三人娘と+αで狩へ
あの夕食後、食器を洗い帰ろうとしたが、涙目のサラちゃんに止められ、結局一泊してしまった。
そして、時刻は朝、6時半。
おれ達は三人娘+里の青年男子と青年女子達と"狩"に出ていた。
備蓄確保の為だ。
今は提供した食料で数週間は大丈夫と言えるだけの食料はあるが、それが無くなれば、また里は最初におれ達がここへと足を踏み入れた時のような環境に逆戻り、そうならぬ為に、里の皆は、里の守りと、狩の出来る者とで分け、狩の出来る者達が狩へと出る。
おれ達はそれに着いていく形だ。
ぶっちゃけ、他の仕事は即座に終わるからな、下水道の設置から農業を広げる事も、魔力のゴリ押しでどうとでもなる里の守りなんて一秒もいらない。
なら、今は気になる三人娘に着いて行きたかった。
「獲った!!」
「お、すげぇじゃんか、サラちゃん。
それは・・・」
サラちゃんが持ち上げる2つの角が生えた若干人形の黒い大きな兎を見て、おれが何だっけ…?と調べようとした時、横を歩いているミヨちゃんが教えてくれた。
「デビット・ラビット、存在155。」
「おお、存在155、すげぇなサラちゃん!」
「えっへっへ~!!」
本当にすごい、この年の子が普通ならレイドモンスター扱いになるモンスターを一人で、しかも無傷で仕留めるとは。
異世界人って、皆こうなのか……?と思ったが、他の子達が揃いも揃って苦笑いを溢してる事から、サラちゃん達が異常なだけだな。と思い直す
「イエス。さすがですサラ。今日の昼は兎シチューでも作りましょうか。」
「シチュー……? おいしいの……?」
ああ、調味料すら入らないここでは、シチューすら無いのか……。
「…ああ、うまいぞぉ?」
「たべる!!」
ははっ、まぶしい笑顔なこって、よしよし。今日はおれも作ろう。
と、そんなやり取りをしてたら泥まみれのキサラちゃんが走ってきた。なんでよ?
「うわっはっはっはっ!!!」
「なんかしてきたな、あの年長。」
「信用がないな、キサラちゃん……もう少し信じてやれよ。」
───うわぁぁあああああ!!!!
───てめぇ! キサラァ!! 何にちょっかいかけたぁ!!?
「信用………?」
「……。ほら~、キサラさーん、怒らないから何に手を出したのか言いなさーい。」
「山殴ったらなんか出てきた!!!!」
背後に”ドンッ!!”て付きそうな言い笑顔。
「そっかー。」
あ、なんか泥がぼん!て爆発した、すげ。
今ので地形かわったぞ。
「キ、キサラお姉ちゃん……」
「イエス。子供らしく好奇心旺盛でよいですね。」
「まぁ、不自由よりはいいんじゃないか?」
「あの年長ォ……」
「さてさて、何かなー?地面から攻撃してるみたいだし、ミミズ系統のモンスターかなぁ~?」
「山殴ったらと、言っていたのでタートルとかでは? 水も使っているようなので。」
「ふむ、私は大穴のゴーレムにでも一票入れるかな。」
さて、答えは~?ミヨ先生教えて下せい!
「お兄ちゃん達……余裕だね……?」
「商人様!!逃げて下さい!!」
「あのバカは絶対あとで殴る!!!」
お、姿見えてきた、あれは……龍……?
「───地を統べる者、土龍だ。」
そうとも読むけどさぁ!?




