補食カウントダウン 1
さてさて、噂のランク詐欺くんの、観察。
なーんて、意気込んで見たけど。
うーん、 ギルド長。としての役柄に選ばれるには実力も必要、って言うギルド全体の方針で
ギルド長は全員Sランクの半歩下の戦闘力をもたなければならない。
それは、この私も同じ、ようは自分で言うのも少し恥ずかしいが、実力には自信があっあのだけど…ね…。
実際、うちのギルドで、私に傷を負わせることの出来るのは紫苑くらいだしね……。
そう心の中で、苦笑いする中性的な顔立ちの女性は、ダンジョン区-30─9 のギルドの長
森崎 禊
その人は、目の前の絶世の美女にしか見えない黒髪の男の娘を見据え。
諦めた。
こりゃあ……無理だね。私じゃ、この子は抑えられない、実力が見えない、底が知れない、得たいの知れない
こんな感覚を憶えたのは、始まりの十三長と呼ばれる、ギルド長達、そしてそのお方達に付き従うSランク…くらいだったね。
ん?…ってことは、 実質Sランクじゃないかこの子……。
厄介事……、と言う言葉が脳裏に浮かぶ…が。
私はギルド長、めげてはいけない。
それに……今回たのむ相談事は、強ければ強い程いいからね……都合がいいかな…?そうだね、そう思うことにしよう。
さてとっ、相談事……を話したいから、その…目の前でイチャイチャするのを…やめてくれるかな…?
独身の私にそれは効く……ッ!!
「初めまして、ハクヤくん、ボクはここのギルド長をさせてもらってる、森崎 禊、って言います。よろしくね?」
厳密には、はじめまして。ではないけどね?
面接の時に一回あってるけど。今はお忍び!それは言わないお約束ってやつだな。
てことで無難に
「お初に御目にかかります、私はBランクに着かせてもらわせてます。東 白夜、っと申します。よろしくお願い致します。」
さて、初めてこんな畏まった挨拶したけど。
おねーさんの心拍数、感情に変動なし、そして事前情報を貰ってる筈の禊さんにも。
ってこはこの、元気っ子設定、バレてるな。
ま、でも今のところ、やめる気はないけど。
「すまない、単刀直入で申し訳ないが、いいかな。」
いいかな。っとは言ってるけど。圧は、いいだろ?って言ってる……。
ふふ、いいねぇ、自分を容易く殺せる者を前にしてなおも、 圧をかける程の度胸。
ギルド長はこうでなくては。
グラマスとしては嬉しいよ
それに、この程度の圧をかけても大丈夫、ってゆう尺度もこの短期で見抜いた目。
優秀だなぁ……。
「構いませんよ。」
「ありがとう。では、ハクヤくんにはある一つの依頼、クエストを受けてもらいたい。」
「分かりました。」
「もちろん…え?…いや、クエストの内容は聞かなくていいのかい?」
「はい。」
このギルドにはそーとーな、迷惑をかけてるからね。
それに何の依頼かは想像出来るし。
「あ、依頼の内容を聞かなくても受けます、って話で、依頼内容は教えて下さい。」
「あ、ああ、もちろん。」
ふんぅ?意図的にペースを崩してみたけど、持ち直すのも早い、ますます優秀だな。
「では、 まずクエストの形式は”レイド”、そしてある現象の調査です。……レイド、は分かるかな…?」
「はい公式サイトでちゃんと予習してきたので!」
”レイド”ま、これもゲーム用語から、まるっと取っただけだけど、ようは複数人のパーティー、それを臨時で組み”レイド”
普段は4人で、臨時で4人パーティーを5組用意したらそれは”レイド”
てことは、最低でも20人くらいで、挑む難易度のクエストってことか。
あれ……?
「ま、待ってください、そのレイドとなるなら俺……一人……」
「いやいやいや!すまない!いまその話をしようと思っていたんだ!」
……?
「その調査、すごくキナ臭い、と言うより……相当ヤバイみたいなんだ。だからこのクエストを受ける者はAランクに限定する。…ってより、Aランク級の実力をもつものに限定する。」
………嫌な予感がする。
「ちなみに何日くらいかかるクエストなのでしょう……」
「ヤツがでると思われる周期は判明している、準備期間を入れて4日だよ。」
「臨時パーティー、……俺は誰と組むのでしょう……」
「ハクヤくんは察しがいいね。」
───ハクヤくんの想像通り。
「よろしくお願い致します。ハクヤ様」
…最近、気が付いたことがある。
俺はおねーさんに性的に狙われてる。
そんな人と4日間のあいだずっと一緒……?




