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俺が理不尽です  作者: セロリM
ギルド・冒険者編

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後先考えぬ全力



片手斧を、渾身の力で振り下ろす。


渾身の一振、大地を割る一撃だ。


しかしその一撃は鉄の大地を、鉄で打ったかのような音を響かせ、衝撃が滑り表面の薄皮を傷付けるだけに止まってしまう。



そしてお返しとばかりに、放たれる水の弾丸



「はっ!そんな器用なことも出来んのか鮫野郎ぉ!!!」



だが片手斧を扱う人、童鬼は、それを紙一重で躱し、追撃に乱舞を叩き込む。


その乱舞に使われる一撃一撃が、普通なら大岩を粉砕する威力を持つが、


水面を背にした、鉄の大地とも言っても過言ではない巨大鮫には、その一撃一撃が蚊に刺されたくらいの痒みしか感じない。


だがそれでも鬱陶しものは鬱陶しい。


植え付けられた恐怖、その感情に芽生える




──憤怒の感情



巨大鮫は”初めて”、自分の意志で攻撃を開始した。



「うぉ!?なんだぁ!?」


「頭ァ!」



危機察知のスキルを持つパーティーメンバーに、鎖で釣り上げるように引っ張られる童鬼


それに文句を言おうと口を開こうとした

──その瞬間



先程まで童鬼が居た場所から”現れる”水の柱、

その水の柱は、ダンジョン階層の特徴とも言える空に浮く大地の横を経由して存在


次の瞬間、空に浮く大地が三日月のように抉れた。


それを見て驚愕する童鬼。


そうあの水の柱は”現れた”のではない、童鬼の足元から湧き出たのだ。


その速度は最初から存在した、または現れたそう錯覚してしまう程



さらに畳み掛けるように、さらなる驚異が破壊者の祭り(ブレイク・フェスタ)へと降り注ぐ。



大きすぎる口を開く巨大鮫、

その行動を確認した瞬間


童鬼は走馬灯のように、この戦闘が始まる前の白夜との会話を思い出す。



「咆哮だァ!!!耳を塞げぇ!!!結界を張れぇ!!!!!!!」



その指示に迅速に従う面々


音を遮断する結界魔法《防音》


ごく一般的に使われる魔力の結界《障壁》それの上位互換を重ねるように張り巡らす《過重障壁》




次の瞬間、世界から音が死に絶えた。

巨大鮫が発した咆哮は、空に浮く大地を消し飛ばし


津波を撒き散らす

















「無事かぁお前ら……」


「「「ウッス」」」



そう確認をとるのは無傷とは言えないまでも、大きな傷が見えない童鬼だ。


童鬼はメンバー全員の無事を確認し


そして凄絶な笑みを浮かべた。



愛すべき馬鹿達も無事、自分もまだ戦える。



その事実だけで童鬼は戦意を滾らせる


そして童鬼は深呼吸を一息、童鬼はそれを合図に本気から、


なりふり構わない、後の事を考えない



───全力へと切り替えた。



ひっ、ひひ、と引き吊ったような音が喉から漏れる


恐怖…?否、歓喜からだ。



それをみて破壊者の祭り(ブレイク・フェスタ)の全員、それに倣うように笑みを浮かべる。



「すまんなぁ坊主、あとは頼んだぜぇ、おれはコイツらと遊び倒すことに決めたァ……!!」



童鬼には何処からか、しょうがないですねぇ、と呆れと慈愛の含んだような声が聞こえた気がした




童鬼が後先考えず高めた魔力が、空間を(きし)ます

ドス緑の魔力が童鬼の身体を覆い


そして童鬼は唄う(となえる)、破壊の賛歌を




「《破壊の戦王(ブレイク・ドライブ)》ゥゥウウウウウウウウヘゲゲゲゲゲゲゲゲ!!!!!!!!!!!!!へゲハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!」



狂気を含んだ笑い声と共に、深緑の魔力が荒れ狂った。


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