友好会合
うん、自分で言っといてなんだけど、多分もうエロオヤジ化は手遅れだと思う。
そう“式理家主催の会合”に出てる分身?は思うのでした まる。
ちなみに全分身から“手遅れだと思う”と言われた本体?は落ち込み中
そう思うと俺も落ち込んできた………
俺の分身は、分身だけど分身じゃないからなぁ……
なんだろ……言うなら”全部本体”だな、意識も感情も感覚も味覚も全部、常に共有してるからなぁ
なんなら視覚もてか本当に全部だな、能力も縛りしてる限りなく本体?は別だけど、それ以外は全本体おんなじステータスだからな。
……………。
「ふむ、白夜よ、もしかしなくても飽きたな?」
…おじいちゃんには隠し事できないそうで。。。
「だって、さっきからおんなじ話ばっか。」
「にょほほ、そう言ってやるな、白夜よ、アヤツらはどーしてもおんしが当主になるのか、ならないのかが気になるんじゃよ。」
片目を閉じ、そうバッサリ言うおじいちゃん、なんだろ…様になるよな、イケ爺って感じ。
「いささか回りくどいがのぉ? にょほほほほ!」
そう回りに「用件をさっさと言え」と釘を刺し、
おじいちゃんは俺に笑いかける
”式理家”古くからこの国を支え、時には支配してきた一族、その影響はでかく国の外にすら及ぶ
武器、魔術、気術、陰陽術、技術、経済、土地、その全ての頂に立つ家、それが式理への大多数の見解だ
そしてその家が、今世紀は支配を選択した。
それも誰の手も借りないでの、だ。
気になるだろう、 いくら友好を築いている間柄とは言えど。
あの“覚りの妖怪”“化物爺”と呼ばれる者が塾愛する孫
それが絶望的だと見られていた当主の座に座るかもしれないと言うのだから。
真実を知ろうにも“双翼”も笑みを浮かべるだけ
五大家は、内情がいつの間にか知れなくなっている。
それをやっと、聞けるチャンスなのだ。
だが、友好を築いている、とは言えど。
自分達は、家を代表する者達だ、そんな餌に食い付くようなことができようか?
化物爺がからかうように、嗤うように投げ掛けられた釘に、皆が囚われる中。
一人の漢が目を、カッと開け、ピッ、と手を上げ「はいっ!」と声をあげる
それは思わず、はい、と指を指してしまいたくなるほど、綺麗な手上げだった。
手を上げた者の名は───
「ほい、 西 大木くん」
西 大木 西二天流と呼ばれる、剣術道場の当主だ。
肩幅はでかく、まるで大木のような漢。
腰には常に二本の大太刀が下げられている。
そんな漢が正座し、口をはっきりと開く。
「自分、 さっきまで寝てたので、 なんの話かわかりませぬ!」
部屋の温度が少し、下がった。
「ふむ、 どうしようかの白夜よ、予想以上の馬鹿がおる……」
「………」
目を瞑る白夜、 空気の温度が急激に下がったのを察し冷や汗を流す大木
「……皆、話回りくどい、聞きたいことがあるなら、単純に早く。って所ですかね。」
「お、怒ってらしゃらない……?」
「はい、別に。目を瞑ったのは面白い返しをしようとして思い付かなかっただけですよ。」
「な、なるほど…?」
白夜の横で、バシバシ畳を叩き、笑い転げてる爺を見る限り真実なんだろうな…と皆納得した。
「あ、では。質問よろしいでしょうか。」
「よろしいですよ。」
「白夜様が当主になるとは本当の話でしょうか、そしてもし本当なのでしたら、どう心変わりしたのかを教え頂きたく。」
「ふむ……当主の話なら本当です。そして心境の変化と言うならば……」
チラリと爺の方向を見る、白夜。
それに対し爺は頷く、何を言ってもいいかの確認かわかったからだ。
「言うならば…」
「まず、当主候補の現状を知っていますか?」
「えー、と。」
皆、考え、思考が止まる、そう言われると、知らない。っと。
「すみませんぬ、わかりません。」
「分家、力不足の為、当主候補からの除外。」
絶句、皆が口を開き、止まる、まさか自分家の汚点とも言えるモノを、事も無げに告げることに驚愕したからだ。
「分家のそれ以外はまず、他の部分で論外でした。そして本家の最有力候補だった方は、恥ずかしくも権力に振り回され、お爺様が適正無しと判断、候補から除外致しました。」
そこで、一旦口を止める白夜。
「そして、残ったのは私だった、それだけの話です。 心境の変化と、言うなら嫁が出来た、からでしょう。 質問は以上でしょうか。」
「は……は、はい!!あ、ありがとうございます!」
いえ、と告げまた白夜は目を瞑る。




