Sランク達の恋ばな……(戦場番)
ガブリエラは白夜の膝に頭を乗せ、死んだように寝ている紫苑を見て、「よお寝おるわ」と少し呆れたように言う。
「そんな寝心地がいいのか男の娘の膝は。」
その質問に首を傾げ
「さ、さぁ…?」
そう答えるしかない白夜
「まぁ、この轟音の中をそんな爆睡できるのだ、寝心地がいいのだろう、ふむ……」
そうガブリエラが疑問を含み、白夜の眼前に顔を近付ける、
その行動に白夜は内心少したじろぐ
眼帯、軍服、そして魔性的な瞳の色、それらを引き立てる美貌を目の前に、たじろがない男はいないだろう。
そしてその感覚はガブリエラも同時に抱いていた。
瞳を少し隠すような純黒色の綺麗な髪、その奥に見える少し赤みが掛かった黒い瞳、長い睫毛、健康的な白い肌
美の女神と言っても過言ではない美貌
戦の神と言っても過言ではない戦闘能力
ガブリエラはふっ、と赤み掛かった頬を隠すように顔を逸らすと
「全く興味の尽きぬ者だ。」
そう言い、仲間の二人の元へ歩いていった。
「……?」
後に疑問を全面に出す白夜が残されていた。
「…あの人、本当、性格、顔、財力、力を全て兼ね備えてるからモテるんだよなァ」
「まぁわかりますわ、ですけどわたくしとしては、うちのギルドマスターの思いを浮かべると複雑ですわね……」
「あん?おめぇ一夫多妻反対派だっけか?」
「いえ、未だになれませんが、法的にはなかっただけで家の歴史では何度かそうゆうのがあったようなので…別にそうゆうわけではないのですけど。」
「ならいいじゃねぇか?」
「はい一夫多妻はよろしいのですわ、ですけどうちのギルドマスターが思いを告げられていないのに……と」
「ああ~、なるほど、けどあの人の事だ言わんと気づかないだろ?ならあの眼帯は大丈夫だろ?」
「ん、そう……ですわね。」
「ンだよ、煮えきらねぇ…」
「いえ、そのうちのギルドマスターと、あのお方の進展度の問題といいますか……」
「あん?確か結構な頻度で飯とか弁当とか持っててるって有名だぞ?結構な進展あんじゃねぇの?」
「……その、完全に構図が親と子なのですわ……。」
「……先は長そうだな。」
「……ですわ……。」
───てか、俺達の出番は……?
───多分”保険”的な役割なので、まだまだ、だとわたくしは思いますわ
そんな場違いな会話をしている時、湖の水面がまた、少し揺れた




