三人娘の食事風景
カチャカチャとフォークと皿が擦れる音が控えめだが、小さな家に鳴る。
その音の発生源には、小さな頬を限界まで膨らませたサラの姿
それを暖かい目で見つめ、白夜は智核達が作った料理を口に運ぶ
「智核さん、明華さん、盟友、いただきます。」
腹の虫が、ミヨを魔導書から解き放ったのか、ミヨが確かな意味を持って手を合わせ、三人を見る。
「イエス。」
「そんな畏まるな、ああ、食べるがいい。味は保証しよう。」
「やっぱりおれは盟友呼びなんだな……いっぱい食えよ~、とほらサラちゃん、あんまいっぺんに飲み込むと喉に詰まらせるって、水、水、ほら。」
「んぐんぐんぐっ! ぷはぁ! ありがとう!おにいちゃん! 」
「あぁ」
その家族のようなやり取りを、眺め、まるで自分達に家族が出来た、……そこまで考えてミヨは頭を小さく横へ振ると、小さく再度「いただきます。」と告げ、肉を口へ運ぶ。
「おいしぃ……。」
「おいしい!!」
ミヨは思わず、と言った風に、サラは口に詰めていたものが一旦無くなった為、食事を初め、初めて声を出した。
それを満足げに頷く四人。
智核、明華、白夜、キサラの四人だ。
「何故キサラが、そのような反応をするのだ、作ってくれた二人と盟友は別として。」
「いや、本当にうまいなー! てね!」
「キサラ、ちゃんとお礼は言ったのか……?」
「………いただきます!!」
「おいコラ年長、貴様。本に没頭して気付かんかった我が言えることではないが……一応年長だろ。サラを見習え。」
たははー、本当にごめんなさい、と頭を下げるキサラを見ながら白夜、智核、明華はそれぞれ、気にするなと声をかける。
「なんだ貴様、その顔は腹立つ。」
「ふふん!」
ミヨは後で絶対ブッ飛ばすと決め、食事を再開する。
このキサラに時間を割いて、食事が冷めたら申し訳ないからだ。
「やはり、おいしい。」




