お師匠の汚部屋
薄暗い部屋、物は散らかり、下着は脱ぎ捨てらるようにほっぽりだされ、ご飯を食べた後の食器は片付けられず机に重なっている。
その部屋に、独特な露出の多い服を纏う銀髪の少女と、
大きな壺に土を詰められ刺さり出ている異形の人体がいた。
いきなり現れたその壺を見、少女はパチクリと目を瞬きさせ、面白い者が現れたと、白銀の左目と宇宙のような右目を細め歪な笑みを浮かべる
その笑みを向けられ、ギクリと肩を震わせ、まるでバイブレーションのように震えだす異形の人体
先に口を開いたのは少女だ。
「あはぁ、これはこれは、珍しい子が来たもんだね?」
「『おおおおお、おひさしゅうでご 、お、お師匠様……その、……また、一段とお綺麗になられて……。』」
「ヒヒヒ、そんな世辞はえぇよ? 儂的には、老いた、そう言っても過言じゃない変化を遂げてるからねぇ?」
少女はそう言うと、その背丈にしては大きな胸を持ち上げ、そう嗤う
その何処か煽るような言い方に、異形の人体の奥から歯ぎしりのようなものが聞こえてくる。
「それで?第三位殿はなにしてその面白奇怪な格好を?」
「『……好奇心に負けて、、、』」
「ヒヒヒヒヒヒ!!まぁ?いいんじゃないかの?」
少女はチラリと異形の人体、その盛り上がる筋肉、特に胸部にあたる部分を見る
そして口に手を当てると、ヒヒヒと嗤い言う
「元の身体よりはまぁ、ご立派と言っても過言ではなかろう?ヒヒヒヒヒヒ!」
「『それ言ったら戦争だろうがぁ”ぁ”ア”ア”ア”ア”!!?』」
声の迫力とは裏腹に力無く暴れる触手、それを見て嗤い転げる少女
それをそっと扉の隙間から見ている白夜
「ドMには、お師匠がよく効くなぁ、俺がなにやっても喜ぶだけだし……相性も大事とゆうわけだな。」
うん、と頷く白夜、そして薄暗い部屋に、服のかすれ、足音、風を切る音、そのどの音一つ立てず忍び込み、
その汚部屋と言うべき部屋を見渡し、取りあえず昔話に花咲かせてる間に片付けようと、慣れた手付きで部屋の片付けを始めた。
失言を漏らし助けを求める姉弟子の声を幻聴だろうと流し
「ふぅ、片付いた。」
まぁ?この完璧……とは行かずとも万能に近い私こと白夜様にかかれば?朝飯前ですがね!
そう何処か誇らしげに胸をはり、うん、と頷き10分とたたずあの汚部屋を音一つ立てず片付けた白夜は笑顔で部屋を出ようとする。
が──ぐいっと何かに後ろに引かれる白夜、その顔は何処か達観の域に達していた。
まぁ?分かっていた結末ですが、……このまま部屋を無事に出れる分けなどなかっとですとよ。
「まぁ、わかっておったなら無駄な足掻きをせんことよな?」
愛らしいお師匠の言葉に俺は頷くしか出来なかった…
「あい……。」
でも、仕方ないジャマイカ、お師匠の普段着って、お昼に見るには、ちと目に毒なんよなぁ……
「まぁ、愛弟子、おんしの世話好きがなければ気が付かなかったがな?その人外離れした気配断絶には儂も感服しかでぬよ……。」
まぁ、さすがに硝子の磨く音で気が付いたがの?
と続けられる言葉にデスヨネーとしか言えぬ。。。
もっと精進せねば……。
「『弟弟子はどの領域を目指しているのだ……』」




