人の事を言えない人達
珍しく顔を強ばらせた童鬼さんがおれに言う。
ま、その強ばらせた中にも隠しきれない笑みを浮かべる辺り生粋の戦闘狂いだと感心するが
「坊主、今回は隠し事誤魔化しなしだ、情報をくれ。」
こんなんでも野郎共の命をあずかってんでな、と付け加えて童鬼さんは、あの巨大鮫から目を離さずそう言う
「はい、では魔法吸収水、ですので氷水系統は相手の吸収量をオーバーさせやきゃダメージは通りません、そして強靭肌、物理の攻撃を軽減、Lv10あるのでほとんどダメージありませんよー、あとは咆哮、自分より格下の動きを止めます、これは魔力で弾けます、後は浮遊、読んで字の如くですねー、あとは大海魔法、これは~水魔法の上位互換なんじゃないですかね?
うーん、情報がおおくて分かりづらいですね、シンプルに言います、魔法は水氷が効きません、物理単体だと効果はあまりないです、そして相手は空を泳ぎあの巨体で突進、空中からの一方的な魔法攻撃が降るでしょう。そんな感じですねー。」
「おっけい、じゃあ「余達がやろう、熊公達では相性が悪すぎる。」ずりぃぞ!?」
ええ~、て表情の盟主さん、まぁおれもええーて感じだが……まぁやる気満々だからやらせたらどうですかね……言っても無駄そうですし。
「男の娘よ、余結構まともなことを言ったよな…?なんだ……? 獣と会話しようと試みた余が悪いのか……?」
「ドンマイです、盟主」
「盟主ドンマイ~!」
「盟主、ドンマイ」
「うぅ…余にはおんしらしかおらん……ん?それよか男の娘よ、汝、余の名前知っても頑固にも呼ばんのはなぜだ…?」
「特に理由はございませんが…?」
「ないのかよ!?てか汝喋り方が一通せんな!?」
一通しないのがおれの喋り方ですので~。
───おらァ!野郎共!アイツがハマってる間にブッ殺せ~ェ!!!!
──オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
──頭ァ!一応女性もイルンダゾォオオオオオオオオ!!!
あ、突撃してった。
流石、よっ!戦闘狂!
「汝は動じんなぁ……」
「まぁ、童鬼さんグループは全員初動で突撃すると確信してたので、そう作戦に組み込んでおいたので計画通り、ってヤツなので動じませんよ。」
「ほんとだ、作戦にバカ突撃って書いてある。」
やだなぁーそんな目で見ないで?
そのバカって書いたのは紫苑さんだから、最初はちゃんと童鬼グループ突撃って書いておいたのよ?
後に書類に目を通した紫苑さんに修正されたけど、
「あ、飛んだ、そう言えば鮫が飛ぶって、昔どっかのホラー映画で見たな」
「あぁ、あったなー」
鮫が飛び、29階層に続く滝へ向かうがそれを阻止する童鬼さん達、
んで、湖からは
「お次のお客様~、今度はタコで~す」
「クラーケン…か。」
「ちなみに浮遊とスキルにあるので飛びます。」
「クラーケン…か?」
んー、鑑定っと
▽深海で蠢く者▽
存在12 進化+3
鑑定精度100%/100%
・氷水魔法8
・絡め捕る10
・悪食10
・身体欠損再生13
・浮遊6
・打撃耐性10
・魔法吸収(氷水)10
△△
⚪
メメル航海記録に記される、深海で蠢く悪魔の正体とされている
紫色の巨大、丸みを帯びた横長の頭部、腹にある無数の牙、その巨体から繰り出される触手の一振は
メメルの太陽船を真っ二つに折った、とされている。
メメルの黄金船はミスリル、そしてオーバークラウンをふんだんに使われていた、それを一撃で折ってしまう威力はどんな近代魔法兵器でも耐えられないだろう。
そして腹にある無数の牙は魔法を喰らう、その事から
無敵の怪物とも記される
そして怪物は最後には、海神に破られる。
だがその怪物の亡骸は今もなお、深海を蠢いていると……
船乗りの間では語り継がれる伝説となっている。
⚪
え、なに?物語…?
あ、情報だけ見るなら別視点とかあるんだ、いやでもおれこの物語風のもの好きだしなぁ……
今度でいいか、まぁこの程度なら詳細とか無くても勘で分かるし。
「まぁ、なまえは違いますけど、そんなもんじゃないですか…?多分」
「ふっ、海の怪物、どれ英雄ごっこ、と行こうか、ジェシカ、アリアナ」
「イエッサー!盟主ー!」
「いぇっさー……盟主…、」
いってら~
「見てください姉御、ここに見事に行く順番も書いてありますよ…」
「多分これ協調性のない順で書かれてるわね、」
「見事にあたっている。」
「あら~~」
だって、多分全員作戦とか言っても聞いてくれへんもん。
「よしよし」
「うう、おねーさんん」
お胸が……!
白夜の白夜が危険が危ない!この節操なし!
ちょっと自分の下半身が嫌いになりそうなおれであった。




