胡散臭い行商人(願望)
町の入り口へ、【創造】のスキルで作った馬車を停める、それを不安、期待、危機感を持ちながら遠巻きに此方を眺め、警戒する町の者達
だが、それもグローリーさんが外へ出るまでだった。
町の子供と思わしき子達がグローリーさんに群がる、それに続くように町の人達も。
「しししっ、グローリーさん、相当慕われてるんだな?」
ほんと、善きものを見た。
しかし、うん、あれだな
前に智核に異世界の者達の強さを聞いた時、
人の強者と呼ばれる者達の最高レベルは200にも届かない、と聞いたが。
なるほど、な。
智核は"人間社会の全知"を知れる、それこそ噂がホントかどうかさえ。
その智核がレベル200に届いた人間はいない。
と言ってた。
だが俺の目の前には230に届くレベルが二人
そこから導き出される答えは。
───この人達は、"人間"にとって、人間ではないと。
不愉快だ
この事実だけで俺の異世界への興味が更に薄れた。
が、まぁ、今ここでそれを言ってもしかたがなし、だな。
おれは今、グローリーさんに交渉を持ち出された"行商人"その役割を全うしましょうか。
グローリーさんが町の皆に挨拶をしてる中、馬車を降りる俺に気が付いたグローリーさんが慌てて口を開こうとするが、それを遮るように自己紹介をさせてもらう。
「皆──「皆様、突然申し訳ない、"わたくし"グローリー様から交渉を持ちかけられた、しがない行商人のシロヤ、と申します、長い付き合いと成りますどうぞ、宜しくお願い致します。」」
俺の自己紹介に、活気と共に沸き上がる歓喜の声
それほど食糧難も深刻だとゆうことだろう。
自分でもいささか胡散臭い、かな?と思うような笑みを浮かべる
それに続くように智核、明華が自己紹介を始める
「私はチサネと申します、旦那様共々宜しくお願い致します」
「私はメイカと言うものだ、宜しくたのむよ、皆の衆」
その二人の自己紹介に子供達がヒソヒソと話しだす……?
子供達が近付いて来た?
どったの……?こんな怪しい大人に近付いちゃイカンよ…?
「お姉さん、モテモテ?」
「百合なの?キマシタワーなの?」
「フフフッ」「ぶふっ」
なるほど、この下らない知識、異世界に召喚された勇者とか呼ばれるテンプレ野郎共だな?
赦さん……!!
そしてわたくし口調で頭の良さをUPしようと企んだのが悪かったのか、おれはお兄さんだっ!!




