補食カウントダウン 10
「………」
おねーさんが、新しい職業を何にするのかを、悩んでる。
んー、おれが……いや、まぁ、いいか。
「おねーさん、決まったかい?」
「いいえ、少し…。」
だよなぁ……、職業によってはスキルLVが上がることもあるし、ごく稀に“ユニークスキル”が手に入ることもあるしなぁ……。
よし、ちょいちょい、っと。
「おねーさん、おれ、【鑑定】のスキル持ってるから、どんな恩恵があるのか見てみようか…?」
おれがそう言うとおねーさんは、驚いたように目を見開く、どうやらおれが自分の隠してたスキルを明かしたことに、びっくりしたようだ。
いや、この感じ、【鑑定】のスキルを持ってることにも含まれてるかな…?
【鑑定】には、ある程度の種類がある。
人だけしか鑑定できない。【人物鑑定】
物だけしか鑑定できない。【物質鑑定】
生命全般なら鑑定できる。【生命鑑定】
そして、それらの縛りがない、【鑑定の魔眼】または【鑑定】。
これら、その枠の縛りがないどころか、見える範囲も多いから、このスキルを持つだけでも相当なレア扱いされる。
それと同時に、見えすぎる目は”警戒”の対象にもなりえる。
「……無警戒が、過ぎますよ…っ。」
にこり、と笑う。この段階での笑みは相当怖い、と思うのだけど……。だが、それでも見惚れるのか……、ふふ、そんなおねーさんがおれを裏切れるとは思えないけど?
「…っ、ぐぐぐ、ハクヤくんが小悪魔になってしまいました…。」
ふふん、やられっぱなしのおれじゃないのよさ。
「…では、お願い致します。」
「はい、お願いされました。」
「……包容力のある男の娘……… 」
んで、今のおねーさんのステータスが。
・大島 紫苑・年齢22・性別女
・種族:人間種
・存在レベル80
●職業:<暗殺者> <瞬殺者> <瞬天> <運び屋> <糸殺者> <韋駄天> <>
・HP……
・MP(魔力総量) :10160
・気 :5040
・力 :6320×2500%
・力 :装備(効果) 158000
・防 :4320×2500%×2500%
・防 :装備(効果) 2700000
・器 :5600×2500%
・器 :装備(効果) 140000
・知 :5440
・速 :184000+(10000)装備効果×8000%
・速 :装備(効果) 15520000
・運 :81:固定
───
●スキル
・糸殺術:8
・気術:2
・体術:7
・暗殺術:8
・短剣術:6
・速(大)UP:-
・身体能力強化(魔・気):8
・書類整理術:7
・人物鑑定:8
・指揮:5
・武技発動時(力UP):5
・魔装:7
・アイテムボックス(中)
・迅速:9
・弱点看破:8
・魔糸創造:8
───
⚪ユニーク
・怪力
・豪脚
・神速
・韋駄天
・瞬足
・脚力強靭化
・嘘判決
───
称号:化■:暗殺者:有能受付嬢:Aランク:黒幕:銀閃:殺戮者:狂愛:ランク詐欺
装備欄
狼獣の髪飾り 速(大)UPのスキル付与
ギルド服(改・劣竜) ステータス防+2500
暗殺者の黒手 ステータス器&力×2500%UP
ギルドスカート(改・劣竜) ステータス防+2500
ギルド靴(改・劣竜)ステータス速×8000%UP
───
っっよいなぁ……!!
…取り敢えず、おねーさんが今、選択できる最上位職業が。
・<絡め獲る者> 全基礎ステータス 1万UP ユニークスキル 【絡め獲る捕食者】を取得
出現条件: 生命を糸で50万縛り上げる。そして職業に<暗殺者><瞬殺者>があること。
・<殺戮する女王> 全基礎ステータス5万UP ユニークスキル 【鏖殺の園庭】を取得
出現条件: ある一定の生命力を持つものを、一刻の間に20万殺害する。性別が女性であること。
・<暗殺者頭領> 全基礎ステータス 100UP ユニークスキル 【群れる影の者】を取得
出現条件: 職業<暗殺者>に就いていること、そしてスキルが【暗殺術Lv6】であること。
・<千の刃> 全基礎ステータス 1000UP ユニークスキル 【刃生成】を取得
出現条件: 千の刃物を同時に使い、生命を倒す。
・<銀閃> 全基礎ステータス 2万5千UP ユニークスキル 【銀の閃光】を取得
出現条件: ”銀閃”の称号を持つ者。
・<鏖殺の魔王> 全基礎ステータス 10万UP ユニークスキル 【黒糸】【魔王の身体】【殺戮強化】を取得
出現条件: 素質があること。生命を殺した数が1000万を越えること。司るものは、その者の素質による。
おお、見事に物騒なものしかない…。
てか下手すると魔王生まれるが……。
「一応、ユニークスキルの効果も説明しますね。」
「お願いします。」
うーん、そうおねーさんは言うけど、もうほとんど決まってるぽいなぁ……
【絡め獲る捕食者】
糸や紐で括った、相手の生命力を吸収する。
吸収してから数刻の間、吸った相手の生命力によって、ステータスが微UP
【鏖殺の園庭】
殺戮に特化した植物を無数に召喚し、操る、支配、する事ができる。
範囲は魔力に依存する。
【群れる影の者】
影の分身をレベル×出現させることができる。
操作は自分の技量次第。
【刃生成】
魔力で刃を生成できる、強度や鋭さは魔力に依存する。 生成速度は技量次第。
【銀の閃光】
銀色のオーラを纒い、気と魔力、以外の全ステータスを跳ね上げる。
上がるステータス量は、気と魔力次第。
【黒糸】
黒い糸を創造できる、この糸は普通の眼には見えない。 糸の強度、粘着度は、気と魔力次第。
創造場所は任意。
【魔王の身体】
種族が魔王になる。ステータスにHPが追加される。
身体が別次元に強靭となる。
【殺戮強化】
自分より、総合ステータスが低い者に、致命傷を99%の確率で与えることができる。
魔力を込めることによって、それらを更に強化する事ができる。
「こんな感じになりますね。って、もう決まってますよね……?」
「ええ、私の目的には、必要な予感がするのです。……軽蔑しますか…?」
ふふ、そんな泣きそうな声で聞かんでくれよ……。てか人間やめるごときで、おれが軽蔑するかよ、まぁ、その他にも色々ありそうだけど……ま、軽蔑はせんなっ!………多分俺のほうがやらかしてるし…。
「しませんよ。」
転職の宝玉を片手に、指を中に、迷いなく、何かを選択するおねーさん。
その綺麗な黒髪の先端が銀に染まる。
そして、一瞬目の色が赤く。
すぐに元の色へ。
その存在の劇的な変化に似合わず、不安に揺れる瞳。
あー、こーゆのをほっとけばいいだんだろうけど……無理、それにおれ自分勝手に好きに生きるって決めたんだ。
だから。
紫苑は目の前の現象に、言葉を失った。
自分に起こった変化なんて些細なことだと思えてしまう程の現象が目の前で起こったからだ。
黒い髪は、綺麗過ぎる白へ、瞳は星の浮く夜のごとく、その周りに浮き出る幻想的なナニカの紋様
「臭い台詞を言おうか。
───ようこそ、紫苑さん。此方側へ」
そう何時もよりも、魅力的な笑みを浮かべる白夜を見て紫苑は……。
「なるほど、私の選択は正解だったようです、ええ、ええ、まったく、 貴方は何処までも私を……いえ、それよりも、初めて私の名前を呼んでくれましたね…?」
「馴れ馴れしいかな…?」
「いえ、そう呼んでください、私はそう呼ばれたいです。」
紫苑は胸を抑える、沸き上がる欲を押さえ付けるように。
(大丈夫、時間はある、それに夜はもうすぐ。)
「あ、と言うより、白夜だから白夜は、偽名にしては安直では…?」
「あはっー、ですよねー」
さて、このタイトルの補食カウントダウンが近づいて来ました。
6/4(土) "補食カウントダウン 3"にて出てきてた紫苑の二つ名が称号に書き忘れがあったのを確認、修正致しました。
紫苑の称号に『殺戮者』の書き忘れ。追加しました。




