《十三災害》
たく……、相変わらず薄気味悪いところだぜ…。
「やあやあやあ? 遅かったじゃないか?…ラズリィ」
奥の方から人の神経を逆撫でるような男の声が響く。
その声の方向に、うんざりとしながらもラズリィと呼ばれた、”身長は高いがそれを台無しにする何処か気だるげな男”が答える。
「しゃあねぇだろ? 解りにきぃんだよ……、此所は…。」
そうラズリィが吐き捨てると、
その答えを待っていたと、ばかりに薄暗かった部屋に灯りが灯る。
その”演出”をぼーと見ながらラズリィは心の中で思う
(毎度毎度、よくやるよ、この全員揃ったら部屋の灯り付けるとかゆう無駄極まりない演出、誰も面倒臭がって言わないけど。)
そう思うラズリィも勿論面倒臭いから言わない一人だ。
灯りが付き、見えてくるのは、丸く無駄に大きな豪華な机、そして丸い豪華な机に並べられた十三の椅子。
その席に座る人数は七人。
(あぁ? 嘘だろ“天災“も居やがるのかよ、どんな大仕事だ? てかよく見たら殆どが害席共じゃねぇか…)
”害席”十三災害と言う、災害を撒き散らす組織の中でも、さらに害を振り撒ける上位五名の十三災害に付けられる”名”、その実力は”災”の”名”を付けられた七名の力よりも、圧倒的と言えずとも、確実に”害”の”名”が付けられた五名の方が強い、そう言える者達の総称が害席。
その害席が全員居ることに、ラズリィが微かに驚きと、今回の任務について警戒を強めていると、中性的な声が部屋に響いた。
「……うぜぇ、集まったならさっさと始めろ…。」
纏う物全てが異様に黒い、男?女? フードを被り性別が分からない者が早く始めろと、奥に座る男に催促する。
その催促を聞き、なにが嬉しいのか、それとも何も考えてないのか、なにもかも分からない不気味な笑みをニンマリと浮かべる男が三度頷き
「うんうんうん! そうだね、そろそろそろ始めようか? …レリファン」
始めようか? と疑問文で催促してきた者の名前を言う。
それに疑問を浮かべるのはこの部屋に最後に入ってきた男、ラズリィだ。
「ぁあ? 他は待たなくていいのかよ?」
(大仕事だと思ったが違うのか?)
ラズリィはこんなに害席が雁首揃えて居るって事はそれ相応に難しい、それこそ一人で国に災害を振り撒くと言われる自分達が一度に8人も投入する必要のある大仕事だと、思ったが違うのか? そう疑問に内心首を傾げるが、その疑問に別の声が答える。
「いえ、大仕事ですよ、だから依頼を断れない所以外の全員に召集がかかったのですよ。」
そう目に包帯を巻いた、修道服を白一色にした女が答える。
それにほーん、とラズリィは少しの冷や汗を流す、
(つまり、他の"災席"じゃ、いてもいなくても変わらない規模の大仕事か。……パス、できねぇかなぁ。)
そのラズリィの面倒臭がりの思考を引き戻す声が、部屋に響き渡る、苛立ちと共に。
「……んなぁ事はどおでもいぃンだよ、
────デ? 人様呼びつける仕事てナンだよ…」
黒い衣服を纏うレリファンのドスの効いた声が響き渡る。
その声を受け、ニンマリとへらへらと嗤みを浮かべ、全員の反応を楽しんでいた奥に座る男が、うんうんうん、とまた三度頷き、座る皆を見渡し言う
「んんんん? そだよね? 気になるよね! そだね、じゃ! 本題からいこか?? デデデデデ! ジャン! 今回の依頼はコレ! 式理家の鏖殺!」
この場に居る六人の目が驚愕の感情によって、見開かれる。
それもそうだろう、よりによって"あの"式理家だ、
抱えてる私兵は全員が特一級、自分達のような災害級も六人は居る、何より四十年前に十三災害を襲った。
───"戦姫"に。六年前に此方の三人の災害を同時に一方的に虐殺した"白無"。
レリファンが声を震わせ疑問を口にする
「…なァ……確かにだ"戦姫"にしても四十年前の話だ…、それに"白無"だってここ四年は本家に近寄っていねェと聞く、だがだ余りにも、わりにあわねぇ。本当に受けんのか? コレ」
レリファンは怒りっぽく喧嘩早くプライドが高いが、難しいと不可能を吐き違える程、バカではなかった。
「んんんん? 災害ともあろう君たちがまさか怖じけ図いたのかいぃ?」
そううざく告げる男の声に不自然にプライドと神経を刺激された。
六人から漏れた膨大な殺意が大気を震わせる。
だがそれも直ぐに収まる、それだけ事が事なのだ。
「んなぁぁ!事は言ってねぇぇだろぉぉ!?」
「そう言う話じゃないサァ、此方にどんな得が有るのって話しサァ?」
髪を逆立せた褐色肌の男が怒鳴り返し、虎刈りの男がこめかみに指を置き冷静になった風を演出し、得が有るのか、と聞く。
だが男二人の話をそんな次元の話しじゃないとばっさり切り捨てるように口を挟む修道服を纏う女性とレリファン、その二人が疑問を淡々と始める。
「正気ですか?"戦姫""白無"それだけじゃありません、外に出てこないとしても……」
「"暴鬼""究明""獣獄"。それに外に居る奴らだけでも俺達以上の実力者"神言""王柱""煌創"だぞ? 確かに新米の野郎だけなら一人でも十分だ、だが三人に二人づつ付いたとしても、"五大家"、それらの私兵を一人で相手にするんだぞ。」
そう話すレリファンと修道服の女性の話を聞き、今度こそ冷静になったのか、褐色肌の男とメガネを掛けた銀髪オールバックの男が二人の言葉に続く。
「…正気の沙汰じァねぇな…、少し無責任ジャァねぇかぁ? 第一席殿…」
「ん、ダネェ控えめに言っても、馬鹿の発想ダヨネェ」
静かになる一同、その顔はほんのりと苛立ちが籠る、それを受け第一席と呼ばれたうざい口調の男は、へらへらと嗤みを張り付けながら道化師のように大袈裟に手を身振りする。
「もうもうもう、皆そんなに怒らなくていいじゃないかっ! そんなこと僕だって分かってるだよだよ? でもでもでもフレリィの馬鹿が"十三災害"として宣言しちゃったんだよー」
六人の顔が歪む、それをされたらどうしようも無い、自分達が"ソレ"を破っては意味がない、と。
そう組織として制約を術によって掛けてる皆の顔が苛立ちと微かな諦めの顔になる。
「でもでもでも?僕達の仕事はそれほどないんだよだよ?」
そんな六人に第一席の男は、悪魔の囁きのように嗤みを浮かべ言う。
「……ァァ?どう言う事だァァ?…」
疑問を上げるのは褐色肌の男、しかし疑問の声を上げないだけで他の五人も疑問を持っていた、ただこのうざい口調の男とは出来るだけ口を聞きたくない六人は疑問の声を上げなかっただけで。
渡りに船と褐色肌の男と第一席の声を考えてるふりをしながら聞く五人。
「なんかねかね? 気無の術式を本家に敷き詰めるから、それを発動させたら、それを合図に僕達が大技そこに叩き込むだけだってー。で生き残りが居たらソレラを処理するだけのお仕事ー」
六人は考える、それでも確実に三人以上は残るだろうと───だがそれならまだ勝機は有るだろうと。
その様子を例外たる”天災”は無感情の目で見つめる。
えへ☆誰がしべってるのか分かっね☆
大変申し訳ないorz土下座
第六席。増災のラズリィ 最初に出てきた人
第一席。想害の忘却 ウザイ人
第三席。闇害のレリファン 乱暴口調
第四席。光害のオーサン 丁寧口調
第八席。砂災のサバク 褐色肌の男
第五席。業害のカサネル サァの虎刈り男
第二席。爆害の戦鉄 ダネェの口調の銀髪オールバックメガネの男
が今回喋った人となります。分かりにくくてごめんなさい。
今回もお読み下さり皆様ありがとうございます!!!!!
2/5(日)、感想を下さったお方の感想を見て、再度読み直し、かなり分かり辛いところが多すぎた為、修正いたしました。ご迷惑をおかけします。感想ありがとうございます!




