ヤリやがったなこのやろう!
〔下ネタ過分注意〕
おれのお師匠は凄いお方だ、
───クラウン・ネシス
この名を、魔と名の付く術を齧るものに知らない者はいない
ついた異名も、称賛も、そして悪名も数知れず。
代表的なもの五つあげるならば、
【世界の書】【最古の怪物】【魔淵を覗く者】【無限図書館の主】【叡知ノ王冠】
この異名にあった事を成し、それを知らない者は魔術を使う者の間では潜りだと嗤われる
それが俺の、魔術の師、
───魔術教会 元【番外席】のクラウン・ネシス
「…?」
そんな異名とは裏腹に、この可愛い仕草でケーキを頬張ってる姿もまたお師匠の姿なのだろう、な。
そう思うとそんなお師匠の姿を見れる俺は、やはり幸運なのだろう
そう心の中で思い、笑顔で触手をキモイという理由でもぎ取る白夜の姿を見ながら、
ネシスは「やはりうちの愛弟子の笑顔は破壊力あるのぉ」と思いながら口を動かし、
口内でクリームと共にとろけるケーキを飲み込みネシスは、なんとか、呆れ顔を作る
「はっはっはっ、なんかキモイのでぴちぴち動かさないで下さいよ。」
「『笑顔でむしり取るのやめてくれないかなぁ!?ちょっと痛いだけど!!……ァ♡でも少し気持ちいい』」
「わらわら、この人大概無敵だな、少し怖いぞ。」
「 、いや愛弟子よ」
そんな二人の漫才のようなやり取りを止めるようにネシスは声を挟む
その呼ばれた愛弟子は、「どうかなさいましたかお師匠……?」と首を傾げ、また生えてきた触手をむしり取る、
気分は雑草むしりだ。
「なんだか儂のこんな姿を見れる俺は幸運なのだろうな。とか思ってそうな顔だが。」
「お師匠……おれ、そんな顔に出やすいですか……?」
「『まぁまぁ出てるかな?』」
うるさいぞ謎生物とまた触手をむしり取る白夜、その話題に突っ込むのはいいが、これだけは言っておきたい、とネシスは言葉を続ける。
「おぬし、儂のあられもない姿をなんども見とろうて……」
「……」
「『……』」
まぁ、ハイ……ヤリました、ね。
「こんな姿は疎か、あんな姿やそんな姿も見てるだろうに。」
カエルのような姿勢で痙攣したのなんぞ生まれてこの方、初めての体験だったぞ、と続けられるお師匠の言葉に俺は気恥ずかしい、と言うかそうおおっぴらに言われても……と顔を赤くして目を逸らすしか出来ない。
知り合い(仮)とは言え、性事情を知られるのは少しどころじゃないくらい恥ずいとは……。
てか、なんかこの謎生物、細やかにプルプル震えてるけど何ぞや……?(気配察知LV10)
「『───こんのクソババァ!!いつか犯るとは思っていたが本当に犯るとは!?見損なったぞ!!羨ま……妬ましいッ!!!』」
「ヒヒヒヒヒヒ!!まぁ恨むなら自分のそのヒキニート根性を恨むんじゃな!!」
ふ……(達観)、面倒事になりそうだ(諦め)
(ちなみにネシスのハジメテは例に溺れず、好意に気付かず不意打ちで喰われた白夜のもよう。)
結局、あの後収集が付かなく、あーだこーだと言い争ってる間におれはなんとか退室できた。
まぁ、仲良さそうでなにより。
てことで、後は頼むぞ、おれ。
「知ってはいると思うが、一体化するだけで苦労が消えるわけではないぞ…?」
「言うな……わかるだろ……」
まぁ……なぁ。
でも、言っててもしょんないぞ?
どのみち俺たちに待つのは面倒事だ。
それも鬱になる系統の。
「うっ、言ってて気が重くなってきた……」
帰ってそっこー、この面倒事って俺は呪われてんのか。
………呪われてはいそう……。




