百十七話 スタンピード
初めての投稿です。
誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします!
『大変です!西門付近に突然スタンピードが起こりました!さらにその中には古龍種がいます!今の音は古龍種の攻撃で西側の城壁が崩れた音です!』
「なんだって!」
魔物の大群に古龍種だって!?まて、スタンピードって何だ?それと古龍種ってなんだ?
『スタンピードとは今回のように魔物の大群が街や村を襲う事を言います。
古龍種とは一万年以上生きた竜の事を言います。一万年以上生きたものを古代種またはエンシェント、と呼びます。例えば一万年以上生きたスライムはエンシェントスライムになるのです』
って事は竜王種とかとは違うんだな。
『はい。下位竜種だろうと竜王種だろうと一万年以上生きた魔物は古代種になります。古代種は総じて知恵があり、そして強いです。例えば普通のスライムとエンシェントスライムを比べるとその差は歴然、一瞬で終わります。古代種の魔物はランクで言うと最低でもB+、上はSSSまであります』
強いな。って事はジークとかゲイル、クマラも古代種なのか?
『違います。ジーク達は神獣ですので魔物とは別です。あくまでも一万年以上生きた魔物が古代種なので』
そうなのか。って急いで向かわなきゃ!〈従魔念話〉!
「(皆、聞こえるか!今、王都の西門に魔物の大群と古龍種が現れて攻撃を受けているらしい。急いで助けに行くぞ!)」
〔〔〔は〜い〕〕〕
〔マスター、今、冒険者活動中で魔物のと戦ってるんだけどどうしたら良いの〜?〕
戦いながら話すって器用だな。
「(速攻でケリつけて〈念話〉してくれ。他の皆も用事がある場合はすぐに片付けてくれ。用事がない奴は今から〈従魔召喚〉で呼ぶぞ!)」
〈従魔召喚〉!
パアッ!
「よし。来てないのは数人か。じゃあ役割分担だ。まず戦闘グループは僕と一緒に前線へ戦いに行く。戦闘補助グループは怪我人を助けたり、物資の補給なんかを王都の人や騎士団、各ギルドと力を合わせてやってくれ。スライム商会としては王都の人たちの避難だ。避難所があるならそこに、ないならここでも何処でも良いからとにかく安全な場所に避難誘導だ。安全第一でな。頼んだぞ!」
〔〔〔はい!〕〕〕
よし。お、話してたら〈念話〉が来た。向こうも終わったか。〈従魔召喚〉!
〔〔遅くなってごめんなさい〜〕〕
「大丈夫だ。よし、行くぞ!」
「〔〔〔〔〔はい!〕〕〕〕〕」
僕達は戦闘場所に向かいながら作戦を立てる。
「作戦はどうする?」
「〔ふむ。相手は古龍種なのだろう?ならば早くそいつを倒さねば被害が拡大し続けるぞ〕」
「〔古龍種も大変ですが、魔物の大群もですよ。ナビーさんによると最低でもCランク上はA+ランクまで、それが合計数万もいるようですからね〕」
「ジークとクマラ、両方ともその通りなんだよな。よし、ならばコウ達のパーティーは魔物の大群を相手にしてくれ」
〔〔わかりました〕〕
「ジーク、ゲイル、クマラ、も魔物を頼む」
「〔任せておけ〕」
「頼んだぞ。ヒール、バリア、グラトニーは王都の防衛を頼む。後、怪我人達の救助もな」
〔〔はい!〕〕
「タイム、グラビティ、ディビィの3人は調査を頼む。ナビーは今回のスタンピードは人為的なものだと見ているみたいだからな。調査をして場合によっては犯人を確保してくれ。もちろん証拠を忘れるなよ」
〔〔はい!〕〕
「ファイア、ウォーター、ウィンド、アース、ライト、ダーク、アイス、サンダー、スペース、ヌル、ヒート、スノウ、フェル達は状況をみて魔物の討伐や救助や王都防衛の援護を頼む」
〔〔わかりました!〕〕
「〔任せて、マスター!〕」
「〔セイヤ殿はどうするのだ?〕」
「僕は古龍種を相手する。〈神眼〉の力で〈千里眼〉と〈鑑定〉を同時に使う事で遠くのものを鑑定する事が出来るみたいだ。今、古龍種のステータスを見てみたら軒並み五桁あったぞ。〈限界突破〉を取得してるし、それに〈魔法攻撃無効〉スキルを持ってやがる」
「〔たしかに、厄介そうだな〕」
「そろそろ着くぞ!」
西門が見えて来た。いや正確には西門だった物と言った方が正しいな。僕達が王都に入る時に使った西門はガレキの山となっていた。その周りには倒れている者や、ガレキの下敷きになっている者等とにかく怪我人が多い。門の外では見渡す限りの魔物が今にも王都に突入しそうな勢いでこちらを見ている。その魔物達の上空にはワイバーンが数十匹飛んでいたが、一際大きく、そしてとんでもない威圧感を放っている竜種が1匹いた。あれが古龍種だろう。古龍種には名前があった。その名も“大海竜メイルシュトロム”。そう、なんと古龍種は属性竜種の長の一体だった。しかも“隷属の首輪”が付いていた。
「また操られているドラゴンか。って言うか“隷属の首輪”って事はまさか犯人は悪魔教団か?」
『その可能性がグンと上がりました』
「はあ。全く厄介ごとしかやらないのか。SS+ランクの竜種なんて本来なら手に負える相手じゃないぞ」
『おそらく王都を滅ぼしたいのでしょう。正確には王族ですが』
「はあ、厄介だ。それにしてもどうやって戦うか。飛んでる相手は得意じゃないんだよな」
確か前に水竜と戦った時はグラビティの〈重力落下〉で地面に拘束してたんだよな。でも今回は〈魔法攻撃無効〉だからな。同じ手が効かない。それに〈物理攻撃耐性〉もLv.MAXだしなぁ。物理攻撃は効くみたいだし、物理で攻めるか。
「まずは弱らせて、地面に降りて来たら〈解呪・極〉で“隷属の首輪”を外そう。まずはメイルシュトロムを弱らせようか!〈抜刀術・飛竜一閃・五連〉」
ヒュバババ!
セイヤが放った〈刀術〉と〈飛剣術〉を組み合わせた五つの斬撃がメイルシュトロムに飛んでいく。
ガキキィン!
メイルシュトロムが爪で弾いた。セイヤの攻撃を弾くとすかさず〈竜の息吹〉を放って来た。流石は属性竜種の長の一体。水属性の〈竜の息吹〉がセイヤを襲う。
「躱したら王都や後ろの人達がやばいな。耐えるしかないな。〈大地隆起盾〉!」
セイヤが〈大地魔法Lv.6〉の大地を隆起させ、盾とする魔法を唱えた。瞬間、セイヤの目の前の大地が盛り上がり、山のような盾となった。
ドゴォォン!
メイルシュトロムのブレスとセイヤの魔法がぶつかり合った。結果は盾は崩れる事は無かった。セイヤは今“封印の腕輪”を第三の封印まで解いているのでステータスはほぼ互角だ。後は属性の相性だろう。火は水に弱く、水は土に弱く、土は風に弱く、風は火に弱い。この関係のお陰でセイヤの魔法が勝ったのだ。
「魔法は効かないみたいだけど、〈魔闘術〉は効くのか?試してみるか。〈魔闘術・大地剣〉」
セイヤの刀が土属性の魔力を帯びる。
「行くぞ!〈抜刀術・飛竜一閃・大地の舞〉!」
土属性の魔力を帯びた複数の斬撃がメイルシュトロムに向かって飛んでいく。
ガキキィン!ザシュ!
メイルシュトロムは先程と同じく弾こうとしたが今回は属性の相性もあり、逆に弾こうと振り下ろした爪が斬撃によって弾かれメイルシュトロムの腹に斬撃が命中した。
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