表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が理不尽です  作者: セロリM
ギルド・冒険者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

267/380

月砕き



我等が愛すグランドマスターは、控え目に言って

怪物だ、それも世界を容易く滅ぼすことも、そして救うことも出来る怪物だ。


いい意味で人の枠に納まらないお方だ。


大厄災、あの事件を以降に一月と時間を掛けずに、一大組織を作り上げ


守るために力を手に入れ、その普通からはあまりにも掛け離れた力を持つゆえに、迫害されそうになっていた者達を拾いあげ


そして社会の歯車を建て直した救世主


それが我等がグランドマスター、狂っていて、全生命最強で、可愛くも怖い、そして愛すべきお方




そんなお方が、期待をしてくれている。


この化物を自分達、人だけで殺せと、打倒して見せろと。











▽△▽△▽












自分の身体が破壊され、燃やされる。


こんなゴミに御方(おんかた)の眷属の自分が、だ。


完璧たれ、常に欠けるなと創られた自分が。


この下等生物、ゴミ、道具、畜生風情が。



月を偽る者のオリジナルの記憶から、沸き上がる怒り


それは月を赤く染めた。


潰せ、ゴミのように、捻り、遊び、叩きつけ、希望を奪え、絶望を与えよ


そう思うが故に、そうあれと。


───赤い満月は醜悪な口を開ける



ノイズのように走る有る筈の無い欲望を添えて



───喰って喰って喰って喰って喰って喰って喰らい尽くせ、平らげろ、貪れ、素としろ、そして暴れ喰らえ









──── (ゲラ)ゲラ■■ミジ■□□□■■■■!!!!!!!!!!!



魔力を、精神を惑わし狂わす神気(・・)が雨のごとく降り注ぐ


そして、大地が捻れ、地場が崩れ、生命生存領域が引っくり返り、水が炎となる



───筈だった。





別次元のエネルギーが凍結する、怒りが、条理が

そして白銀の髪が静かに揺れる、その他を凍結(とめ)



「噂に聞き及んだ、神気、神が扱う超常のエネルギーですわね、 ……ですが安心致しましたわ、どうやらわたくしのスキルも神の名を冠するだけあって、干渉は出来るようですわね」



なら、と白銀の髪の女性は言葉を続ける



「魔力操作もろくに出来ない化物に、このわたくしが負ける理由がありませんわ。 ……それにあなた、優位性を一個お捨てになりましたわね…?」



実体化(・・・)し、凍結した偽の満月へ静かに告げる、静一



「当たるのなら、あなたを壊すことなど赤子を捻るくらい容易いのですわ、そうですわよね、おバカ?」



動かない、魂で思考が出来ても、動けない、偽の満月

そしてそれに跳躍(・・)、で近付く黒い腕の女性


その女性は嫌そうに顔を歪めながら、怒鳴り返事を返す



「こんな時までおバカ認定かよ!クソがッ!! …まぁでもあの氷結女が言った通り、実体化したなら壊すことなんて楽な仕事だわなァ!!」



口を大きく広げ、凍結状態からピクリとも動かせない偽の満月



「これで殺せねぇとしても、てめぇらみたいな弱点丸出しのヤツはその象徴を失っちまえば…!!」



拳を引き、告げる紅



「力の大部分が消えんだろォ!!そう言ってました!!グラマスが!!」



下の方から、しまらねぇ…、しまりませんね、あのおバカにしめは不可能ですのね…、などの声が。


だが幸い…?紅の耳には届かなかった。



「ブッ死ねェ!!!

───爆拳(ばっけん)月砕(ガチクダ)キ》ィ!!!!!!!!!!」



紅の黒腕が、偽の満月に触れるのと同時に

空に爆撃の衝撃波が走る


そして爆撃を押しきるように、拳を振り抜いた紅の姿と三日月が、空を飾った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ