卵運びのクエストは最後まで残しがち
うん、さて……どうするか。
いや、どうする、か。てか、どう移動しよう。
チラリと横で憔悴した様子のグローリーさんへ目を向けてしまう、しまった。地雷原に目を向けてしまった。
「白夜様、この塵めになにか………ふふ、いえ、神たる白夜様がそのような筈もあるまい……死に晒せグローリー……」
さっきからグローリーさんはこの調子……この長さん、せめて里に戻った時には調子戻っててくれればいいけど。
説明めんどくさいし。
だからガンバッ、娘さん!
「……ッ!?」
さて(無視)移動はどうするか、……智核に聞けばいいか。
転移でその場に飛んで行っていいのか。それとも一応入り口から入って攻略してった方がいいのか。
おりゃには異世界の礼儀とか分からんからなぁ、敵とかならこの辺気にしなくても済むのに……
「イエス、呼びましたね?旦那様」
「まだですけど。呼ぼうとはしてました。」
……タイミング的に俺って、心の中盗聴とかされてるのか、ってたまに心配になる。
「愛です。」
「そっか。(思考の放棄)」
それで、あのドア(持参)のところで腕を胸で組み、なんとも中2チックな雰囲気でドアに寄りかかる明華には触れた方がいいのだろうか。
「呼んだかね、我が君。」
あ、向から来るのね、
そしてすまん、呼んでない。
「呼んでくれたかね、我が君。(震え声)」
あ、ヤバイ少し涙目だ!!
「よ、呼びましたとも!!」
「そうだよなっ!?」
「ええもちろん!!」
ダンジョン関係なのに毎度毎度呼ばれない事、結構気にしてる!この子!!ごめんね!!?
取りあえず、移動をどうしようを二人に相談した。
「転移していいですよ?」
「そうなの?」
「うむ、普通は出来ないくらい強力な"法則"が敷かれてる、ってだけで。やれるのにしてはいけない。なんて常識はないからね。」
ほへー、なら急ぎだし転移で行こ。
「あ、二人もくる?」
「イエス。もちろん」
「うむ!もちのろんだ」
うん、よかった。二人が居てくれるなら俺の心の平穏は保たれる。
「じゃあ、早速だけど、行けるか、二人とも?」
「準備万端です。」
「クエスト行く前のご飯は食べといた方がいいのかな!?我が君!!」
それはモンクエです。
「卵運び系統の面倒なクエストだから、まぁ。」
「鬱クエストじゃないか。」
俺もそうおもう。




