頑張れ可憐ちゃん3
田中可憐
怖かった。本当ーに怖かった。
私……智核様に…逆らわない。
「おーい?」
「「「「「はっ!?」」」」」
「次いくぞ……?」
「「「「「は、はい!!」」」」」
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「クソッ!あいつら鼻利きすぎだろぉ!?」
「それもだが!連携もやべぇ練度だ!!」
クソ…!そろそろ来るぞッッ!!
「来たぞ!メイジ部隊だッッ!!」
「可憐ちゃん頼める!?」
分かっている最大出力だっ!
「まかせろ!!」
「前衛離脱!!」
「「おう!!」」
「炎上灰塵ッッ!!」
可憐の手から放たれた炎は螺旋を描き森を突き焦がし灰塵へと変える
だが螺旋の炎が一刀両断される
「ルゥガァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
未だ森を燃やしていた燃え盛る炎を咆哮で掻き消すコボルト達の絶対者
「やっば!!コボルトキングだっっ!!」
「やべぇ!!可憐!!!」
やめろ!いま術式を完成させる途中だッッ
「天地を燃やし闇を焼き払いたまえ……再度紡ぐ…」
「多重詠唱かッッ!!皆持ちこたえるぞ!!」
「「「おう!!!」」」
「ルォオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
「「「ガァァァァァァァ!!!!」」」
そこからは劣勢を極めた。
気が付いた時には空を埋める属性が込められた矢の数々。
メイジ部隊の多種多様のデバフにバフ
バフによって埋められる技量の差
更には、最初から負けていた数の差は時間を掛ける度に絶望的なまでに開く
そして強大な個
一振で木々を何十と薙ぎ倒し
此方の気術を片腕の一握りで潰される
そして驚異的な体格、身長は木々を軽く超し、
その体格が持つ大検は一級の魔剣だ。
「難易度間違ってんだろぉ!!??」
何よりそんな巨体で在りながら。
その速さは風のごとく
「ぐっぅ!?」
繰り出される一撃を、体術に結界術を織り交ぜ何とか衝撃を往なし吹き飛ぶ事で体勢を立て直す。
「ちっ、やっぱ引っ掛からないかっ」
追撃に来たときにカウンターを喰らわせようと構えていた術を解く武藏
「グルゥルルル!」
それを嘲笑うように鳴くコボルトキング
その時武藏の横にいきなり人が現れる
「準備出来た!!」
「やっとかっ!」
──ヤバい
本能に従い逃亡を図るコボルトキング
何時の間にか消え失せてる二人に疑問を抱かずに
──極熱地獄
森を中心に赤い空間が広がる、赤い空間に触れたものは灰も残らない
生命が活動出来る範囲を侵す地獄が其処に
──顕現した