚悟はしておく事だ」
「わかりました。助言ありがとうございます」
「では、我々これで失礼する」
「お仕事頑張って下さい」
「ありがとう。また、何かあったら尋ねさせて貰うよ」
「いないかも知れませんが、いつでもどうぞ」
マルベールさん達を敷地内の門まで見送り、屋敷に戻って行く。
「さて、今回の戦果確認でもしますか」
今回のスタンピードで得た素材なんかを確認しようとしたら、
〔マスター、メイルシュトロムが目を覚ましました〕
と、セバスから〈従魔念話〉で報告があった。
「先にメイルシュトロムの所に行くか。ついて来たい奴いるか?」
〔は〜い〕
〔行きたい〕
「わかった。じゃあウォーターとゾクの2人だな。一緒に行こう」
〔ありがと〜!〕
〔感謝〕
「じゃ行くぞ。〈空間転移〉!」
シュンッ!
「着いたぞ〜」
〔こちらです〕
セバスが案内してくれる。
「あれ?屋敷の中にいるのか?」
〔はい。目が覚めたのでお連れしました。今は飲み物と軽い軽食を出しております〕
「よく入れたな。あの巨体で」
〔ええ。見ればわかると思います。ここです〕
そう言って案内してくれたのは応接間だった。最近よく使うな、応接間。
コンコン。
〔失礼します。セイヤ様をお連れしました〕
セバスがノックして入っていく。その後に続いて僕とウォーター、ゾクも入っていく。
「ああ、なるほど。そういえば〈人化〉スキルを持ってたんだったな。納得だ」
メイルシュトロムは人の姿で応接間のソファに座っていた。
「改めて、初めまして。僕はセイヤ・フォン・アルトリオン・スライミルだ。一応男爵でスライミル領の領主だ。後はSランク冒険者でクラン“家族”のクランリーダーとスライム商会のトップをやっている」
〔クランメンバーで仲間のウォーターだよ〜。よろしくね〜〕
〔同じくクランメンバーのゾク。よろしく〕
「これはご丁寧にありがとうございます。私はメイルシュトロムと言います。メイルとお呼び下さい」
「わかった。それで確認だがメイルは今回の事どこまで覚えているんだ?」
「大体全部覚えています。今回は皆さんに多大なるご迷惑をおかけした事、深くお詫びします」
そう言ってメイルシュトロムが頭を下げた。
「まあ、終わった事だし操られていたんだから仕方ない」
「ありがとうございます」
「それにしてもSSランクで、属性竜種の長の一体であるメイルに“隷属の首輪”を着けるなんて、ちょっと考えられないな。誰に着けられたか覚えてるか?」
「はい。確か奴は“水天のディーネ”と言っていました。不覚でした。まさか私の〈竜の息吹〉を受けても無傷とは。倒したと思ったら、無傷で驚いた隙に“隷属の首輪”を着けられたんです」
「そうか。やっぱり悪魔教団か。それも八魔天将クラス」
ほんっっっっとに碌な事しないな!悪魔教団は!強いんだから真面目に働け!
「それでメイルはこれからどうするんだ?住処に戻るのか?」
「しばらくは何処かに隠れて過ごします。住処に戻ってもまた捕まったら意味が無いので」
「それならここ好きに使って良いよ。あまり使わないから」
「良いのですか?」
「もちろん。セレナダンジョンとゴトクの屋敷、王都の屋敷は転移陣を設置してあるから、好きに使うと良いよ」
「感謝します。代わりと言っては何ですが、手を貸して欲しい時は遠慮なく言ってください。喜んで手を貸します」
「ありがとう、メイル」
「手始めに、ゾクと言いましたか?貴方の武器を強化しましょう」
〔良いの?〕
「良いのか?」
「もちろんです。助けて貰ったお礼と迷惑をかけたお詫びです」
メイルシュトロムから光が放たれ、ゾクの武器に光が纏わりつき、ゾクの武器、水面双刃ヴィダールが光り輝いた。
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