互いに思いやる心
30階層の大地を、水を埋め尽くす魔物の群れ
それに微かに見える血と死骸
それを踏みつけ、その上を歩く群れ
その光景を一言で言うなら、地獄
「暴走期を思い出しますわ。」
「だなぁ、ま。」
だが所詮、力なき数、強者を殺すには数が必要とは言うが………その強者の水準にもよるだろう。
そして、数こそ多いが、このモンスター達では、
Sランク二人を止めるには、到底足りない。
「「思い出すだけでこれと言ってこれ以上の感想はねぇけどな(ないですわ)」」
「《破拳・穿ち》」
「《双斬・乱雨》」
二人の武技が、大地を埋め尽くしていたモンスターの大部分を削る。
衝撃波に巻き込まれ打ち上がるモンスターの群れ、何匹かは反撃しようと魔法を打ち出すが、
二振りの剣のうちの一振に、打ち払われる。
「アヤツら連携は苦手とかほざいてなかったか?」
「んゃ、嬢ちゃんありゃ連携じゃねぇ、ただ大技を互いに互いの被害を想定しないでぶっぱなしてるだけだ。」
「ほんとだー、互いにぶち当たってキレてるー!」
「仲悪い、誰あの人達助っ人によんだの。」
そう童鬼、ガブリエラ、アリアナ、ジェシカが、首をやれやれと振ると、それを見ていた愛華は言う。
「まぁまぁ、皆さんも人の事を考えない度合いなら大差ないですよ」
ゴーーン!!背後のキノコ爆発を背景に、思い当たる節がまっっったくない4名は嘘だといってよ、とゆう表情をするが、愛華は、満面の笑みで毒を吐き、そして否定する。
「ハクヤ様、あの二人に全て任せて大丈夫なのですか?私達も手伝いとか。」
「あはは、いやー必要ないと思うよ?」
だってあれ、と白夜は二人のいる方角を親指で指す
「ただのストレス発散だから……ほら多分この階層にくるまで力をセーブしながら来たからムカムカが溜まってたんだろうね……、しばらく放って置こうか。」
「なるほど、分かりました。」
お昼、夕方と過ぎ、湖はうっすら、とだが三日月を写す時間
湖の水面が微かに揺れる。
「来るよ~」
そんな白夜の緊張感の欠片もない一言を気に、
湖の水面が盛り上がる。
「おいおいおい、ありゃデカすぎねぇか!?」
「山みたーい!」
「山五個分…てところ。」
顔を見せたのは、シャープな線を描き、青黒い肌、そして遠目からも分かるほど鋭利な牙
眼光は赤く
それを遠目から見ていた白夜は言う。
「鮫だね、でっかいねー。」
「アレを見て感想がその程度しか出てこないのは、おんしくらいだろう男の娘よ……」




