中の悪い?二人
「ふんふんふん~」
黒い魔力を無数の手形へと物質化させ、その手を使い料理をする白夜、
それを後ろから眺める、
鮮やかな水色の髪を、鳥のアクセサリーが付いたゴムで括る女性が一人
赤と言うよりは、燃える紅色の髪、その髪を荒くだが少しは整えた形跡の見え隠れする女性が一人
その二人の内一人がボソリ、と呟く。
「男の娘、かわいい。」
「出ましたわね、妖怪ショタ好きおばはん。」
「あ“あ“!?こちとらピチピチの23だ!!」
「ピチピチ(笑)」
「てめぇさっきから喧嘩売ってんのか!?流石に年齢弄られると泣くぞ!?オラァ!!」
「そんな情けないことを威張っていわないで下さいませ? はぁ…」
「んだよ?」
「いえ、おバカの口から少しは核心的な一言が出てくるのでは?と、口を塞ごうと警戒してた、わたくしがバカでしたわ、とね……」
そう水色の髪を持つ女性が言うと、紅色の髪を持つ女性は、苛立ちを抑え声を沈め、言う。
「バカにすんな、相当強力な、ってより異常としか言い様のねぇ、隠蔽の魔法がかけられてるが、あの魔力操作を見れば俺にだって推測くらい立てれるわっ…」
そう言う紅色髪の女性に、水色髪の女性は少し驚いたように目を少し見開くと、次は申し訳なさそうに謝る。
「…バカにし過ぎたようですわね、ごめんなさいね。」
「構わねぇよ、俺がそう口を滑らせそう、ってのは分かるからな。」
少し嫌な沈黙が続く。
それから少しして、二人の前に黒い手がトレイを持ち伸びてくる
「これは…?」
「ケーキだ…」
驚き、思わず料理を白夜の方をみる二人
それを感じ取った白夜は、後ろを振り返らず言葉を発する。
「御二人方、そう立って料理する自分を眺めててもお暇でしょう、少し味見に付き合って下さい。」
それに思わず笑みを浮かべた二人は、ケーキを口に含む、
(全く喧嘩の納め方が、全く一緒すぎて)
(隠す気があるのか、ないのか……)
そう内心思い、揃う。
((相変わらず旨ぇ…(美味しいですわ…)))
「起きたらびっぴんさんが二人増えてる…」
「いえ、その前に起きたら作戦その他もろもろ全て終わってたのですが…。」
「このステーキ旨いの!」
「ゆっくり食べて盟友、喉に詰まる。」
「それよか、『血濡れの腕』と『氷絶の大地』が見えるのだが……ギルドは連携させる気があるのか…?」
見事に広範囲技持ちばかりじゃないか……、と呟くガブリエラに呆れた視線が2つ
「貴女だけには言われたくありませんわ、『圧殺の皇女』」
「それと勘違いすんな、俺がコイツと連携できねぇのは広範囲技が被るからとかじゃねぇ、気が合わねぇからだ。」
「致命的ではないか……。」
それを眺めあははー、と笑う白夜。
そしてそれをトレイ片手に食べ聞いていたギルド職員は、謝り倒す
「申し訳ない申し訳ない、逆に指揮が大変になってしまいました…!」
「あっはっはー、構いませんよー」
この謝罪は後日、ご飯でも奢らせて下さい…!!とスマホを片手に連絡先を謝罪と同時にゲットしようとする、ギルド職員の頭に、本とペン、が撃ち込まれた。
ギルド職員は沈んだ。




