百十五話 謁見6
初めての投稿です。
誤字•脱字や矛盾点も多いと思いますがコメントでお教えください。よろしくお願いします!
陛下達との話し合いが終わり、今はダンディスさんに謁見の作法を習っている。
「これで大丈夫でしょう」
「ありがとうございます、ダンディスさん」
「いえいえ、例には及びませんよ。お仲間の方々はどうされるのですか?」
「仲間達はこの“空間の腕輪”に入っていて貰います」
ダンディスさんが不思議そうな顔をしていたので“空間の腕輪”の効果を話す。
「その様な物が有るのですか。やはり超級ダンジョンともなると出て来る物が凄まじいですな」
ダンディスさんは契約をしていないので設定の親の敵討ちのためにダンジョンに挑んだら超級ダンジョンでクリアした、と言う話をしてある。
「便利な物がいっぱいあって良いですよ。ダンジョンは」
「はは、流石に超級ダンジョンは無理ですよ。上級でさえ厳しいんですから」
そうだよな。確かダンジョンの適正レベルは初級ダンジョンが1〜100、中級ダンジョンが101〜200、上級ダンジョンは201〜300、超級ダンジョンが301〜999だったな。それでこの世界の最高レベルは350だった筈だもんな。それは厳しいわ。
『マスター、その情報は誤解があります』
誤解?
『はい。あの時はまだ完全な情報を手に入れる事が出来ず、マスターに誤解を招く様な情報をお伝えして申し訳ありませんでした。あの時の情報は「この世界の最高レベルは350」ではなく「この国の人間種の最高レベルは350」が正しいです』
つまり、亜人種や魔族を含めると更に上もいると言う事か?
『はい。中には〈偽造〉で隠している物もおりますので、更に上はいます。お教えしますか?』
いや、良いよ。
『わかりました。では参考がてらに第三近衛騎士団団長ステラ・ヴァリオンのレベルは350です』
えっ!ステラさんが人間種では最高レベルなの?この国の?
『はい。ちなみにステラ・ヴァリオンは悪魔教団やドラゴンとの戦いでレベルが360に上がっております』
とんでも無いな。ステラさん。流石“剣聖”だ。
「セイヤ様、そろそろ謁見の時間です」
「わかりました。皆、“空間の腕輪”に入っててくれ」
〔〔〔わかった〜〕〕〕
「では、行きましょうか」
「はい」
ダンディスさんの後をついて歩いて行く。
「もうそろそろ着きますよ。手順は覚えてますか?」
「はい。まず呼ばれたら入って、カーペットの端まで歩いて、そこで膝をついて礼をする、ですよね。後は指示に従ってですよね?」
「そうです。着きますよ。私はここまでですので」
ふう、地味に緊張するな。
「冒険者セイヤ殿、ご入場です!」
呼ばれた!声と同時にとても大きな扉が開いて行く。扉が開ききったら絨毯を歩いて行く。絨毯の左右には大勢の貴族達が並んでおり、目の前にはレギオス陛下が玉座にかけており、その横にクライス宰相がいる。作法通りに絨毯の端まで行き片膝をついて礼をする。すると陛下から声がかかった。
「A冒険者のセイヤよ、面をあげよ」
「はっ!」
言われた通りに顔をあげる。するとクライス宰相が説明を始めた。
「この度、キャロライン・テラ・スタッグ王女殿下並びにソフィア・フォン・プレシャス嬢がゴトクから王都への道のりで、悪魔教団の八魔天将の1人、雷天のフーガと上位竜種4体、属性竜種1体に襲われる事件が起こった!その事件を偶然通りかかったAランク冒険者のセイヤ殿が解決してくれた!よって、今から陛下より褒賞を授ける!陛下、お願いします」
「うむ。Aランク冒険者のセイヤよこの度はキャロラインとソフィア嬢を助けるだけではなく、悪魔教団の八魔天将の1人を捕らえ、更には竜種までも退けた働き、誠に大義であった!よってAランク冒険者のセイヤをSランク冒険者にあげ、男爵に敍し、領地を与える!」
陛下がそう言うと、周りの貴族達がザワザワし出した。
「セイヤの家名は「アルトリオン」そして領の名前は「スライミル」となった!これからはセイヤ・フォン・アルトリオン・スライミル男爵だ!
そして、アルトリオン男爵はキャロラインとプレシャス公爵家のソフィア嬢の婚約者となった!」
陛下の発表が終わると周りから「はあ!?」とか「あんな子供が!?」なんて聞こえてきた。すると1人の男が、
「お、お待ち下さい、陛下!」
「控えよ!陛下の御前だぞ!」
「よい。どうした、コリーノ侯爵?」
「こんな子供が男爵になるなんて無理があります!それに男爵なのに領地を持つのもおかしいです!そしてキャロライン王女殿下とソフィア嬢の2人と同時に婚約するなんて、前代未聞です!」
「男爵にして何がおかしい?悪魔教団の八魔天将の1人を捕縛し、属性竜種含めた五体もの竜種を追い払ったのだぞ。その武勲を讃え叙爵する事の何がおかしい?」
「むぐっ!た、確かに叙爵は良いですが、男爵なのに領地を与えられるのはおかしいです!領地を与えられるのは子爵からのはずです!」
「それはアルトリオン男爵のこれまでの功績を加味してだ。本来なら子爵に叙しても良かったが、そうするとお前みたいな者が騒ぎ立てるから男爵からにしたのだ!」
「な、ならば!キャロライン王女殿下とソフィア嬢の2人と同時に婚約するのはどうなんですか!」
「それもなんらおかしくあるまい。自分の命の危機を助けられたから惚れた、ただそれだけだろう」
「し、しかし!」
「くどいぞ!コリーノ侯爵!この件に変更は無い!下がれ!」
「ぐっ!し、失礼しました」
陛下に頭を下げてコリーノ侯爵が下がる。なんかその時に睨まれたんだけど、僕、悪く無いよね?
「これにて謁見は終了です!」
クライス宰相がそう言うと扉に近い貴族達から出て行った。
「アルトリオン男爵はまだだぞ」
そういえばこの後は陛下達と昼食だった。貴族達が謁見の間から出て行った後に、国王陛下自ら案内してくれた。
「着いたぞ。ここが食事をする場所だ」
普通の家で言うダイニングみたいな所かな?それにしてはデカすぎるけど。なんでも小さなパーティーをしたりする時にもここを使うみたいだ。小さなって50人は入れるぞ。
「セイヤはそこだぞ」
陛下に言われた場所に座る。後陛下は僕の事をセイヤと呼ぶみたいだ。流石に公の場ではアルトリオン男爵と呼ぶみたいだけど。
僕が座ったのは長机みたいな長方形の机だった。僕が食事場に着くより少し遅く他の王族の人達も来た。陛下は長方形の短い所に座り、陛下の右手側には第一王妃のミナさん、第一王子のレオンさん、第一王女のオリバさん、第二王子のネロミルさんが座った。左側には第二王妃のヴェロニカさん、第三王子のマインくん、第二王女のキャロ、そして僕と言う順番だ。
皆が席に着いたら料理が運ばれて来た。どれも美味しそうだ。料理が全て並べられた所で陛下が、
「さあ、食べようか」
と言って、食べ始めた。食事の礼儀として1番偉い人が口をつけると他の皆も食べ始める、と言う物をナビーが教えてくれたのでそれを守る。陛下が食べるのを見届けてから「いただきます」と唱えて食べ始める。
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1時間ほどで食事が終わった。
ふう、やっと終わった。疲れたな〜。いつもは皆でワイワイ食べてるから静かな食事の雰囲気が大変だった。話す事と言えば簡単な日常会話程度の事か、悪口か愚痴のどっちかだった。王族って大変なんだな。後、何故か食事中に第一王妃のミナさんをはじめとする、陛下の右手側に座ってた人達から睨まれていた。そして皮肉も凄かった。もう二度とあの人達とご飯は食べたく無いな。
それに変えて第二王妃のヴェロニカさんはとても優しくて、皮肉を言ってくる人を止めてくれたり、面白い話で場を和ませてくれたりと、とても良い人だった。マイン君も僕の冒険の話を凄い聞きたがってくれて面白おかしく話していたら食事が終わる頃にはセイヤ兄様と呼ばれる程仲が良くなっていた。陛下曰く、
「マインは人一倍努力家で毎日毎日勉強と訓練を欠かさずやっており根はとても優しい、が結構な人見知りで初めて会った人にここまで懐くのは今までになかった事だ」
だそうだ。それは嬉しいね。さて、王宮でやる事も終わったし帰るか!
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