フレイムドラゴン戦 上
──ゴッッッッ
赤く燃え盛る炎が大地を森を焼き払う
今日は訓練終了日…最後の課題だ。
その課題とは…
[フレイムドラゴンの1頭の討伐]
制限時間は朝の8時~20時の間を期限とする
◆□◆□◆
▼林藤武蔵▽
「ちっ、こっちは氷気で体温下げてんだぞ…!」
そう武蔵が悪態を付くのも無理はない。
ダンジョンの季節設定は春。
だが今フレイムドラゴンの存在している範囲は全て燃え盛っている、温度は軽く1000℃を上回っている。
そんな中20日は暴れ続けられる体力を持ち
強靭な腕の一振は山を粉砕し
口から放たれる絶叫は熱を振り撒き音の範囲を燃やし尽くし
身体の大きさはビルを追い越し
その巨大な身体を守る鱗はありとあらゆる攻撃を破壊する
悪態の一つや二つ付きたくなると言うものだ。
「さて相性なんて…言ってられる次元じゃねぇよな!!《雷雨》!!」
──ゴォォォン!!
フレイムドラゴンに雷の雨が降り注ぐ
だが雷が鱗に触れた瞬間…雷が裂かれる
「おいおい……!!嘘だろっ…!!」
決して武蔵が放った雷が弱い訳ではない
事実鱗に裂かれ逸れた雷は威力が分散された物でも土を巻き上げ、川は雷に触れた瞬間に蒸発した。
─ギロ
ただそこに座していたフレイムドラゴンは自分に触れた、いやかけられた屑魔力、その方角を不快そうに睨む
それだけで武蔵の身体は金縛りにあったように動けなくなる
フレイムドラゴンはゆっくり腕を上げると何気ない事のようにその腕を振り下ろす
「ばかっ!《影手》!!《陰誘》!!」
だが振り下ろされる前に他の仲間に引きずられ助けられる
確かにフレイムドラゴンは動いて無いだが危機を感じたその場にいる全員が
そしてそれは当たっていた1秒前に武蔵が居た場所は5本の亀裂が出来ていた
「可憐ちゃん!!合わせて!!」
「うむ!!!」
武蔵で終わる筈ないと次を準備していた可憐達は武蔵から注意を逸らす為め第2射を放つ
相手の守備の偵察の為もある
「「《《水深爆熱》》」」
液体状の熱が槍の形を成しフレイムドラゴンにその先端を突き立てる…がそれ以上進まず槍の形が崩れフレイムドラゴンの身体を包むように纏わり付く
それを振り払うように首を振るい身体をジタバタと振るうフレイムドラゴン、だが一向に取れる気配は無い。
苛ついたフレイムドラゴンは息を吸い込む
「いまだね!!」「いまだっ!!」
だから可憐達は液体状の熱の本来の形の術を発動する、それは爆発…名前のままだ
フレイムドラゴンの身体を包んでいた液体が急速に膨れ上がり
──ゴッボッッッッッ
そんな音と共に液体が爆熱に変貌しそのまま爆発
「ああ、やはり!、爆発もダメなのかっ…!!」
爆発を振り払うように出てきた無傷の腕を見つめ可憐が悔しそうな声が漏れる
それを可憐と中の良い女友達が可憐の手しっかりと握ると可憐に言う
「可憐ちゃん!今は撤退だよッ!!!」
「くっ…!!わかっ…た!!」
「いこっ!」
「あぁ!」
──グッガァァァァァアアアアアアア!!!
□■□■□
「いやきっっついて」
「それな…」
「ムリゲーだろ…」
「熱が込もっているものは殆どは無効だしなぁ」
「うちのアタッカーの得意属性が完全無効化て…」
「てかあの鱗反則だろ…」
「だれか効果解る奴いねぇ?」
「うい、さっき何とか鱗だけなら鑑定入ったよー」
「お?マジ?」
「マッマ!触破に分散、半減だな…で鱗一つの防御力が……50万位だなっ…」
「は?」
うっわ……確か触破は触れた物の破壊、分散はエネルギーの分散、半減は触れた攻撃の半減化、それだけでもムリゲーなのに鱗一つの防御力50万?あたおかだわ……
皆が頭に手をあて考えこむ
▲9時42分




