表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が理不尽です  作者: セロリM
足の引っ張り相い・試練を与える迷惑宮

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

349/380

獄炎の中から出るのは絶望か死か

 



 人の、声……ッ!? と唖然とする皇帝グラセフの後ろに着く騎士や魔法使い達、そんな配下達の様子など目に入らない、気が付こうともしない皇帝グラセフは、燃え盛る炎の中に居る者へ怒鳴り声を上げる。



「テメェ!! この薔薇の園が至帝グラセフの所有物だと知っての狼藉か? ァ"ア"!?」


「陛下…ッ危険です(・・・・)! お下がりくだ──ぁ、ぃ(さ、い)·····? 」



 幼少から(・・・・)ダンジョンに潜り、高存在(Lv)冒険者(・・・)達にモンスターを抑え込ませ、名剣で首を断つという寄生虫の如き方法で存在(Lv)を上げた皇帝グラセフは、”火への耐性をLv2”まで持っている、その事は城に立ち入りを許可されてる戦える者(騎士や魔法使い)なら知っている者は知っている事だ


 そして”火への耐性Lv2”と言えば、石を溶かすレベルの火ならばずっと、とは言えずとも四十秒(くらい)ならば体に影響を与えることがないレベルの火への耐性が獲られる。



 では、だ。 そんな皇帝グラセフが思わず後退(あとずさ)炎の中(・・・)で平然と声を出し、存在するアレ(・・)はなんだ?


 どうであれ(・・・・・)、まともなモノでは無い事が分かる、なれば、と


 皇帝グラセフに自分の身を弁えず、されど皇帝グラセフへの忠誠から意見をする、という”綺麗な騎士”を魅せよう(・・・・)とした騎士は、皇帝グラセフの前へ()、手を伸ばした格好のまま────首を皇帝グラセフに折られた。



「控えろゴミがッ……!!」



 ゴミを見る様な目で崩れ落ちた騎士を(さげす)み、邪魔な障害物を退かすように皇帝グラセフはその騎士を蹴った。



 そんな壮絶な現場を目にしながら、皇帝グラセフの後ろに居るだけの配下達は、悲鳴一つ(・・・・)上げられなかった(・・・・・・・・)



 その事をやはり(・・・)気にも留めなかった皇帝グラセフは、いつの間にか


 本当に、いつの間にか、消え去った炎の中から出て来た──2人を見て、そして思考が停止した。


 その2人が醸し出す、──言い様の知れない不気味さに、そして目を惹き付ける程の美しさに。



「”至皇(しこう)”? そんな称号、ステータス見たけど無かったが? 自称か…? 変なゴミ屑(・・・・)だな。」


「ふふっ、あぁだな、至高を被せるネーム()を持つには些か器が不足と見える。」



 1人は従者のように硝子と化した瓦礫の上に足を揃え、皇帝グラセフ達を見下(みくだ)すように、無価値の(ウジ)を見るかのように見下(みお)ろす少女。


 黒緑色の髪と龍を彷彿とされる割れた瞳孔の瞳、衣服はシンプルな白のワンピースにも見えるが、明らかに素材が違う。



 そして、その少女が従者のような立ち位置だとすれば主は──この硝子状の瓦礫に胡座をかき、頬杖を付きながら黒い、奈落のような瞳で見下ろす2人目のバケモノ(・・・・)だろう。


 白い、いっそ純白と言い換えていい程の無垢の髪、それとは対比を成すような黒い、底無しの大穴、奈落を彷彿とさせる無感情の瞳。


 纏う衣服は、黒い、しかし何処の出のモノか分からない、なんと言う種類の衣服なのか、だけど、何処か気品を感じずにはいられない。



 そんな2人の視線に晒された”帝国の力”とも言える騎士や魔法使い、そして皇帝グラセフは身体の動きを止めた。



「ぁ……っぉ、、」



 罵声に対し、何かを言い返そうと、怒鳴り声を荒らげようとした皇帝グラセフの声は潰れたように、微量な音しか(はっ)し無かった。



「·····?」


「ふ、ふふっはっハハッ!」



 その皇帝グラセフの無様な姿を見下ろしながら白髪のバケモノは首を傾げる、またくだらない茶番を見せてくる、どころか、その劇に自分を巻き込むモノだと思ったからだ。


 それに対し理由の分かる黒緑髪の少女は鈴のような綺麗な笑い声で吹き出し、薄く笑みを浮かべ理由を白髪のバケモノに教える。



「汝様、少しキレてるだろう? 確かに己としてもアレ(・・)は不愉快だが、汝様ほど怒りは抱いていない、さて、聡明な汝様ならあのこう、こ····なんちゃら、の喋れない理由も分かるだろう。」



 そう言われ、あぁ、と頷く白髪のバケモノ



「そうか、こんな傲慢不遜野蛮を具現化したようなゴミ屑でもバケモノを目に映せば恐怖なんてもんも湧くのか、───つまらない結末だ。 どうせ最後だ、後世(歴史)にも残らないだろうけど道化としてなら見てやろうと気まぐれを起こしたんだが、

無駄か────ならいいや、どうせ喋られても迷惑(不愉快)でしかないしな


───”貪り、喰い荒らせ”《 餓鬼(ガキ) 》」


 

 グチャリ、そんな音に気が付いた時には、皇帝グラセフの体幹は保てず、地面に身を打ち付けた。



「……ぁ、へ…」


「「「「────え、は?」」」」



 皇帝グラセフも、騎士や魔法使い達も、遅れて追いついた”貴族”と言う立場に名を連ねる者達も、誰1人、現状を理解出来なかった────なぜ、皇帝グラセフの足先が、まるで幼い子供に食われたソーセージのような歯跡が残され、血にまみれてるのか。



 その光景を、無表情で眺める白髪のバケモノが告げる。



「──精々(せいぜい)あの世(・・・)に無様な姿を晒して出来るだけ惨たらしく死ねよ、 それが供養(・・)になるのかは知らねぇけどな。」



「ぁ、あっ、────」



 帝国の城に、本来なら悲鳴を上げることなど無いはずの人物の悲鳴が無様に、そして恐怖を引き立てるように鳴り響いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ