〈開戦〉
んー?しかし襲撃ねぇ、いや襲撃ちゃあ…襲撃なのかな?
少し遠くに見える"認識曲解"の結界の中身を視ながら、会場ごと消し飛ばす事を襲撃と言っていいのか、と下らないことを考え、苦笑いと共にその思考をやめる。
「わふっ?」
『イエス。私達の貴方様に何を向けてると…ぶち潰しますッ』
常世は良いの?と白夜に目で問いかけ。
智核はそもそも"そんな"粗末な気を、向けるなとばかりにキレる。
そもそもテメェらごときが私達の貴方様に歯を剥くならそれなりの礼儀として命位賭けなければ、釣り合わないとばがりの怒りだ。
分かりにくいだろうが智核の白夜へ向ける感情は、愛でもあり、狂愛でもあり、そして立派な信者も入ってる……その信者からすれば、この余りにもお粗末(?)な攻撃的は腹に据えかねたようだ。
だが、そんな様子の智核を見ながら白夜はなにを怒ってるのかしらぁん?と疑問に思いながらも、その丸い球体に落ち着けとばかり、手を乗せる。
「ん。いいよ、ほっときな…おじいちゃんも、おばあちゃんも知った上でほっといてるんだから。」
「わふぅ…」
『ノー。ですが…』
「ハハ、何でか分からんが怒ってくれてありがとうな智核?」
分からないが、きっとおれのためなんだろう。
そう結論付けた白夜は笑顔と共にそう言った
『イエス。気のせいと…宣言します。』
「なんじゃそりゃ?」
そう言いながら首をかしげ白夜は楽しげに笑う。
────次の瞬間、白夜達が居るこの会場の気が、全て何かによって突如──
──消失した。
そして、それを待っていたと言わんばかりに、
同時に十四つの災害が解き放たれ、顕現した。
風災が山を吹き飛ばし。
砂漠が天から降り注ぐ。
人の善悪を狂わす香りが蔓延し。
光の槍が砂漠を突き破り光の雨となる。
闇が山々を呑み込み。
空に現れた溶岩が破裂する。
それらを忘却の嵐が不気質に呑み。
ありとあらゆる災害が同時に降り注ぐ。
それら全ての災害が視界を埋め尽くすばかりに増える。
その全ての災害が合わさった光景は地獄の顕現────
────────だから。
誰も思いもよらなかった景色が次の場面で現れる。
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「…どうだ?…」
「やったか?などと言わないでくださいね。」
「ぁぁ?見に行くしかぁぁ!あるめぃぃよぅぅ!!」
皆言い様のない悪寒に襲われていた、それから目を背ける様に口を動かす。
「んんんん?どう思う?かなかな…虚ちゃん?」
「…………?なに言ってる…何故そんなに悠長にしている…早く第二射を撃たないのか?…それとも自分達のやっている虚しさにやっっと気づいたのか?……ハッだとしたらとんだ道化だな……私も人の事は言えんか……。」
「ァァア?!」
深く被るフードの中からうっすら、だが確かな迫力を持つ煌めく眼光が、
消し飛ばした。
そう言っても過言ではない災害に襲われた式理の会場へと向いている
「……いったい、あれのどこに確認のする必要性がある?私には無傷にしか見えんぞ?」
虚と呼ばれた幼女が指す方向を見るとそこには。
災害が────
────ゴキュン。
そんな音と共に景色が歪む。
────ゴキュン。
二度目で災害が捻り歪む。
────ゴッッキュン。
三度目の音で確かに吹き飛んだ全てが元通り…
──────ヂッギュン。
飲み干したそうとしか表現のしようがない音が響く。
顕現した地獄がいま確かに飲み干された
「は…は…はは…ありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇありえねぇぞッッッッおいッッッッッッ!!!???」
「サァ?これは…」
「本当に余計な事をしてくれたヨ、九席殿わ……」
これ描写が無いですけど今回の黒幕[暫定仮]さん、自分ごと消し飛ばすつもりだったんですよね……
今回もお読み下さり皆様ありがとうございます!!!!!




