里の子供
「ねぇねぇ!おねぇちゃんはお兄さんのどんなところに惹かれたの~?」
「もう夜の営みは済ませたの~?」
ませた女児に詰められる智核と明華、
「お兄さんはハーレム王なの?」
「二股やろなの~?」
「て、アニキめっちゃ力持ちー!!父ちゃんより強ぇえ!!」
何故か、男のちみっこ達に懐かれたおれ、
てか二股野郎はやめてくれ、それは俺にきく。
「惹かれた、所ですか……ふむ、強いて言えば、全て。ですかね。」
「おー!ラブラブだぁ~!!ねぇねぇ!ネネのママはね?パパの匂いに惹かれたんだってぇ~!」
「ふんむ?夜の営みかい?キミの年齢ではいささか早いと記憶してるが、まぁよかろう、その問いには是と答えよう。」
「ぜ……?」
「ようは済ませたぞ。と意味だ」
「お、大人~!!」
なにをバカ正直に答えてんだ、周りの大人の目が、おー!みたいな感心する目をしてるやろうが、
て、こら。クソガキそのバックの中身を漁るな漁るな、飯ならやるから。
「食べていいの~?」
「いいぞ、そっちの長とはそうゆう契約をしたかんな。好きなだけ皆と分けて食え、まだまだあるから。」
「「わーい!!!」」
「あんたらも食ってくれ、そうゆう契約なんでね、ガキ共が食い尽くす前に、な? 動けん者達には誰か持っていってやってくれ、」
おれの言葉に大人達は迷いを見せるが、その迷いに不安の感情はこもってない、
まぁ、いきなり来た商人から飯をもらっても戸惑うのも仕方なしだろう。
なんて思っていたが。
一人の男性が大人達を掻き分け前へ出る、がっしりとした体型、筋肉は高密度
背丈は大きく、その風貌は戦士。
そして、目を惹くのはその頭から生えたケモミミだろう。
さて、どうくるか?
「………」
観察、警戒、は結構だが、飢餓に喘ぐ者も少なくないと見える、だから結論を急かそうか。
おれはそう判断を下し、待つ、を放棄し言葉を投げることにした。
「信用出来ないのも無理ないが、時間はあるのか?」
「……失礼した、商人殿、」
声は低く、重低音、腹に響くような声は責任の重みを感じる、戦士、ではなく戦士長。ってところかな?
「気にしなさるな、怪しいのは重々承知だからな」
「……すまない、……そちらじゃなく。」
……?
「うちの食いしん坊がすまない、」
「なるほど、この子の親か、」
最初に漁りだした子供の親かいな、まあいいよいいよ、子供は食ってなんぼだしな?
「まぁ、その分、他の者達に分けるのを手伝ってくれ、アンタは力持ちそうだ。」
「承知した、すまない。」
「いいっていいって、こっちは顔の広い人材を捕まえられたし、な?」
「むぐっ、とうちゃ捕まったのかー?」
「こらっ飲み込まない、喉に詰まるぞ」
「あ、はーい!」
背後で少し笑った気配がした、
静かな戦士と、思ったが、やはり親か、子供の笑顔には柔らかくなる親に悪いヤツはいねぇだろ。
しかし、飢餓より子供の笑顔の方に気が向くとゆうことは、此処では少なからず飢餓は焦るものじゃない、とゆうことか。
まぁ、里の常識をしらんおれが考えても答えは出んか。
そうおれは結論を付け、両腕に懐いた可愛らしいガキンチョ共をぶら下げ食料を届けに里を回ることにした。
ちなみに、幼女、少女、中学位の年頃の女子に懐かれ、質問責めにあっている智核と明華は取りあえず置いとく事にする。
「女性の話に入るとろくでも無いことにあわされるからな……。」
白夜さんは長年の幼馴染み達の経験から学んでいるのだ。
「「なー?」」
「……苦労なさっているのだな。」
「ほとんど自業自得ですけどねぇ~。」
───この後、めちゃくちゃ食料を配り歩いた。




