人類の歩み
「塵がぁ~♪死に絶えるぅ~♪あは、イッヒヒヒヒヒ♪」
唄うように嗤い狂う最古の怪物
「はぁ~♪笑った笑った、しかしィ♪また面白いものが来たなぁ?イヒ♪」
最古の怪物は思う、何よりと。
「うちの愛弟子、あの頑固仮面を剥がすには、人の死がよかったのかァ♪───しかしもう此処も飽きたなぁ?」
そう呟き歩く、真っ赤に真っ赤に血に塗られた廊下を歩く、鼻唄を歌いながら右手を遊ばせ、足を軽やかに歩く。
「ウーン」
そう悩ましい様な声を上げると
自分の頭の飾りを取ると眼前に落とし踏み割る。
「王冠もう、いーらん♪ イャヒャヒャ♪ 」
それを頭部だけの虚ろな瞳が見ていた
最古の怪物が指をクイと自分の方角に曲げると
あらゆる場所から無数の本や武具が飛んでくる。
それをマントに包むと最古の怪物は窓を蹴り開ける。
「これ、儂が集めた物じゃからな?文句は受け付けんぞ?イヒ♪」
──さよなら~♪
そう屍の山が募る廊下に告げる
この日を境にある国の裏に栄えてた魔法協会はその勢力を10分の2に減らすことになる。
まぁ、その前に世界が滅亡状態だが。
──魔法協会総本部半壊滅
◆□◆□◆
全世界に現れた謎の生物はほとんどの国を滅亡、
または壊滅状態に追い込んだ。
このまま人類は全滅するのか、そう思われた。
だが、突如として覚醒した思われる勇気ある数人が、なんとか謎の生物を、食い止める事に成功した。
それを期に徐々に現れる強き者達。
ある町を救った英雄、人々を率いて大勢を守り抜いた勇者、心優しい荒くれ者、狂人。
条件は不明だが、確かに人類の希望とも言える力を持ち合わせた者達は現れ出した。
そして覚醒人を筆頭に、
強き者達で組織を建て、何とか人々が活動できる範囲を奪い返す事に成功する。
───だが人類が喪ったものは、あまりにも多い。
人類が建てた建造物、歴史、日常、流通するための船、海や山、──そして命。
人類が忘れられる事の無い日。
──大厄災
だが少しずつだが、確かに人々は取り戻していく、日常を奪われたものを、返ってこないものもある、だが少しずつでも歩んでいくのだ。
◇◆◇◆◇
「どうじゃ?地盤につけそうかの?うむそれは上々じゃ。物資はうちの孫が届けにいくからの~、うむ期待しているぞ?ではな」
「あなた…?」
「な、なんじゃ…儂悪いことはしとらんぞ?本当に…!」
「なにを隠してるのですか…?」
「隠しとらん!いい忘れただけじゃ!!」
「吐きなさい」
「は、はい!!」
香奈恵は学んでいるのだ、元治はとんでもないことを考えてる時は、後になって面倒事を持ち込むと。




