ピンク色の果実
"隠れ地の森"たしか、そう言ってたな。
うん、第一印象はいいね。
清潔感の溢れる森に、町並み
今は食糧難で、賑わいや、活気こそ少ないが、
それでも働いている者をちらほらと、少ないが外に出てきてる可愛らしい子供の姿も
食糧難、未知への不安、それらがなければ、いい町なのだろう事が容易に想像できる町並み
町を覆う森は綺麗に整備されてるのも目を惹く
うん、さて。
町の様子を見た白夜は、微かに笑みを浮かべ、自分に魔力を纏わせる
「──【変幻】」
可視化された黒い魔力の中から、一人の美青年が現れる。
目を見張るような美貌に、夜色を思わせる瞳は優しく、背丈は高くも低くもなく、純白の髪を三つ編み状に束ねている。
その姿は、どことなく"異世界の行商人"と言った風だろう。
そしてその姿へと【変幻】した白夜は何処からともなく、巨大なバッグを持ち出す
その姿をとった意味を理解した、智核と明華は、自分達も同じく姿を変える。
───行商人にの妻と言った風へと。
「妹よ、」
「姉上よ、」
いい雰囲気からの、──"一触即発"
怯える|二人(グローリー&カリナ)、呆れる白夜
下手する、いや、下手をしなくとも、容易く世界を崩壊させることの出来る魔力が智核と明華から放たれる寸前──
──二人を抱き止める白夜
「二人とも俺の大事な人なんだから、喧嘩しない。」
もう、どこで張り合ってるんだか、と苦笑いをする白夜に、二人は照れながらも懐に潜り込む。
「……まあ、先に出会ったのわたしですからね。」
「……時間マウントは時間魔法で弄れると知ることだね姉上」
「こら、」
「「はい……。」」
抱き締める力を強くし胸に二人を押し付け、白夜は苦笑いと共に、背負っているバックの中から
2つのピンク色のリンゴを取り出す
それを軽くグローリーへと投げる白夜
綺麗に自分の方に落ちてくる2つのリンゴをキャッチするグローリーは白夜は疑問を上げる
「白夜様……これは…?」
「ふふん、ちょっとした解毒薬、リンゴなのは美味しさも欲しかったからね、食ってみん俺的には旨かったぞ。」
はい!と元気に返事を返し、グローリーは手の中にあるリンゴを一口、口に含む
そして目を見開く
「こ、これは……ッ!!旨い!旨すぎるぞッ!!」
食ってみろ!とカリナにもう一つのリンゴを手渡すグローリー
その姿にカリナはあの果実に対しては口煩い父が、と唖然とし、それを成した果実を一口と受け取り直ぐにかぶりつこうとするが、それに白夜が待ったをかける。
「ぇ……」
「すまんすまん、グローリーさんこれを」
「白夜様…これは、たしか眼鏡と言うものでした…でしょうか…?」
「そうそう、【鑑定Lv20】を付与したちょっと特別性の眼鏡だよ~、それでカリナさんのかかってる筈のステータス欄”状態”て項目を見といて、
リンゴ食ったら消えると思うから。」
「はい!」
途中で止めてごめんね、カリナさんと謝る白夜、
そしてカリナは溢れる唾を抑えながら、殆ど話を聞いていなかったが取りあえず頷いた。
その姿にグローリーは恥ずかしそうに目を逸らし、白夜は微笑ましそうに
「食べていいよ、カリナさん」
「はいッ!!」
かぶりと一口
その後、”防音の結界”を貼らなければ突き抜けていただろう”旨いッ!!!”と叫ぶような声が響き渡った
ちなみに、ステータス"状態"
の項目にあった異常は全て消えていたそうだ。




