補食カウントダウン 12
時刻は八を指し、皆が眠気を飛ばし起き出してくる。
そして気が付く、何故か机の上にのる豪華な朝飯。
よくよく考えたらホラーである。
皆の心は一致するが、昨日の味が忘れられない者達が、亡者が生者に群がるが如く、朝飯に食らい付く。
「うめぇ……!!」
「んだぁ…!これぇ……!」
「手がとまらねぇ……!!」
「ヤバい、ヤバいって……!!」
各々料理の感想を一言、そして無言の食事が続く。
それを眺めるガブリエラは呆れたように、肩を上下させ、近くの童鬼にからかいの笑みを浮かべ煽る。
「ふっ、まるで獣の飯漁りだな?」
「いや、ぁーん、否定するきはねぇけどよぉ……その獣の飯漁りに見覚えのある二人の嬢ちゃんが見えんだけど、良いのか?」
「ふっ……今のなしで。」
「互いに大変だな…。」
そう互いに目を逸す二人を見つめ紫苑は言う。
「まるでお二方は違うと言いたげですね?」
そう今朝の二人が食べる速度を見ていた紫苑が呆れたようにそう言うと、二人は揃って明後日の方向に目を向ける。
そんなやりとりを拠点の皆がおこなっているとき、白夜は、塞がれた池の近くを一人で歩いていた。
「んー、やっぱりそろそろ割れるなぁ、これ割れちゃうとこの池から結構な量のモンスターでるよな、………んー~?まぁレベル上げにはいいか?」
俺が一人そう呟く間にも、池を塞ぐ山が揺れる。
んまぁ、そんな事より。
「どうかなさいましたか?テレポーターさん?」
名前は知ってるけど、昨日その場に居なかったおれが知ってるのは不自然だから知らない体でいく。
そんなおれを不思議そうに見つめ、ジェシカさん(偽名)は口を開く。
「時を支配する者、世界を別つ境界を引く者、貴方は何者……?」
……すげぇ、なんの話しかすごくわからない…。
と、時を支配する者……?……あぁ昨日の紫苑さんと話す時外との時間を弄った事か…。
「んて、アレを認識できたの?」
「当たり前、あんな濃厚で精密な魔力操作、感じない方が不感症。」
ふへぇー、凄いな、PALETTEの皆さんも、破壊者の祭りの皆さんも、それこそ伏魔殿の二人も気が付いてなかったのに。
んで、何者?って質問だっけ。
「凄いですね。んと、何者?って質問ですよね?」
「うん。」
「んーー、冒険者です。としか?」
「それは嘘ではない。ってだけ。」
私が聞きたいのはそんなことじゃない。とばかりに見つめられる、が何者?って言われても~なー。
本当にただの冒険者やってるだけのグラマスだしなぁ~。
……なんて答えよう…?
あ、バッチタイミング。
少し睨まれた……。
「ほらどうやらモンスターも来るようですし?その話はまた後でって事で……」
「絶対、約束。」
微笑む、が睨まれた、誤魔化すなってことですね。はい
「はい、約束します……。」
「ならさっさと終わらす。」
あい。




