第六階層”四神戦暴域” 【 2 】
上空に居る生命を燃やそうと獄炎の炎が俺へ迫る、しかし獄炎は貼って置いた結界に阻まれ、俺の周囲を獄炎が覆った事で俺はとっておきを隠しながら放てる。
フッ、その無駄にデカイ体に風穴開けてやるぜ。
「くらえ、ロケットパンチ!!」
轟ッッ! と黒い鉄の機腕が燃焼ガスを推進力に、空を覆い隠す獄炎へ突き進む!
さぁ! 突き破れ! 俺のロケットパンチ!!
”ロケットパンチ”名前の通り、ロケット噴射の原理を使い鉄拳を飛ばし、相手をぶん殴る、漢の浪漫技、ちなみに実用性を伴う大きさでは無い為、威力は”まあまあ”だ。
その分を魔導鉄とか呪鉄、様々な鉱石で構成された鉄拳となっているから、拳の威力はとてつもなく高い!
ちなみにこのロケットパンチはよく見る設定通り、ロケット噴射の原理を使っている。
そう……使っているのだ。
突き進み、獄炎を破っていたロケットパンチが、
────プスゥ……
と、そんな音を立て、落下する。
ふっ、ふはっ、ふはははっ!
「やっべ、動力の燃焼ガスの方をヤラレタわ。」
くっそッ! 毎回ロケットパンチと相性最悪かよっ!(自分が悪い)
仕方ないっ
「戻れ黒刃」
投げても自動で戻ってくる呪いの人形じみた性能をデフォで有する黒刃を呼び戻し、拳に再度装着する。
──ガシャンッ!
と耳触りの良い音を響かせ
おっしゃ、行くぜ、獄炎龍神も先程の攻撃威力だけは脅威と見たのか、撃たせまいと”獄炎の巨柱”を俺だけに降り注がせる、
天から降り注ぐ獄炎の巨柱は空間を焼き、敵性魔力を焼き尽くす、しかし、ハッキリ言って──
──脅威じゃない。
こちとらどんだけLv上がってると思っとんじゃ! もう魔力なんて、
”取り敢えず数字多ければいいと思ってそうだよね(憐れみ)”みたいな領域に来とるんやぞ!
魔力をゴリ押しで結界に注ぎ込むだけで結界再生能力のほうが削れるより早くなっとるわ!
「そらっくらえッ!! 悲しみのロケットパンチ!!!」
盗み見てる嫁さん達大半から”懲りねぇなコイツ”みたいな感情と、下に居る亜樹から”やっぱり投げたな、ロケットパンチ”と言われてるが知らん! ロケットパンチったらロケットパンチなんだ!
轟ッッッッッッッッ────!!!!!
遅れて空気が炸裂する音が聞こえてくる、
ちなみに癪だけど、盛りに盛った化学機能を使うより投げた方が威力スピード共に上だった、証拠に獄炎龍神の体大半が抉れ、黒紅色の魔力が落ちてくる、……ロケットパンチ諦めないからな!!
さて、切り替えよ。
下から迫る攻撃を見そして”暴風の巨断息”と”大海の渦龍砲”へ指を指し結界へ引きずり込む、そして
──閉じる。
ははっ、
「なんだ、お三方、闘ってた割には仲がよろしいことで、敵の敵は共通の敵、ってか? ケケケ、いいねぇ、その方が楽しめそうだ。潰し合いなんかしないで仲良く掛かってこいよ?」
·····言ってて思ったけど、俺に戦闘狂の影が見えてきたのは絶対あの鬼娘の性だと責任転嫁をする。
吊り上がった口角を自覚し、やっぱり責任転嫁だなと思う。
下から生える無数の”大地の剣”を最小限の動きで避け、己は剣を振る。
大地へ切傷を与え、波打ち、壁のように迫る”大地の巨壁”を切断し、その場から跳躍。
一瞬前まで己が居た場所へ突き立てられる上から降ってきた”巨山の剛剣”
ゴォォォン────ゴォォォン────
大地から鳴る鐘のような悲鳴を聞き、そろそろか。と己は高く跳躍する、すると”予定通り”
大地が先程とは比べ物にならない波打ちを見せた。
やはり己を自分の背から振り落とそうと身を震わせたか。
「うむ、最善だがまだまだ己の剣の練習場となってもらわねば困るのでな、振り落とされてはやれぬよ、中途半端に頑丈で再生能力の有る自分を恨むと良い。」
汝様から贈られた剣を納め、抜く。
すると気持ちが良いくらいにズッパリと大地龍の身が切断され星の表面が見える
刹那でその切傷は消えるが、
「やはり練習場として、最適だ。」
己は汝様に似てきてしまった笑みを浮かべながら、迫る”大地の棍”を両断する。
「…? そう言えば、あの横槍台風の気配が周囲に無くなったな、先程は鬱陶しい程に微風を送って来たのに」
あれはあれで善い回避の練習となったのだが、と気配を探し、空に居た炎の龍が大穴を開けられたのを感じ、つい声が漏れた。
「やっぱり投げたな、ろけっとぱんち。」
んむ? 汝様の付近に行ったのか、水もか。 援護は必要ないな。 汝様だしな。
おっと、己は空間へ閉まっていた根を槍のようにし、大地龍を縫い止める。
「大地よ、オマエはダメだ。」
己と汝様の会話に横剣を入れた事について、まだ許してはおらぬからな。
”獄炎龍神《仮名》”
──”天覆う炎獄カラ・スナチ”
ある日突然大地が割れ、吹き出した赤黒い炎、それが天を覆った。
ソレは炎だった、地獄、奈落、死の世界から溢れ逃げた炎だった。
ソレは最強種の殻を被り、長い年月を掛け、存在を龍へと変貌させた炎だった、ソレは驕った、死の炎だけに過ぎなかったソレは天へ昇り、天を焼き、地底へ堕とそうと、──だが、ソレを成すだけの力があった、あってしまった。
驕りが許されるだけの存在だったのだ、天へ住まう微生命を焼き、そして──許されざる存在へその牙を伸ばした。
落とされた、ただの手の平による一撃で、しかし驕り昂ったソレは満足した、タダの一死にしか過ぎなかった炎が理由なき天焼だったとしても、アレほどの存在に咎められるならば、と。
ソレは形を持たぬ獄炎の龍、不形の龍炎なる。天を焼き、天へ住まう者を焼いた獄龍なり、そして記される、我────敗した死炎の龍災なる




