補食カウントダウン 7
眼帯をした少女は、チラリと塞がれていない、もう片方の瞳で、群れと戦う、いな、虐殺している場を見据え、笑う。
「ふ、今宵の試練への挑戦者は、いささか、超越しているものが多いな、……いや、それだけ此れから先へ待ち受けるモノが逸越しているとゆうことか。」
そう呟くとニヒルに笑い、辺りを重圧で押し潰し、背を向け中を歩き出す。
それを見ていた、童鬼は疑問の満ちた表情で周りのパーティへ問いかける。
「あの嬢ちゃんはなーにいってんだ…?」
「「お頭、ほっといてあげてくらせい。」」
そう息子と娘がいるパーティメンバーは暖かい目を、眼帯をした少女に向け、童鬼に言うのだった。
「あ、お頭さーん」
「お?どしたよパレットのリーダーの嬢さん」
「だから、愛華でいいですよ!」
「あ、そだったな、わりぃわりぃ、で、どしたよ愛華嬢?」
「あらかた片付いたそうなので、今回はこれで終いだそうです!紫苑さんが言ってました!」
「ぉん?いや、まだ結構いるぞ?」
そう童鬼が言うと、愛華も頬を掻きながら、あははーと笑う
「私もそう言ったのですけど……あとは私とハクヤくんがやる、っとおしゃりまて」
「おー、そりぁうちのメンバーも休ましたいからアリがてぇが、この数だぞ?それにあの二人俺達3パーティ以上のモンスター刈ってるだろ?俺達を温存させておきてぇ気持ちもわかるが……」
あと、2~3日はあるぞ?と童鬼が言うが愛華は言葉に詰まりながらも口を開く
「え、と、そう言ったらってゆう、その伝言がありまして……」
辺りを見渡し、モンスターの数をざっと見ていた童鬼が、その愛華の伝言にイヤな予感をおぼえた。
「愛華嬢……それは誰からの……伝言だ…?」
「……紫苑さんです……」
目元を押さえる童鬼、出来れば優しいハクヤがよかった。っと。
だが聞こう、多分命に関わることだから。
「姉御はなんと……?」
「『範囲攻撃を放ちます、死んだら……判断が遅い。って事で』っと、えっと…後5分です……。拠点まで走って下さいとの事です」
それを聞き耳をたてていた、破壊者の祭りのメンバーと童鬼の顔が青ざめる。
「っ!緑の嬢ちゃん!!」
そして、すぐに近くに浮かんでいた、翠髪の少女へ童鬼は声をかける。
「はい、何でしょう。」
「嬢ちゃんテレポート系の能力もってるだろ!?俺達を飛ばしてくれねぇか!?」
「いいけど、この人数は私の魔力が足りない。」
「俺から持っててくれぇ!」
「なら足りる。はい。」
次の瞬間、破壊者の祭りのメンバーの視点が見覚えのある拠点へと、移り変わる。
「はぁー、何するかしらんが姉御ぉ…心臓にわりぃゼ。」
「あはは、ですね。」
「お、お主達も来たのか。」
「ああ、来なきゃ、最悪死ぬだろ…?」
そう笑いながら話しかける眼帯の少女に、魔力を少なからず持っていかれ疲れたようすの童鬼が苦笑い混じりにそう返した。
「ははっ、流石に冗談だろうよ。」
眼帯をした少女のその言葉に、童鬼は今朝確かめた、ハクヤの技量と紫苑の威圧感を思い出し、首を振る。
「どうだか…な。」
「そら、そろそろ5分だ、どうなるのか、見物じゃないか。」
そうモンスターの群れを見渡し、眼帯の少女は言う
──次の瞬間、周囲の景色が銀色と黒が混じったような色に塗り潰された。
そして、それが幻だったかのごとく、消えたあと、残ったのは、確かにモンスターが居た。
とゆう証明の海のような血だけだった。
「むちゃくちゃが過ぎるぜ、どっちも”ランク詐欺”じゃねぇか……。」
「冗談だろうよ、そう余は言ったな熊公。
謝罪しよう、真剣と書いてマジだったようだな。」
「本当に私達と同じランク何でしょうか……。」




