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俺が理不尽です  作者: セロリM
ギルド・冒険者編

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渦を巻く大海蛇



今回のサブタイトルの名前はモンスターの正式名称です。


異世界用語でこう読みます



渦を巻く大海蛇(メルウス・レヴィン)



美里がゆっくと息を整え、魔力をメンバー全員に行き届かせ唱える



「《瞬間強化・全》…」











山、そう形容するしかない巨体、頭だけでそれだ、その巨体が、ガリガリと何かを削る音共に、湖から這い出てくる



そして、湖の水面から顔を出した蛇のようなモンスターの、全身に鈍く光る青色の鱗の中から、少し濃い青を最初に見つけたのは


弓兵、真二だった。



生命の危機に瀕し、時がゆっくりと動く感覚に襲われながらも、冷静に、そして正確に視点を合わせると、


真二は矢を放った


美里が教えてくれた”弱点”となり得る箇所へ



そして、ギュル…と空間がネジ曲がるような鈍い音がなるのと共に、蛇のようなモンスターの首に


──風穴……と言うには広すぎる穴が空いた



さらに追い討ちとばかりに、穴の空き支えとなる大部分の肉を失った蛇のようなモンスターに


赤い線が首を両断するように、走った。



刀を振り抜いた姿勢の神田が放った武技《禍尽(まがつき)》だ




宙を舞う蛇の頭部

血を撒き散らし、湖の水面を赤く染め


そして


その頭部に接近する一つの赤い光


愛華だ、愛華の持つ剣が赤く光り、一条の赤星のように愛華の後に光りが追う



蛇のようなモンスターの頭部が首を断ち切られて尚も、目を見開く


睨み殺すように、その黄金の(まなこ)に映る全てを、最期(さいご)に殺そうと『石止(せきし)魔眼(まがん)』を見開く



光る眼


───だが前触れもなく、その眼は何も映さなくなった。



大城が危機を感じ、瞬時に止めではなく、眼球を抉り削ったのだ。


だがその代償は石化した両腕



「うっ…ぐっ!《一殺》続けて《二殺(ふたさつ)》……!!」



その声を、気に蛇のようなモンスターは自信の生命力が大きく削られたのを確かに感じた。



「だ、……!!!っ…!大城ナイス!!」



その大城の両腕に動揺を隠せない愛華、だが今言うべきなのは、心配する言葉ではない。


なんとか心配で駆け寄りたい体と心を押さえ付け、後は任せろと、任せてもいいんだと、声を上げる。



「後はヨロシク、姉御。」


「この愛華さまにっっ!まっっかせなさい!!」



落ちる頭部と胴体を射程(・・)に納めた愛華は、赤い光りを放つ剣を振り下ろした。



剣術Lv8《剣鬼解破(けんきかいは)》+火魔法Lv5《妖炎》


オリジナル武技



「《落妖炎破(らくようえんは)》ァアアア!!!」



剣から解き放たれた、魔力を纏った斬擊と魔法が混ざり、炎の柱が蛇のようなモンスターを湖へと押し込み燃やし、胴体を輪切りにした。



元の場所へと戻るように流れ落ちるモンスターの焼け斬れた死骸を目に、


PALETTE(パレット)のメンバーはようやく肩の力を抜いた。



そして崩れ落ちるように倒れ込み、

それを支えようと走る美里、


魔力切れギリギリ、それでも無理に体を動かし落下する二人を受け止めようと目が霞ながらも走る美里……。



そこで景色が移り変わる。


見覚えのある景色



「ここ…は…」



綺麗な景色を一望出来る場所に、不釣り合いの高価なベット、そしてその上で横たわる緑の光りを放つ仲間達


その姿をぼうっと何処か現実みのない光景を、疲れ魔力切れ、のせいで見つめる事しか出来ない美里に後ろから声がかかる。



「美里さん、お疲れ様です。」


「ハクヤ…くん?」


「はい、すみません、皆さんが危ないところだったので、相談もなく”転移”をジェシカさんに頼ませて貰いました。」



そこで美里はようやく、全ての力が抜けた

ペタリと尻餅を付き座り込み



「よ、良かったぁ~~」



そう安堵の息を吐くと、ゆっくり崩れ落ちるように眠りについた。



それを支える物質化された黒い魔力の手


そして微笑み、

白夜は言う、本当にお疲れ様です、と。



「残りは一匹、ですね。」


「ええ、あの熊公ならほぼ勝ちでしょう、相当油断しなければ、の話ですが。」


「次は汝ら四人で()くのか?」


「ええ、ここまで来て仕事は最初の雑魚掃除だけでした、はいやですもの。」


「欲求不満、ってやつだな!」


「使い方間違っておらんか…? …まぁよいか、だが四人で足りるのか?」



うーん、と考える白夜。

そして少し合わせるか、と白夜的にはニヒルに、客観的に見れば可愛く、笑うと。



「過剰戦力が過ぎるくらいですよ?」



そう笑い言い、四人は消える。



「んーむ、その笑い方をしても汝では可愛いだけだぞ、男の娘よ…。」



何処か仕方がないヤツをみる目で見送るガブリエラはそう呟くのであった。


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