ドMは基本無敵
俺が言ったこの人の名称、……いや所属か、
それに目を見開き驚愕の面を晒すレリさん。
まぁ、無理もないか。
レリさんがもともと入っていた組織、えーと。
えー……と。
あ、そうそう”十三災害”
その組織のやり取りでなんどか殺り合ってるみたいだし、そら、そこの第三席がいきなり登場!……登場…?
すれば、びっくりもするよなぁ。
ほいで、何故におれの方を”まさか、ついに目障りになったから潰す気で!?”みたいな表情でみるんのよ?
一応客観的にみたら喧嘩売られたの俺じゃない……?
「いえ、その……全滅に追い込まれた相手の最後の反撃かと……。」
しかも相手全滅想定だし!
「そんな喧嘩ぱっやく見えるぅ……?」
気まずそうに目を逸らされた……!!
そんで、
「笑いを堪えるなその謎身体で。奇怪過ぎるわ、てかなにそれ?また変なの作ったなぁ……」
「『ン?素体のことかい?んヤァ?いつ作ったかナ?多分適当に売っぱらったヤツの何れかだと思うのだがネェ?』」
「ん?なにを目的に作ったのか憶えてないの?てっきり嫌がらせか、襲撃用か、の何れかと思ったんだが……?」
この反応じゃあ本当に憶えてないんだろうな。
「『マぁ、襲撃ナンじゃないかなァ?シランケド。』」
「第三席お客様殿、アンタの仕掛けたもんじゃないと……?」
レリさんが疑いの眼差しでバイオな身体の奥底を見る。
「『ンォ?もしかして疑われてるのかい?』」
「疑うな、その方が無理だろうがですよ。」
レリさん……相当敬語苦手なんだな…さっきから変な喋り方の人になってる……
「『フム、わたしトシテハ、こんな理不尽の権化みたいな者に挑む馬鹿の方が珍しいと思うが……。』」
「………なるほど。」
え…?なるほど……?
「んまぁ、いいや。で?なんでお出になったのでしょうか?」
「『キミ、わたしのこと、キライ過ぎじゃなイ?』」
「いや、キライじゃないですよ。」
好きでも、興味もないけど、出来れば知り合いになりたくないだけであって。
「それはある意味嫌いより酷いきがするぞ、ゴシュジンサマ……。」
「『ゥゥ……仮にもわたしも女性ダぞ……傷付くぞ…。』」
そのバイオな身体でその女性ぽい仕草やめてくださる?凄く凄い絵面ですので。
はぁ……。
「すいません、訂正します。」
「『ォオ』」
「普通に嫌いです。」
「『傷付いた!!!でも……なんだろう、少し
───気持ちがいい。』」
気持ち悪い(素直)
「ハァ、んで?本当になにようで?」
要件さっさと言わんとその意識入ったままの謎人体、バラすぞ
「『物騒だなぁ……、いやなぁに。少しキミの空気を端末が探知してネ!だから少しオハナシニ来ただけさ!』」
「ほーん、そっすか。」
「『つ、冷たい…!!キミィ!わたしの事をなんだとオモッテルのかネ!?罵倒すれば喜ぶ変態だと思ってわないかネ!?』」
心外だヨ!!なんて、触手をうねらせ叫ぶこの変態、どうしようか。
この謎人体に、意識固定して師匠にでも差し出すか。
そうしよう。
「『チョッと!?聞いているのかネ!?』」
「ふぅ、まぁ、なにかと思ってる、そう聞かれると……」
「『聞かれると……?』」
「一言で言えば……、コレが姉弟子だと思うと少し鬱の人の気持ちがわかるような気がさせてくれる、罵倒、罵声で回復する奇人ですかね。」
「『一言ジャナイ!?ッて!?まって!?これ何処かに転移としてない!?んて!!意識が切り離せない!!?これ固定されてるぅ!?あっ、ちょ、ま─────』」
よし。
「悪の元は滅びた。」
「とんでもないイジメを見た気がする。」
もちろん被害者は俺だよね……?
「まぁまぁ、送ったドMも気になるし、行くかな、レリさん、今日もありがとね、給料アップはしとくから。」
グッと親指を立てれば返してくれるレリさん、大分馴染んだようでなによりだ。
さて、おれも師匠の所に行くかぁ、そろそろ俺も帰ってこれそうだし、支度もしなきゃな。




